quota、キャッシュ、ファイルの整理、シンボリック・リンク、Emacs英語チュートリアル

					2018年06月22日
情報科学類 コンピュータリテラシ

                                       筑波大学 システム情報系
                                       新城 靖
                                       <yas@cs.tsukuba.ac.jp>

このページは、次の URL にあります。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2018/2018-06-22
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/

■連絡事項

■ファイルの整理

◆quotaコマンド

coins では、ホーム・ディレクトリ以下で個人がファイルを保存するために利 用できるディスクの上限が決まっている。上限や現在の利用量を表示するため には、quota コマンドを使う。 手引き 2.8.2 参照
$ quota -v [←]
Disk quotas for user yas (uid 1013): 
 Filesystem 1K blocks  quota limit    grace   files  quota limit   grace
      /home    959318      2764800  3072000   23138            0       0
coins の標準は、上限 3 GB (3*1024 KB)。これを超えると、ファイルを保存で きなくなる。電子メールも受信できなくなる。 90% の 2.7 GB (2764800 KB) を超える、すなわち、残り 10% を切ると、警告 のメールが飛ぶ仕組みがあるが、メールが飛ばないこともあるので、各自自分 で気をつける。 手引き 10.9 参照

上のユーザは、959,318 KB 使っている。 ファイル数は、23,138 個。ファイル数の上限は、設定されていない。

quota の limit を超えた時には、 不要なファイルを消す。

注意: MacOSX の「ゴミ箱」に入っているファイルもディスク容量を使用してい る。「ゴミ箱を空にする」という操作を行って初めて使用中のバイト数が減る。

◆duコマンド

新Linux/UNIX入門 06-038 ディスク使用容量を調べる 参照。 ホーム・ディレクトリ全体ではなく、個々のディレクトリごとに ディスク使用量を調べたい時には、 du コマンド を使う。引数に調べたいディレクトリ名を与える。ディレクトリ名としては、 「.」や「~」も可。du は、ファイルの数が多い時に表示までに時間がかかる。 途中でやめたくなった時には、 ^C (Control+C) で強制終了する。
$ du ~ [←]
(ホーム・ディレクトリ以下のファイルの容量を表示)
$ du . [←]
(カレントワーキング・ディレクトリ以下のファイルの容量を表示)
$ du -s . [←]
(-s で合計だけ表示)
$ du -s -k . [←]
(-k で KB 単位で表示)
$ du -s -k * [←]
(指定されたディレクトリ(*なのでそこにあるもの全部)単位で合計の表示)
$ du -s -k * | sort -nr | head [←]
(合計を大きい順にソートし、その先頭 10 行を表示)
man du、 手引き 2.8.3 参照手引き 10.9 参照

■キャッシュ

キャッシュ(cache)とは、高速化のための小容量のメモリ。 ( 初回の授業の説明記憶のためのハードウェア も参照 ) 。

◆キャッシュの問題

キャッシュを消しても、遅くなるだけで、他の問題は生じない。

◆Web ブラウザのキャッシュ

Web ブラウザは、画像等をファイルにキャッシュとして保存することがある。 そのキャッシュが、知らない間に quota を圧迫し、必要なファイルが保存できなくなることがある。 それを付けるために、次のどれかを行う。

◆「ダウンロード」ディレクトリ

Web ブラウザやメール・リーダが「ダウンロード」ディレクトリ (~/Downloads/)にファイルを保存することがある。 ここにある不用なファイルは削除すべきである。

◆MacOSXのアプリケーションのキャッシュ

MacOSX のアプリケーションのいくつかは、~/Library/Caches/ 以下に キャッシュとなるファイルを作成する。quota を圧迫している場合や、アプリ ケーションが(古いキャッシュを参照して)うまく動作しない場合には、 rm -r等で削除する。
$ du -s ~/Library/Caches/* [←]
1 /home/prof/yas/Library/Caches/Adobe
10516	/home/prof/yas/Library/Caches/Firefox
15642	/home/prof/yas/Library/Caches/Google
40	/home/prof/yas/Library/Caches/Metadata
4	/home/prof/yas/Library/Caches/Mozilla
13	/home/prof/yas/Library/Caches/com.apple.DictionaryManager
11	/home/prof/yas/Library/Caches/com.apple.DictionaryServices
5	/home/prof/yas/Library/Caches/com.apple.Safari
66	/home/prof/yas/Library/Caches/com.apple.nsservicescache.plist
25	/home/prof/yas/Library/Caches/com.apple.preferencepanes.cache
320	/home/prof/yas/Library/Caches/com.apple.preferencepanes.searchindexcache
0	/home/prof/yas/Library/Caches/com.apple.tiswitcher.cache
2120	/home/prof/yas/Library/Caches/com.google.SoftwareUpdate
$ []

■Unixコマンドによるファイルの整理

新Linux/UNIX入門 第5章 ファイルの操作 参照新Linux/UNIX入門 第6章 ディレクトリの操作 参照The Unix Super Text 第9章 ファイルとディレクトリ 参照The Unix Super Text 第21章 ファイルとディレクトリの高度な操作 参照

ホーム・ディレクトリ ~、デスクトップ ~/Desktop や 書類 のディレクトリ ~/Documents に、多くのファイルを放置することはよ くない。ディレクトリを作成し、整理すべきである。 1つの目安は、ls コマンドで 1画面に入らない時には分割する。

◆ファイルとディレクトリの操作の復習

ファイルの基本的な操作
ls
ls -l
ls -ld
ls -a
ls file1 file2
ls file*

mkdir dir
rmdir dir

cp file1 file2
cp file1 file2 dir1
cp dir/file1 .

mv file1 file2
mv file1 file2 dir1
mv dir/file1 .

rm file1 file2

◆rm コマンドの -i オプション

rm コマンドには、-i オプションがあり、ファイルを消すかどうかを対話的 (interactive)に y/n で聞いてくる。消してもよい時には、y と答える。

$ ls -l [←]
total 1
-rw-r--r--  1 yas  prof  2  6 15 21:48 file1
$ rm -i file1 [←]
remove file1? y[←]
$ ls -l [←]
$ []

シェルスクリプトや bashのエイリアス で、rm を自動的に rm -i に変えることは、一般的には勧められない。「rm -i [←] y」という操 作が、一連の操作として身に付いてしまうので。

◆rm コマンドの -f オプション

rm コマンドは、書き込みできないファイル(モードが r--r--r-- の様に w が ないファイメッセージ) を削除しようとすると、-i オプションをつけていなく ても利用者に問い合わせてくる。これに対して y と答えると削除される。
$ ls -l [←]
total 1
-r--r--r--  1 yas  prof  2  6 15 21:44 file1
$ rm file1 [←]
override r--r--r--  yas/prof for file1? y[←]
$ ls -l [←]
$ []
書き込みできないファイルでも、-f オプション(force) をつけると、rm コマ ンドは、利用者に問い合わせることなく黙って削除する。
$ ls -l [←]
total 1
-r--r--r--  1 yas  prof  2  6 15 21:53 file1
$ rm -f file1 [←]
$ ls -l [←]
$ []

◆ファイルサーバによる自動バックアップ

coins のホームディレクトは、ファイルサーバにより自動的にデータのバックアップがなされている。 rm コマンドで削除したファイルも、約2週間以内なら復元できることがある。 手引き 10.12 参照

■ファイルとディレクトリの木構造を扱うプログラム

標準では単一のファイルやディレクトリを扱うコマンドも、木構造を扱うこと ができるものもある。 木構造をうまく扱うには、「再帰的な(recursively)」処理が重要になる。 これは、自分と同じ処理を、木構造の子供の節にも行うことである。 くわしくは、2年生の「データ構造とアルゴリズム」で扱う。

例:

再帰的な処理を行わせるためには、大文字 -R (recursively) オプションを取 るコマンドも多いが、小文字 -r のものもある。例: scp -r。 大文字でも小文字でもどちらでも受付けるものもある。

何もしないと、自動的に再帰的な処理を行うプログラムもある。例: tar, tree, find 等。

ディレクトリに対しても mv コマンドは有効である。ディレクトリの名前を mv で変更すると、木構造で考えると、それ以下のファイルの名前を全て変更し たことと同じ効果がある。

ファイルのコピーでは、以下で述べるシンボリック・リンク等の問題があるため、 cp -r では不十分なことが多い。

◆rm -r

rm コマンドに -r オプションをつけると、指定されたディレク トリ以下の全てのディレクトリを削除する。
$ rm -r dir [←]
rm -r でも、書き込みできないファイルが含まれている時には、利用者 に問い合わせる。そのような問い合わせを行うことなく強制的に削除したい時 には、 -f オプション をつけることもできる。
$ rm -rf dir [←]
rm -rは非常に危険なので、細心の注意にはらって実行すること。

■木構造の制約と問題点

大量の情報を保存するには、木構造を使うしかない。 しかし、木構造だけではうまくいかない。

◆こうもりの分類問題

図13 こうもりの分類(1)
図13 こうもりの分類(1)

図14 こうもりの分類(2)
図14 こうもりの分類(2)

木構造は、ファイルを整理するのに非常に強力な構造である。しかし、それだ けでは、ファイルを整理するには不都合が起きる。それを解消するために、次 のような名前で呼ばれる仕組みが用意されている。

2つの節に、「別名」をつけて、2つの道からたどり着けるようにする。 (木構造では、1つの節にたどり着く道は、ただ1つしかない。)

注意:bash, csh の alias とファイル名の alias (Macintosh) は、まったくの別物。

図15 こうもりの分類(別名つき)
図15 こうもりの分類(別名つき)

◆ハイパーテキストとハイパーメディア

木構造を補う方法として、 ハイパーテキスト を使うことがある。

シンボリック・リンク(symbolic link)は、Unix で、ファイルに別名をつける ための機能。「リンク」とは、木構造の枝の意味で、つまり、ファイル名を意 味する。シンボル(symbol)は、(数ではなくて)文字列であることを意味する。 シンボリック・リンク(symbolic link)は、文字列の形で、ファイルの別名を保 持している。

例:java コマンド

$ ls -l /usr/bin/java [←]
lrwxr-xr-x  1 root  wheel  74 10  7  2015 /usr/bin/java -> /System/Library/Frameworks/JavaVM.framework/Versions/Current/Commands/java
$ []
シンボリック・リンクは、ls -l で見ると、右端に l (小文字の L) と表示さ れる。 ファイル /usr/bin/java を参照すると、 /System/Library/Frameworks/JavaVM.framework/Versions/Current/Commands にある java が使われる。
$ ls -l /System/Library/Frameworks/JavaVM.framework/Versions/Current/Commands/java [←]
-rwxr-xr-x  1 root  wheel  54624  2  7  2014 /System/Library/Frameworks/JavaVM.framework/Versions/Current/Commands/java
$ []

シンボリック・リンクを作成するには、ln -s コマンドを使う。

$ ln -s oldname newname [←]
この結果、newname でファイルを参照すると、 oldname というファイルが使われる。(このファイルは、 newnameoldname の2つの名前を持つ。)

cp コマンドは、コピー元にシンボリック・リンクを指定しても、リンクの先の ファイルをコピーする。
$ cat file1 [←]
cat: file1: No such file or directory
$ echo file1 > file1 [←]
$ cat file1 [←]
file1
$ ln -s file1 slink1 [←]
$ cat slink1 [←]
file1
$ ls -l file1 slink1 [←]
-rw-r--r--  1 yas  prof  6  6 17 14:20 file1
lrwxr-xr-x  1 yas  prof  5  6 17 14:20 slink1 -> file1
$ cp slink1 file2 [←]
$ ls -l file2 [←]
-rw-r--r--  1 yas  prof  6  6 17  2015 file2
$ cat file2 [←]
file1
$ []
cp -r や cp -R でファイルをコピーする時に、シンボリック・リンクが含まれ ていると、問題が生じることがある。システム(MacOS, Linux, BSD)によって cp コマンドの挙動が異なる。シンボリック・リンクをシンボリック・リンクと してコピーするには、tar コマンド等を使い、cp を使わない方が良い。

■MacOSX Finder によるファイルの整理

ゴミ箱(trash)に注意する。 ファイルをゴミ箱に入れても、quota を消費し続ける。
$ du ~/.Trash/ [←]
1 /home/prof/yas/.Trash//名称未設定フォルダ
26	/home/prof/yas/.Trash/
$ []

■Emacs

◆英語チュートリアル

Emacs には チュートリアル機能(自習機能) がある。Emacs のキー操作は、英語の単 語を元に作れている。このことは、英語でチュートリアルを実施するとよくわ かる。 練習問題 Emacs英語チュートリアル 参照。 手引き 3.1.4 参照

■実習

実習時間中には、以下の課題をできるだけ多く行いなさい。全部を行う必要は ない。

★練習問題(2001) fileコマンド

file コマンドは、ファイルの種類を推定して表示するコマンドである。ファイ ルの拡張子がなくても、画像や HTML 等を推定できる。
$ file .bashrc .emacs /bin/ls public_html/htdocs/index.html.en [←]
.bashrc:                          ASCII text
.emacs:                           Lisp/Scheme program text
/bin/ls:                          Mach-O 64-bit executable x86_64
public_html/htdocs/index.html.en: HTML document text
$ []

★練習問題(2002) du コマンド

du コマンドを利用してみなさい。 引数に調べたいディレクトリ名を与える。ディレクトリ名としては、「.」や 「~」も可であるが、ファイルの数が多い時に表示までに時間がかかる。途中で やめたくなった時には、 ^C (Control+C) で強制終了する。
$ du ~/Desktop [←]
$ du ~/Documents [←]
$ du ~/Downloads [←]
$ du ~/Library/Caches [←]

★練習問題(2003) du コマンドのオプション

du コマンドのオプションの動きを確認しなさい。 sort コマンドや head コマンドと組み合わせて使ってみなさい。 du コマンドの説明を参照。

$ ls -d D* [←]
Desktop		Documents	Downloads
$ du -s D* [←]
155115	Desktop
43227	Documents
144962	Downloads
$ du -s -h D* [←]
 76M Desktop
 21M Documents
 71M Downloads
$ du -s -k D* [←]
77558	Desktop
21614	Documents
72481	Downloads
$ []

★練習問題(2004) Webブラウザのキャッシュの観察

cd, ls, lv コマンドなどを利用して Web ブラウザのキャッシュが保存されて いるファイルを観察しなさい。MacOSX Firefox では次のディレクトリの下にあ る。
$ cd ~/Library/Caches/Firefox/Profiles/*/cache2/entries [←]
$ ls -l [←]
$ file * [←]
$ du -h [←]
file コマンド は、ファイルの種類を推定して表示するコマンドである。ファイルの拡張子が なくても、画像や HTML 等を推定できる。 du コマンド は、ディスクの使用量(disk usage)を表示するコマンドである。 手引き 2.8.3 参照手引き 10.9.1 参照

実行例

$ cd ~/Library/Caches/Firefox/Profiles/*/cache2/entries [←]
$ file * [←]
006309EAFFD4653F45B69F09BF6F930B6C5B394C: HTML document text
010373204138EBE73E75A5935139FBE5159574DA: PNG image data, 471 x 170, 8-bit colormap, non-interlaced
01411C7B7D29B77239ADD6E1444AF735CF58EDAA: data
01B0B8F5A4CF26E30ABE4F537A04FDD2A769E1E3: data
02071B585FF428DA83F1E4771B34B0448CE22DB9: data
024B2D783D20A9528AFF7608FBBC242F09A56F7C: data
0298A6896A40F67AB5A8A2BC7CF8A2A686AF7797: gzip compressed data, from Unix
02A6CF51FEFDBB859AF2B3ABBCFF533F4B56FF75: gzip compressed data, from Unix, max speed
03868AAF0B3AF200ED91951DD663C59643712DF3: GIF image data, version 89a, 1 x 1
041D89FF5E95B5856742F2D33817E0F50850DED0: gzip compressed data, from Unix
....
$ []

その他の Web ブラウザについては、次のディレクトリ、その子供、親、兄弟の ディレクトリを観察してみなさい。

★練習問題(2005) Firefox Webブラウザのキャッシュの設定

2018年6月26日: Firefox 60 (mac版) では、 以下の方法ではキャッシュの上限が設定が設定できない。 アドレスバーに about:conrig と打ち、その中で Browser.cache.disk.capacity を設定する方法がある。

Webブラウザは、一度ネットワーク経由で取得したデータをファイルにキャッシュ として保存して、次にアクセスした時に高速に表示する(ネットワークを使わ ないで表示する)機能がある。この機能がどのように働いているかを確認しなさい。

Firefox では、次のようして設定できる。

なぜ「今すぐ消去」ボタンが存在するのか、その理由を考えなさい。

自分が使っている Web ブラウザで、次のことを調べなさい。

手引き 10.10 参照

★練習問題(2006) その他の Webブラウザのキャッシュの削除

Web ブラウザのキャッシュを削除してみなさい。削除方法は、次の資料を参照 しなさい。 ここには、次の3つのブラウザについて、削除方法が記載されている。

2018年6月26日: Firefox について、手引きの方法は古い。 以下の方法を試してみなさい。

★練習問題(2007) MacOSXのアプリケーションのキャッシュの観察と削除

次のような方法で、
MacOSXのアプリケーションのキャッシュ の様子を観察しなさい。
$ ls ~/Library/Caches [←]
$ ls -l ~/Library/Caches [←]
$ ls -lR ~/Library/Caches [←]
$ du ~/Library/Caches [←]
$ du -s ~/Library/Caches/* [←]
$ du -sh ~/Library/Caches/* [←]
不用ならば、削除しなさい。アプリケーションが動作していない時に削除する ことが望ましい。
$ ls ~/Library/Caches [←]
$ rm -r ~/Library/Caches [←]

★練習問題(2008) quotaコマンド

quotaコマンド を実行して、自分が保持しているファイルが、ディスク上でどの程度の領域を 占めているのか(1K blocks の下)を調べなさい。また、上限(quota limit) が いくつかを調べなさい。

$ quota [←]
$ quota -v [←]

この結果と、 du コマンド の結果を比較しなさい。

$ du -s -k ~ [←]
(表示までに時間がかかる。強制終了したければ、^C)

★練習問題(2009) .DS_Store

MacOSX では、「.DS_Store」や「._.DS_Store」というファイ ルが作られることがある。これは、Finder がアイコンの位置等を保持するため のファイルである。このファイルは、ls コマンドでは表示されないが、次のよ うに -a オプションを使ったり、「*」を使うと表示される。
$ ls -a [←]
.
..
(中略)
.DS_Store
(中略)
._.DS_Store
(中略)
$ ls .*DS* [←]
.DS_Store	._.DS_Store
$ ls -l .*DS* [←]
-rw-r--r--@ 1 yas  prof  24580  6 17 11:44 .DS_Store
-rw-r--r--  1 yas  prof   4096  3 14  2014 ._.DS_Store
$ ls -l ~/Desktop/.*DS* [←]
-rw-r--r--@ 1 yas  prof  12292  4 25 17:07 /home/prof/yas/Desktop/.DS_Store
-rw-r--r--  1 yas  prof   4096  4  7  2014 /home/prof/yas/Desktop/._.DS_Store
$ []
これを観察してみなさい。rmdir でディレクトリを削除する時に、このファイ ルが邪魔をして削除できないことがある。この時には、このファイルを削除し なさい。
$ ls .*DS* [←]
.DS_Store	._.DS_Store
$ rm .*DS* [←]
$ []

★練習問題(2010) 「._」から始まるファイル名

MacOSX では、「._」が始まるファイル名のファイルが作られることが ある。これは、他の Unix にはない、MacOSX 独自の ファイルの属性( ファイルの属性ファイルの属性(2)、 ) (メタデータ)を表すものである。独自の属性としては、ファイルを作成した時 刻や作成したプログラムがある。
$ ls ._* [←]
._.DS_Store			._audio-sampling.png
._Desktop			._fj-meetings-coins.eml
._Library			._shinjo-picture-2018-05-10.jpeg
._audio-sampling-2.png
$ []

これを観察してみなさい。rmdir でディレクトリを削除する時に、このファイ ルが邪魔をして削除できないことがある。この時には、このファイルを削除し なさい。

$ ls ._* [←]
(表示して確認)
$ rm ls ._* [←]
$ []

★練習問題(2011) mkdir/rmdirコマンドによるディレクトリの作成と削除

Unix のコマンド mkdir コマンドと rmdir コマンドを使って、ディレクトリを 作成したり削除したりしなさい。

★練習問題(2012) ファイルが存在するディレクトリの削除

練習問題(2011) で、ファイルを削除しないで、rmdir コマンド実行すると、エラーになり、ディ レクトリを削除することができない。このことを確認しなさい。

ls コマンドは、「.」から始まるファイル名を表示しない。ls コマンドに -a オプションを付けると、表示する。

ディレクトリを削除しようとした時に、ls コマンドで表示されないが、「.」 で始まるファイルがあるために、削除できないことがある。このことを確認し なさい。 たとえば、 .DS_Store「._」から始まるファイル名 のファイルが存在することがある。

★練習問題(2013) mvコマンドによるディレクトリ間のファイルの移動

Unix のコマンド ls, mv を使って、ディレクトリ間のファイルを移動してみな さい。

★練習問題(2014) mvコマンドによるファイル名の付け替え

Unix のコマンド mv を使って、ファイル名を変更してみなさい。

★練習問題(2015) openコマンド

open コマンドは、Finder でダブルクリック(コンテキスト・メニューの開く) を行ったことと同じ効果がある。 ディレクトリ名を指定してopen コマンドを 実行すると、その内容を表示する Finder のウインドウが開く( .app のディレ クトリを除く)。 例: ディレクトリ名「.」を指定して、open コマンドを実行すると、カレント・ワー キング・ディレクトリの内容を表示する Finder のウインドウが開く。

★練習問題(2016) デスクトップ

次のようにすると、デスクトップをFinder で他のディレクトリと同じように表 示することができる。このことを確認しなさい。

★練習問題(2017) Finderによるディレクトリ間のファイルの移動

練習問題(2013) と同様に Finder で複数のディレクトリを表示して、それらの間でドラッグすることで、 ディレクトリ間でファイルを移動させることができる(mv コマンド相当)。 この機能を確認しなさい。

  1. 練習問題(2013) と同様に、 練習用のディレクトリとファイルを作成する。
  2. Finder で 2 つのウィンドウを開く。 その他に、open コマンドを使う方法もある。
    $ open ~/from_dir [←]
    $ open ~/to_dir [←]
    
  3. 移動元のディレクトリから、移動したいファイルを選択し、 移動先のディレクトリにドラッグする。
1つのディレクトリしか表示しない状態でも移動することはできるが、 マウスの操作が難しいので、2つ開いた方が良い。

★練習問題(2018) Finderによるディレクトリのファイルのコピー

Finder で、ファイルを選択肢し、コピー&ペーストで「コピー」することがで きる。このことを確認しなさい。

option キーを押しながらドラッグすると、移動ではなく、コピーになる。 このことを確認しなさい。

なお、コピーを行った後、元のファイルを消せば実質的に移動(改名)になる。

★練習問題(2019) Finderによるファイル名の付け替え

練習問題(2014) と同様に Finder を使って、(1つのディレクトリ内で)ファイル名を変更することがで きる。このことを確認しなさい。

★練習問題(2020) Finderによるディレクトリの作成

Finder で、フォルダ(ディレクトリ)を作成することができる。 このことを確認しなさい。

★練習問題(2021) Finderによるファイルの削除

Finder で、ファイルを削除することができる。このことを確認しなさい。 ただし、ファイルを「ゴミ箱」に入れただけでは、まだ完全に削除されたわけ ではない。ゴミ箱から取り出すことはできる。

★練習問題(2022) 「ゴミ箱」の表示

「ゴミ箱」の内容を表示しなさい。

★練習問題(2023) 「ゴミ箱を空にする」

ゴミ箱にファイルが残っている状態では、まだディスク quota を消費している。 「ゴミ箱を空にする」という操作を行い、その前後で quota が変化することを 調べなさい。

★練習問題(2024) ls -Rコマンド

ls コマンドには、-R (大文字 R, Recursive) というコマンドがあり、 引数で指定されたディレクトリに子供のディレクトリが含まれていたら、 その子供についても表示する(子供にも子供があればそれも表示する)。 この動きを確かめなさい。
$ cd ~ [←]
$ ls -R    . | lv [←]
$ ls -lR   . | lv [←]
$ ls -laR  . | lv [←]
-R オプションは、このようにしばしば-l オプションや -a オプションと一緒に使われる。また、-R オプションは、大 量の結果を表示することが多いので、パイプに出力してページャで表示するこ とが多い。 (これらのオプションを忘れた人は、man コマンドを見なさい。)

★練習問題(2025) treeコマンド

treeコマンド を利用してみなさい。

★練習問題(2026) シンボリック・リンクの調査

ls -l を使って、次のディレクトリにどのようなシンボリック・リンクがある かを調べなさい。 ls コマンドと grep コマンドを組み合わせて使うと便利である。
$ ls -l /Applications | grep '^l' [←]
ここで、'^l' は、 行の先頭がl で始 まるという意味である。 The Unix Super Text 第32章 正規表現 参照

★練習問題(2027) cp -rコマンド

cp -r の動作について調べなさい。 実際に実行して動作を確認しなさい。

★練習問題(2028) scp -rコマンド

scp の -r オプションの動作について調べなさい。 実際に実行して動作を確認しなさい。 シンボリック・リンクをどのように扱うか試してみなさい。

★練習問題(2029) tarコマンドによるファイルのコピー

tar コマンドを用いて、ファイルをコピーしなさい。 シンボリック・リンクをどのように扱うか試してみなさい。 ssh と組み合わせることで、異なるコンピュータ間でファイルをコピーできることを確認しなさい。 The Unix Super Text 19.4.4項参照 参照

★練習問題(2030) Finder によるエイリアスの作成

Finder で ファイルに対するエイリアスを作成してみなさい。

★練習問題(2031) Emacs Dired によるディレクトリ木の表示

Emacs に含まれている Directory Editor を利用して ディレクトリ木を表示しなさい。 テキストファイルを開いたり、削除したり、改名したりしなさい。 The Unix Super Text 19.4.4項参照 参照

★練習問題(2032) lynx,w3m コマンドによるディレクトリ木の表示

lynx や w3m のように、端末で動作する Web ブラウザを利用してディレクトリ 木を表示しなさい。
$ lynx . [←]
$ lynx ~ [←]
$ w3m . [←]
$ w3m ~ [←]

★練習問題(2033) Emacs英語チュートリアル

Emacs には チュートリアル機能 がある。 coins の環境では標準で、日本語の環境では日本語のチュートリアルが実行される。 次の手順で、英語のチュートリアルを実行しなさい。
  1. C-u M-x help [←]
  2. t
  3. English [←]

■課題20 quota、キャッシュ、ファイルの整理、シンボリック・リンク、Emacs英語チュートリアル

以下の問題、および、回答をテキスト・ファイルに記述し、 レポート提出ページから提出しなさい。

(1) quotaコマンドを実行しなさい。この表示の中 で、ファイルを作成したり、Web ブラウザがキャッシュを保存すると、変化す ると思われる部分と変化しない部分がある。変化する部分は、何を意味するの か説明しなさい。変化しなかった部分で、重要な数字を1つ選び、何を意味す るのか説明しなさい。

練習問題 quotaコマンド参照。

(2) coins の個人のホームディレクトリで利用可能な領域を増やすために、不 用なファイルを削除すると良い。不用なファイルがしばしば存在する場所を2つ 上げなさい。 そこにある不用なファイルを削除する方法を簡単に説明しなさい。(実際には削 除しなくても良い。レポートには、その方法だけを説明すれば良い。)

(3) 新Linux/UNIX入門の次の部分を読みなさい。

次の項目について簡単に説明しなさい。

(4) 次の文書を読みなさい。

  1. 筑波大学における情報システム利用のガイドライン
  2. 用語集
ガイドラインの中で、意味が分からない用語があれば、用語集を調べなさい。 ガイドラインの中から疑問に思ったこと、または、改善すべきと思ったことを 2項目以上示しなさい。この時、次のような情報を含めなさい。

(5) [加点] mkdir, rmdir, cp, mv, rm 等のコマンドや Finder を用いて、ファ イルを整理しなさい。レポートには次の項目を含めなさい。

シンボリック・リンクは使っても使わなくてもよい。

ディレクトリ構成の説明には、 treeコマンド の結果を利用してもよい。ただし、今回整理した部分だけを含めるこ と。~/Library/ など、自分では整理しなかったファイルについては、含めない こと。

課題が出される前に既にディレクトリを作成して既に既に整った状況であった 場合には、問題点の代わりに整理の考え方について説明しなさい。またディレ クトリを新たに作成する代わりに既存のディレクトリについて報告しなさい。

(6) [加点] Emacs で、英語でチュートリアルを実施しなさい。開始日時と終了 日時を報告しなさい。


Last updated: 2018/06/26 14:42:49
Yasushi Shinjo / <yas@cs.tsukuba.ac.jp>