教育学類長からのご挨拶

情報科学類の学類長からのご挨拶です。

三谷 純(情報科学類長)

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筑波大学 情報科学類での学び

スマートフォンやタブレット端末、ノートPC、さらにはスマートウォッチなどのウェアラブル機器など、私たちの日々の生活に、これらの情報端末や通信機器が欠かせない存在となっています。また、情報通信インフラやデータセンターなどは私たちの社会を支える基盤を形成しています。とくに最近では、飛躍的な発展を続けているAI技術が、私たちの文化、思想を根本から変える可能性を秘めています。情報科学は私たちの住む世界を大きく変革する、こういった技術の基礎を理解し発展させるために無くてはならない学問です。

筑波大学の情報科学類に関心を持つ皆さんの多くは、生まれた時からデジタル機器に触れ、いわゆるデジタルネイティブとして成長してきたことでしょう。つまり、各種のデバイスや電子サービスが存在すること、そしてネットワークを介したコミュニケーションをすることが当たり前と感じる世界観をもっているかと思います。しかし、このような技術が急速に進化する時代だからこそ、情報を扱うための理論の原点に立ち返り、これまでの技術の流れを学び、将来を展望する広い視野を持つことが不可欠です。情報科学類では、最先端技術の応用だけでなく、その基盤となる理論を深く理解することに力を入れています。

コンピューターの歴史は19世紀のチャールズ・バベッジの機械式計算機から始まり、20世紀のアラン・チューリングの理論を経て、1970年代のマイクロプロセッサの登場によって私たち個人がコンピューターを手にできる時代となりました。1990年代にはインターネットが急速に普及し、2000年代のスマートフォンの登場で、現代の高度なIT社会が実現しました。さらに近年ではディープラーニングを基礎としたAIの発展により、人間だけが持つと信じられていた「知能」を、いよいよコンピューターももつことが現実的なものとなってきました。それに伴い、コンピューターは人類の生活を豊かにする可能性だけでなく、新たな課題も提示しています。これらの時代背景の中で、情報科学の知識を持った人材が多様な分野で求められ、その技術と知識によって社会に貢献することが期待されています。

インターネット上で多くを学べ、大規模言語モデルをベースとしたAIからも対話的に回答を得られる今日において、大学で学ぶことの意義はどこにあるでしょうか。それは、キャンパスという物理的な空間で、そこに集う同じ志を持つ仲間たちや教員とのインタラクションにほかなりません。本学には、わが国有数の広大なキャンパスがあり、優れた設備、教育システムを備えています。先人たちが学び巣立っていったこの地で、この空気の中で、仲間と共に学び、長年の経験を持つ教員から知識と知恵を吸収し、日々成長されることを願っています

情報科学類で学ぶものには、1年次の基礎科目、2年次以降に学ぶ専門科目、各種の演習科目など、数多くの科目群があります。これらを通して、ソフトウェア、情報システム、知能情報メディアといった領域の基礎から応用までを広く深く学べるようカリキュラムが整備されています。また、卒業研究を通して、情報科学分野の最先端に自ら挑み、新たな知識や技術を開拓することを目指します。

情報科学類での学びを通じて、自らの可能性を広げ、仲間と出会い、そして実りある人生の出発点としてください。

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