筑波大学における情報システム利用のガイドライン/用語集
					2014年06月17日
情報科学類 コンピュータリテラシ
                                       筑波大学 システム情報系 情報工学域
                                       新城 靖
                                       <yas@cs.tsukuba.ac.jp>
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■筑波大学における情報システム利用のガイドライン/用語集
筑波大学における情報システム利用のガイドライン は、
筑波大学の情報システムを利用する時に守るべきガイドラインである。
幾つか難解な用語について、簡単な説明を以下に示す。
1. 本ガイドラインの目的
-  遵守 (1章)
 -  「じゅんしゅ」と読む。順守と同じ。「そんしゅ」ではない。
 
2. 本ガイドラインの構成
3. PC 利用ガイドライン
-  正規のアクセス権 (3.3節)
 -  保護されていないもののアクセスは正規。保護されて
いる(たとえばユーザ名とパスワードが与えられている人だけがアクセスでき
る)もので、本人なら正規。それ以外は非正規。
 -  遠隔会議システム (3.4 節)
 -  文字による議論を行う場所。
誰でも投稿できる「掲示板」とほとんど同じ。1対1のインスタント・メッ
センジャは含まないが、複数人が受け取るようなチャットは含む。
 -  ネットワーク帯域 (3.8節)
 -  ネットワークの線としての太さ(1度に通信できる量)。
 -  端末のロック (3.10節)
 -  ログアウトはしないが、他の人が利用できないようにする(次に自分がア
クセスする時に自分のパスワードを打つ)。迷惑なので、ロックするのではな
く、ログアウトすること。
 -  ウイルス (3.11節、4.1節、4.4節、6.3節)、「不正なソフトウェア」(7.2節)
 -  悪意があるソフトウェア(malicious software)。
マルウェア(Malware)ということもある。次のように分類できる。
-  ローカル(手元)のコンピュータで動作するもの
-  ウイルス(Virus)
 -  トロイの木馬(Trojan Horse)
 -  ワーム(Worm)
 -  キーロガー(keylogger)
 
 -  遠隔のコンピュータで動作するもの
-  悪意を持つクライアント
 -  悪意を持つサーバ
 -  悪意を持つpeer(通信相手)
 
 
一般には、悪意があるプログラムのことを「コンピュータ・ウイルス(広義)」
と言うことがある。
 -  P2P (3.11節)
 -  Peer to Peer。通信を行う時に,クライアントとサーバの分類をしないよ
うな通信。
P2Pと筑波大学のネットワークの利用方法
参照。
事例: Winny, WinMX, Share, Gnutella, BitTorrent, μTorrent, LimeWire,
Cabos, Xunlei(迅雷)。
 -  P2P ファイル交換ソフト (3.11節)
 -  
共通科目「情報(実習)」の手引き
の1.4節にある「ファイル共有ソフト」と同じ。
 -  インストール (3.11節,4.1節(b), 4.2節)
 -  PC 等にプログラムをコピーし、実行可能な状態にする。
 -  外部記憶メディア (3.12節)
 -  ハードディスク、フロッピディスク、CD-ROM、USBメモリなど。
 -  不具合 (3.13節)
 -  バグのこと。意識して見つける必要はないが、おかしいと思った
時には相談してよい。
 -  ソフトウェアの不具合を迅速に修正する (3.13節)
 -  バグを修正する。バグを修正したソフトウェアに入れ替える。
オペレーティング・システムが持っているソフトウェアの更新機能
(MacOSX ソフトウェアアップデート、Windows Update等)を利用する。ブラウザ
も重要。Adobe Reader、Adobe Flashも更新が多い。ソフトウェアを作った人が
修正するのが基本。他人が作ったソフトウェアを自分で修正することまではガ
イドラインでは求めていない。
 
4. PC 管理ガイドライン
-  パケット (4.2節(d))
 -  大きな通信を細かく分解して行う時の単位。
 -  自端末宛以外のパケットを傍受する  (4.2節(d))
 -  他人の通信をのぞき見ること。自分の通信は、自分でのぞき見てもよいが、
他人の通信内容をのぞき見しないこと。
 -  パケットスニファ  (4.2節(d))
 -  他人の通信をのぞき見るためにつかうプログラムの一種。
 -  ワイヤーロック (4.3節(d))
 -  コンピュータが盗まれないような物理的な線。
 -  BIOS (4.3節(f))
 -  コンピュータの電源を入れた直後、オペレーティング・システムが実行す
る前に動いているプログラムの意味。元々は、Operating System の一部で、
Basic な Input と Output を行うプログラム。
 -  BIOSのパスワード (4.3節(f))
 -  利用できるOSを制限して、ハードディスク等を保護するためのパスワード。
 -  部局技術担当者 (4.4節, 6.1節, 7.4節)
 -  
情報科学類ならば、学類計算機運用委員会委員長。
2014年度は佐久間先生。
 
5. パスワード管理ガイドライン
-  システムで使用可能な特殊文字 (5.2節)
 -  記号のこと。!@$%^&*-+<>,.?/;[]{}\|- 
 '` # など。
パスワードに使えるなら使う。使えないシステムもある。
 
6. 電子メール利用ガイドライン
-  ToとCc (6.3節, 6.7節)
 -  電子メールの受取人のアドレスを書く部分。
ToとCcの使い分けの方法は、
コンピュータ・リテラシの授業
電子メールの形式
で示した。
 -  ねずみ講 (6.3節)
 -  木構造の悪用の例。既存の会員が新規会員を誘う。新規会員が払う会費を、
既存の会員が分けあう。もうかるのは木構造の根に近い一部の人だけで、多く
の会員は損をする。人口が有限なのですぐに破綻する。日本では法律で禁止さ
れている。
無限連鎖講の防止に関する法律
 -  「情報格付け」と「機密保護違反」(6.4節)
 -  筑波大学には、企業なら企業秘密に相当するような情報の扱いを情報をい
くつかに分類すること(格付けすること)で決めている。格付けの細かい部分は、
国立大学法人筑波大学の情報の格付け及び取扱制限に関する規程
で定めている。
 -  機種依存文字コード (6.7節)
 -  別のコンピュータ(OS)に持っていくと、読めなくなる。JIS等の規格に
定められているものは、機種依存ではない
 
7. ウェブブラウザ利用ガイドライン
-  SSL/TLSで使う証明書 (7.3節)
 -  WebサーバのURL(ドメイン名)が、正しいものであることを第三者機関が示
したもの。普通は、Webブラウザが自動的に検査する。Webブラウザが正当性を
確認できない時には、Webブラウザが警告をする。
SSLで使われる証明書
参照。
 -  フォーム (7.3節)
 -  Web サーバに対して送信するための場所。たとえば、次のような箱。
 -  クロスサイトスクリプティング攻撃 (7.3節(b))
 -  ある攻撃サイト(サーバ) が別の脆弱性があるサイトを攻撃する方法の1つ。
 -  SSL/TLS (7.3節)
 -  World Wide Web で使うと、HTTPS と同じ。
SSL(Secure Sockets Layer)
参照。
SSL/TLS は、
電子メール
でも使える。
 
◆裁定者の意図
ガイドラインには、次のような制定者の意図がある。
-  3.3節、ネットワーク帯域についての記述は、1人で使いすぎると他の人
の迷惑になることがあることが念頭にある。
 -  3.4節、匿名の禁止は、ネットワークの悪用を防ぐため。悪い事をする時
には、匿名で行うことが多いことによる。
 -  3.12節、ハードディスクの廃棄を破棄する時には、内部にある機密情報が
広まらないように注意する必要がある。単にファイルを消しただけでは、内部
のデータはそのまま残っていることがある。「フォーマット」という操作を行っ
ても、残っていることがある。
 -  3.9節、パスワードが漏れた時の連絡先は、パスワードの再設定をする所
と同じ。ただし、学外から電話しても、リセットするのは難しい。他人のパス
ワードをリセットしてしまう危険性があるので。
 -  3.10節の項目は、実際にそのような使い方をした先輩がいたので、やめて
ほしい。
 -  4.4節、7.4節。問題のあるコンピュータは、すぐにネットワークから切り
離し、被害の拡大を防ぐ必要がある。有線による接続ならば、線を抜くとよい。
無線の場合、スイッチがあればスイッチを切る。なければ、OSを操作して停止
させる必要がある。(交通事故等で、被害の拡大を防ぐことと同じ。)
 -  6.1節、共用の禁止しているのは、問題が生じた時に、誰の責任か追
跡できるようにするため。
 -  6.4節、メールの内容で、「脅迫」は犯罪。「個人的な儲け話や勧誘」は、
spamメール
の一般的な内容。受け取った方は、儲け話もふくめて迷惑。
 -  6.5節で、HTMLのメールを禁止している。HTMLのメールでは、ハイパーリ
ンクを騙す詐欺に合いやすい。たとえば、
<A href="http://www.bad-site/">
http://www.good-site/
</A>
のようなリンクが多い。
 -  6.5節、HTML を含むメールにインライン・イメージを含めることで、送信
者は、受信者がいつ、どこでメールを読んだのかを知ることができる。
<IMG src="http://www.track-site/track.png?12345">
 -  6.7節、電子メールのSubjectを付けるのは、受け取る人の都合を考えてる
ことを教えたいため。
 
Last updated: 2014/06/16 21:08:40
 
 Yasushi Shinjo / <yas@cs.tsukuba.ac.jp>