LaTeX

					2014年05月27日
情報科学類 コンピュータリテラシ

                                       筑波大学 システム情報系 情報工学域
                                       新城 靖
                                       <yas@cs.tsukuba.ac.jp>

このページは、次の URL にあります。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2014/2014-05-27
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/

■連絡事項

■補足

◆PaperCut

PaperCut は、印刷枚数を数えて、上限を超えた場合には印刷できないようにす るためのプログラム。iMac にログインすると、 /Applications/PCClient.app というプログラムが自動的に実行される。それは、 画面の右上にポイント(モノクロで印刷可能な残り枚数)を表示する。

199ポイント。coinsならモノクロ(片面両面)で199枚印刷可能の意味
図? PaperCutのウィンドウ(iMac MacOSX)

終了しても、自動的に再起動される。 止める方法を問い合わせ中。

◆PaperCut Webページ

Web ブラウザで次のページに接続すると、詳しい印刷の活動がわかる。 手引き 1.8.3 とは URL が少し違う。

■復習

HTML と CSS (Cascading Style Sheet)の役割分担。

HTML で記述できる文書の構造:

CSS で記述できる表示の方法:

ASCII コード表を表示するには、man ascii と打つ。16進数で 5c の文字「\」 は、端末によっては、「¥(円記号)」や「\(バックスラッシュ)」で表示される。 コンピュータの内部では、16進数で 5c ということには代わりがない。どちら で表示されることもある。表示にこだわるとき、1つの文書で混ぜて使うのは、 不可能ではないが、難しい。

今日の課題では、 練習問題(1001) ことえりのバックスラッシュ入力 を行い、キーボードの「¥(円記号)」でバックスラッシュが入力されるようにす ると楽である。

以下、このページでは、「\」は ASCII 5c で「\(バックスラッシュ)」で表示 されるべきである。ブラウザによっては、円記号で表示されることがある。

■LaTeX

手引き 第6章 文書整形システム TeX 参照The Unix Super Text 下巻「第50章 文書整形システム LaTeX」 参照

TeX (テフ、テック、タオ・イプシロン・カイ) は、D.E.Knuth による文書整形 システム。マークアップ言語によりテキストファイルにTeX の命令を埋め込ん だ文書を作成し、言語処理系(texコマンド)を使うと、印刷に適したものになる。

LaTeX (ラテフ、レイテック)は、TeX を拡張して、論文を簡単に書くために適 した命令を増やしたもの。L.Lamport による。

pTeX (pLaTeX) は、publisher ASCII出版で、TeX, LaTeX で日本語が使えるよ うにしたもの。coins iMac で利用可能な物はこれの漢字コードとして UTF-8 と EUC が使えるものである。 (厳密には、e-TeX。手引き 6章 参照。) その他に、NTT により日本語化されたものもある。

TeX は、マクロプロセッサの一種。マクロとは、文字列の置き換えのこと。一 般的には、短い文字列から長い文字列、簡単な文字列から複雑な文字列に変換 (展開)する。

様々なマクロ定義をまとめたものを「パッケージ」という。 \usepackage により取り込んで使うことができる。 自分でマクロ定義を行うこともできる。

◆ソース、コンパイル、プレビュー、印刷

LaTeX で文書の作成の基本
  1. (必要なスタイルを入手する。標準のものを用いる場合は不要。)
  2. (サンプルをコピーする。)
  3. ソース・ファイル(拡張子 .tex )を作成/編集する。
  4. platex コマンドで dvi ファイルを作成する。
  5. プレビューアで dvi ファイルを作成する。
  6. 完成するまで、3 にもどる。
  7. (dvi ファイルから、dviselectなどで必要な部分を切り出す。)
  8. dvi ファイルを、印刷に適した形式(PostScriptやPDFなど)に変換する。
  9. 印刷する

LaTeX ソース、DVI ファイル、PDF ファイル、PostScript

dvi (DeVice Independent) 形式
プリンタや画面などのデバイス(device)から独立した形式。
TeXのプリンタ・ドライバ
dvi 形式を、プリンタ用の命令に変換する。
プレビューア
dvi ファイルを画面に表示する。
dviselect
dvi 形式の一部を抜き出す。
dvipdfmx
dvi 形式を PDF 形式に変換する。(dvipdfm (xなし) では、漢字がうまく変換できない。)
dvips
dvi 形式を PostScrip 形式に変換するプリンタ・ドライバ。 PostScript プリンタに印刷する時には適している。
xdvi
X Window System (X11) を使って画面に表示するプレビューア。

dvi 形式をPostScipt 形式に変換し、GhostScript (gs コマンド, gv コマンド) で表示する方法がある。プレビュー.app(Preview.app)でも、PostScript 形式の ファイルを(一旦PDFに変換して)画面に表示できる。

MacOSX では、dvi のよいプレビューアがないので、PDF に変換してからそれを 画面に表示することが多い。

◆全角/半角

「全角(full-width)」、「半角(half-width)」とは、元々は、ワードプロセッ サの用語。漢字が「同じ幅(等幅,non-proportional)」で表示されることを利用 して、区別する。
全角
漢字1文字と同じ幅
半角
漢字1文字と半分の幅(で表示されるアルファベットや数字、記号)
半角は、主に ASCII。半角カナもあるが、あまり使われない (半角カナは、 電子メールやネットワーク・ニュースでは使わない約束になっている)。

◆LaTeX の特殊文字

HTMLで使えない文字 (< > &)と同様に、 LaTeX でも特別扱いする文字がある。 次の文字は、LeTeX が特別扱いする。

#,$,%,&,_,{,},\,<,>,|,^,~   

The Unix Super Text 50.9.4項 参照

これらの特殊文字を LaTeX 処理系に解釈させる(LaTeX の命令とする) には、 半角 (ASCII) を使う。同じ形で画面に表示される全角文字(漢字)を使っても、 命令とは見なされなず、単に他の漢字と同じように表示される。

◆ソース・ファイル

Emacs などのテキスト・エディタで作成する。

◆例:struct.tex

   1:	%
   2:	% struct.tex
   3:	% 
   4:	\documentclass[a4j]{jarticle}
   5:	\usepackage{graphicx}
   6:	
   7:	\title{ \LaTeX 文書の構造}
   8:	\author{ 新城 靖 }
   9:	\date{\today}
  10:	\西暦
  11:	
  12:	\begin{document}
  13:	
  14:	\maketitle
  15:	
  16:	\begin{abstract}
  17:	  この文書は、\LaTeX 文書の構造を示したものである。
  18:	\end{abstract}
  19:	
  20:	\section{はじめに}
  21:	
  22:	章立てには、section, subsection, subsubsection を用いる。パラグラフとパ
  23:	ラグラフの区切りは、空行を開ける。(paragraph や subparagrap は、普通は
  24:	使わない。)
  25:	
  26:	\ref{sec:list}章では、3種類の箇条書きについて説明している。
  27:	
  28:	\subsection{見出し}
  29:	
  30:	\subsection{見出し}
  31:	
  32:	\section{箇条書き}
  33:	\label{sec:list}
  34:	
  35:	itemizeの例を示す。
  36:	
  37:	\begin{itemize}
  38:	  \item 日本料理
  39:	  \item 中華料理
  40:	  \item 韓国料理
  41:	\end{itemize}
  42:	
  43:	enumerateの例を示す。
  44:	
  45:	\begin{enumerate}
  46:	  \item メールリーダを実行する
  47:	  \item 新着メールを取り込む
  48:	  \item 新しいメールを書く
  49:	  \item 新しいメールを送る
  50:	  \item メールリーダを終了する
  51:	\end{enumerate}
  52:	
  53:	descriptionの例を示す。
  54:	
  55:	\begin{description}
  56:	  \item[mnews] ネットワーク・ニュースと電子メールを読み書きするプログラム。
  57:	  \item[emacs] テキスト・エディタの1つ
  58:	  \item[Firefox] WWWブラウザ
  59:	  \item[irc] 文字による会議システム
  60:	\end{description}
  61:	
  62:	\subsection{図の挿入}
  63:	
  64:	図\ref{fig:latex-struct}に、\LaTeX の文書の構造を示す。
  65:	\LaTeX の文書は、プリアンブルと本文から構成される。
  66:	プリアンブルには、表題、著者、概要を記述する。
  67:	本文は、章、節、項などから構成され、最後に参考文献が付く。
  68:	
  69:	\begin{figure}[t]
  70:	  \begin{center}
  71:	    \includegraphics[width=80mm]{latex-struct.eps}
  72:	  \end{center}
  73:	  \caption{\LaTeX の文書の構造}
  74:	  \label{fig:latex-struct}
  75:	\end{figure}
  76:	
  77:	\subsection{見出し6}
  78:	
  79:	数式を記述することもできる。
  80:	
  81:	$ \displaystyle \sum^{10}_{x=1} \frac{1}{x^{2}} $
  82:	
  83:	\section*{見出し7}
  84:	
  85:	番号がつかない見出しもある。
  86:	
  87:	\end{document}

◆文書の構造

次のような構造を持つ 本文は、次のような命令で、文書の構造を表す。
\section  
章 (HTML <H1>)
\subsection  
節 (HTML <H2>)
\subsubsection  
項 (HTML <H3>)
空行で区切られた部分
パラグラフ (HTML <P>)
「\\」で、強制改行の意味だが、パラグラフの意味で「\\」を使ってはならな い。その代わりに空行を使うこと。 (HTML で<BR>ではなくて<P></P>を使うことと同様。)

その他に、\section より大きい単位として\part と \chapter, \subsection より小さい単位として \paragraph, \subparagraph が使われることがある。通 常のパラグラフは、空行で作り、\paragraph は使わない。

手引き 6.13 参照

◆コメント

「%」から行末までは、コメント。

◆auxファイル

LaTeX では、\label{} で、章の番号や図の番号を定義し、 \ref{} を使って別の場所から参照できる。これを実現するには、 platex コマンドを2回実行する必要がある。
  1. 1度目に、.tex を読み込み、番号を決定しながら、番号を、.aux に出力する。.dvi には、? を出力しておく。
  2. 2度目に、.tex と .aux を読み込み、.aux から読み出した番号を .dvi に出力する。

◆箇条書き

手引き 6.16 参照

◆図

figure環境を使う。\caption で図の説明がつけられる。 \label で、図の番号を定義し、\ref で参照できる。 \includegraphics で EPS 形式や PDF 形式の図を読み込める。 \caption は、下につける。 手引き 6.17 参照

◆table

table環境を使う。 tabular環境で、表が書ける。 表のcaptionは上に付ける。(図は下。) 手引き 6.18 参照

◆verbatim

verbatim環境を使うと、テキストのまま形で表示される。 プログラムや端末の出力を貼る時に便利である。 HTML の <PRE> 相当。 \verb を利用すると、1つの文の中にそのままの形の表示が混ぜられる。
\begin{verbatim}
$ ls -l file1.txt 
-rw-r--r--  1 yas  prof  2  5 24 15:24 file1.txt
$ 
\end{verbatim}

コマンド \verb|ls -l| で、ファイルの属性を表示している。

◆HTMLとLaTeXの比較

HTML と LaTeX は、基本的な考え方が似ている。 次のような HTML タグや LaTeX の命令を使って文書の構造を記述する。
HTML と LaTeX で文書の構造を表し方
HTML LaTeX
<TITLE> \title
<body> \begin{document}
<H1> \section
<H2> \subsection
<H3> \subsubsection
<P> 空行
<タグ id=""> \label
<A href=""> \ref
<UL><LI> \begin{itemize} \item
<OL><LI> \begin{enumerate} \item
<DL> \begin{description}
<PRE> \begin{verbatim}
<IMG> \includegraphics
<TABLE> \begin{tabular}
<ADDRESS> \author
見栄えは、スタイルシート(HTML)やスタイルファイル(LaTeX) で制御する。

■LaTeXとPostScript

PostScriptプリンタ参照。

◆PostScript

The Unix Super Text 17章 参照。 PostScript は、Adobe 社により開発されたプリンタを制御するための スクリプト言語(プログラミング言語)。

PostScriptプリンタは一種のコンピュータで、PostScript 言語のプログラムを実行することができる。 実行結果として、印刷が行われる。 PostScript プリンタに対してテキストやワード・プロセッサの文書、ソース・プ ログラムをそのままプリンタに送っても、印刷されない。

PostScript プリンタに印刷するためには、プリンタにファイルを送る前になん らかの手段でPostScript のプログラムに変換する。 coins のプリンタに印刷する時には、PostScript 言語のプログラムを 作成して、プリンタに送っている。

The Unix Super Text 52.2.1 参照The Unix Super Text 17.1.2 参照。 図17-1 のプログラムは、括弧{}が消えている。 復活したものを、ここ に置く。

◆EPS (Encapsulated PostScript)

EPS (Encapsulated PostScript) 形式は、PostScript に描画領域(bounding box)の 情報などを付加したもの。
%%BoundingBox: 0 0 512 322
この例では、画像は、左下の座標(0,0)から右上の座標(512,322)の間にあるこ とを意味する。

■Emacs

◆Emacs を使ったコピー&ペースト

The Unix Super Text 12.4.3項 参照, The Unix Super Text 12.4.5項 参照 手引き 3.2.7項 参照。 Emacs のキーボードの操作だけで、編集中のファイルの一部をコピー&ペース トを行うことができる。
  1. コピーしたい部分の先頭にカーソルを移動する。
  2. C-SPC または C-@ でマークを設定する。マークは画面に は表示されない。マークが設定されると、一番下の行に「Mark set」と表示さ れる。
  3. カーソルを、コピーしたい部分の末尾に移動する。
  4. M-w または Esc w でコピーする。
  5. カーソルを、ペーストしたい部分に移動する。
  6. C-y でペーストする。
ヒント

◆Emacs のバッファとウィンドウ

The Unix Super Text 12.1.2項 参照。 Emacs のバッファは、ハードウェアのメモリを抽象化したもの。ファイルの内 容を読み込み、編集できる。保存しなければ、失われる。

Emacs でウィンドウとは、バッファの一部を表示する画面。 The Unix Super Text 12.1.2項 参照

Emacs のウィンドウ、一部表示、バッファ、ファイル、読み込み、保存
図? Emacsのウィンドウとバッファとファイルの関係

◆Emacs のバッファとウィンドウの使い道の例

■bash

◆bashのファイル名補完機能

bashには bashのファイル名補完機能 がある。
 $ cp ~yas/p[tab][]
 $ cp ~yas/public_html/[]

◆bashのファイル名置き換え機能

bash には ファイル名置換 がある。
$ ls *.tex [←]
$ ls *.dvi [←]
$ ls struct.* [←]

■実習

実習時間中には、 以下の課題をできるだけ多く行いなさい。全部を行う必要はない。

★練習問題(1201) bashの復習

bash で、次の機能を復習しなさい。

★練習問題(1202) platexバージョンと文字コードの確認

次のように platex コマンドを実行し、バージョンと文字コードを確認しなさい。 この状態で終了するには、Control + D (^D) を使いなさい。 これは、キーボードからファイルの終わりの印(EOF, End of File) を意味する。
 $ platex[←]
 This is e-pTeX, Version 3.1415926-p3.4-110825-2.6 (utf8.euc) (TeX Live 2013)
  restricted \write18 enabled.
 **^D
 ! End of file on the terminal... why?
 $ []

★練習問題(1203) LaTeXサンプルのコンパイル

以下のようにして、サンプルをコンパイルしなさい。mkdir コマンドで 作成するディレクトリとしては、ASCIIの範囲のものを使うと扱いやすい。以下 の記述でディレクトリの名前 dirname には、各自自 分にとって分かりやすい適切な名前を考えて置き換えなさい。 「dirname」 と入れてはならない。
$ mkdir dirname [←]
$ cd dirname [←]
$ cp ~yas/public_html/htdocs/coins/literacy-2014/2014-05-27/ex/struct.tex . [←]
$ cp ~yas/public_html/htdocs/coins/literacy-2014/2014-05-27/ex/latex-struct.eps .  [←]
$ ls [←]
latex-struct.eps        struct.tex
$ platex struct.tex  [←]
<表示省略>
$ platex struct.tex [←]
<表示省略>
$ ls [←]
latex-struct.eps        struct.dvi              struct.tex
struct.aux              struct.log
$ []
platex コマンドを、2回実行する。 この結果、.dvi ファイル、.aux ファイルが作成されていることを確認しなさい。 上の例では、さらに .log ファイルも作成されている。

★練習問題(1204) LaTeXサンプルに対する、dvipdfmx コマンドによる dvi ファイルから PDFファイルの作成

練習問題 LaTeXサンプルのコンパイル の後、dvipdfmx を使って PDF ファイルを作成しなさい。
$ ls [←]
latex-struct.eps	struct.dvi		struct.tex
struct.aux					struct.log
$ dvipdfmx struct.dvi  [←]
struct.dvi -> struct.pdf
[1][2]
80233 bytes written
$ ls [←]
latex-struct.eps	struct.dvi		struct.pdf
struct.aux					struct.log		struct.tex
$ []
このように、struct.dviというファイルから struct.pdfが生成させる。このことを確認しなさい。

★練習問題(1205) LaTeXサンプルに対する、「プレビュー.app」によるPDFファイルの画面への表示

練習問題 dvipdfmx コマンドで作成したPDFファイルの 内容を画面に表示しなさい。
$ ls -l struct.pdf  [←]
-rw-r--r--  1 yas  prof  80233  5 26 21:42 struct.pdf
$ open struct.pdf  [←]
$ []
これにより、標準の PDF を表示するアプリケーションが実行される。

この PDF ファイルを、プリンタに送れば印刷することができる。 印刷のためのウインドウを表示しなさい(実際に印刷しなくてもよい)。

★練習問題(1206) サンプルのコピーのコンパイル、PDF ファイル作成、プレビュー、印刷

練習問題 LaTeXサンプルのコンパイル 以下の操作を、ファイルをコピーしてから行いなさい。

★練習問題(1207) bashファイル名置き換え機能

LaTeX のコンパイルや PDF ファイルの作成ができたら、bash のファイル名置 き換え機能を利用してみなさい。

★練習問題(1208) convertコマンド

ImageMagic convert コマンドを用いてイメージ(PNG形式やJPEG形式など)から EPS (Encapsulated PostScript) 形式を作成してみなさい。 以下の例では、file.pngとうファイルから file.epsが生成させる。 他の名前のファイルを使う時には、適宜ファイル名を変えること。
$ ls -l file.png  [←]
$ convert file.png file.eps [←]
$ ls -l file.eps [←]

生成した PostScript ファイルを lv コマンドで表示したり、gs コマンドや gv コマンドで画面に表示しなさい。

★練習問題(1209) PostScriptファイルのプレビュー

PostScript ファイル、または、EPS ファイルを、印刷せずに、次のような方法 を使って画面に表示しなさい。 PostScript ファイルとしては、次のファイルを利用してもよい。

★練習問題(1210) PostScriptファイルの印刷

PostScript ファイル、または、EPS ファイルを、lpr コマンドを使ってプリン タに送り印刷しなさい。lpq コマンドで、キューの様子を観察しなさい。

以下の例は、file.psという名前のファイルを印刷している。 他のファイルを印刷する時には、適宜ファイル名を変えること。

$ ls -l file.ps [←]
$ lpq [←]
(キューの内容の確認)
$ lpr   file.ps [←]
$ lpq [←]
(キューの内容の確認)
$ lpq [←]
(キューの内容の確認)
$ []

lpr, lpq コマンドの代わりに lp コマンド、lpstat を使ってみなさい。

キュー参照。 The Unix Super Text 17.3 プリンタの使い方 参照

★練習問題(1211) PDF形式の図の読み込み

dvipdfmx では、EPS 形式以外の画像、たとえば、PDF 形式の図を読み込むこともできる。

\includegraphics{file.pdf}  
この場合、描画領域(bounding box)を示すファイルを、拡張子 .xbb で別途作成する。
$ ls file.* [←]
file.bb file.pdf
$ cat file.xbb [←]
%%Title: ./file.pdf
%%Creator: extractbb 20130405
%%BoundingBox: 0 0 80 80
%%HiResBoundingBox: 0.000000 0.000000 80.000000 80.000000
%%PDFVersion: 1.4
%%Pages: 1
%%CreationDate: Mon May 26 17:20:03 2014

$ []
まず、LaTeX のファイルの先頭に近い部分にある、\usepackage に、次 のように [dvipdfmx] というオプションを付ける。
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

この機能を確認しなさい。

拡張子 ".xbb" を持つ描画領域を含むファイルは、テキストエディタで作成する こともできるが、普通は PDF ファイルから extractbb コマンドで作成する。 以下の例では、square.pdf から square.bb を作成している。

$ ls square.* [←]
square.pdf
$ extractbb square.pdf  [←]
$ ls square.* [←]
square.pdf	square.xbb
$ cat square.xbb  [←]
%%Title: ./square.pdf
%%Creator: extractbb 20130405
%%BoundingBox: 0 0 80 80
%%HiResBoundingBox: 0.000000 0.000000 80.000000 80.000000
%%PDFVersion: 1.4
%%Pages: 1
%%CreationDate: Mon May 26 17:38:28 2014

$ []
この機能を確認しなさい。

★練習問題(1212) JPEG形式の図、PNG形式の図の読み込み

練習問題 PDF形式の図の読み込みと同様 に、extractbb を使って .xbb ファイルを作成し、JPEG 形式の図や PNG 形式 の図を読み込みなさい。

★練習問題(1213) Emacs でコピー&ペーストで用いるキー

Emacs で、次のキー操作の動作を調べなさい。
キー 説明
C-SPC または C-@ コピーする領域の先頭を決める(マークを設定する)
C-w マークした部分とカーソルの間の領域をカットする
Esc w または M-w マークした部分とカーソルの間の領域をコピーする
C-y コピー、または、カットしたものをペーストする

★練習問題(1214) Emacs でのコピー&ペースト

The Unix Super Text 12.4.3項 参照, The Unix Super Text 12.4.5項 参照 手引き 3.2.7項 参照。 Emacs で、キー操作よるコピー&ペーストの練習をしなさい。 同様に、次の操作を確認しなさい。

★練習問題(1215) Emacs で複数のウインドウとバッファの操作

Emacs で、次のキー操作の動作を調べなさい。
C-x 2 ウインドウを2つに分割(現在のバッファを複数ウインドウで表示)
C-x 1 ウインドウを1つにする(他のウインドウを閉じる)
C-x 0 現在のウインドウを閉じる
C-x o 他の(other)ウインドウにカーソルを移動。
C-x C-b バッファのリストを表示
C-x b 別のバッファを表示する

★練習問題(1216) Emacs で長いファイルの編集

Emacs のウインドウを開く機能(C-x 2)は、1画面に入らないような大 きなファイルを部分的に表示する時に有用である。このことを確認しなさい。

★練習問題(1217) Emacs で複数のファイルの編集/2つのウインドウ

次の手順で、Emacs で複数のファイルを同時に編集してみなさい。

★練習問題(1218) Emacs で複数のファイルの編集/見えないウインドウ

次の手順で、Emacs で複数のファイルを同時に編集してみなさい。

★練習問題(1219) emacs、スペース・キーによる補完

Emacs では、ファイル名の補完に、タブキーではなく、スペース・キーを使う こともできる。 The Unix Super Text 12.5.1 参照 この違いを確認しなさい。

MacOSX で動作する Emacs のバージョンによっては、スペースキーでの補完が 標準ではできないことがある。この時には、タブキーを使うか、次のような設 定を ~/.emacs 等の起動時に実行されるファイルに含める方法がある。 こうすると、ファイル名に空白を使いにくくなる。

(if (boundp 'minibuffer-local-filename-completion-map)
     (define-key minibuffer-local-filename-completion-map
       " " 'minibuffer-complete-word))
(if (boundp 'minibuffer-local-must-match-filename-map)
    (define-key minibuffer-local-must-match-filename-map
      " " 'minibuffer-complete-word))

★練習問題(1221) TeX関連のコマンド

coins iMac MacOSX で TeX 関連のコマンドは、/usr/texbin にある。 そこにどのようなプログラムがあるかを調べなさい。
$ cd /usr/texbin [←]
$ ls [←]
$ ls *dvi [←]
$ ls *dvi* [←]

★練習問題(1222) tgifコマンド

tgif を利用して、図を書いてみなさい。作成した図を EPS 形式で保存しなさ い。

tgif を実行するには、コマンドラインから tgif と打つ。

tgif は、X Window System (X11) の機能を利用して動作する。

tgif で作成した図を、EPS 形式で出力し、TeX で利用しなさい。

The Unix Super Text 下巻 第53章 ドローツール 参照http://takeno.iee.niit.ac.jp/~foo/tgif-jman/tgif-jman.html参照。

★練習問題(1223) Gimpによる EPS の作成

Gimp.app (/Applications/Gimp.app) で画像を読み込み、 EPS 形式で保存することで、EPS を作成しなさい。

生成した PostScript ファイルを lv コマンドで表示したり、gs コマンドや gv コマンドで画面に表示しなさい。

★練習問題(1225) PDF表示プログラムの比較

coins iMac MacOSX には、次のような PDF を表示可能なプログラムがあるる TeX のプレビューアとして、比較しなさい。 また、印刷した時の品質について比較しなさい。

それぞれ実行した後、一番上のメニューバーにある「ファイル」メニューから 「開く」を選び、PDFファイルを指定する。

一番上のメニューバーにある「ファイル」メニューから「プリント」を選ぶと、 印刷することができる。

★練習問題(1226) dvi ファイルから PostScriptファイルの作成

platex コマンドで dvi ファイルを作成したら、それからdvips コマンドで PostScript ファイルを作成しなさい。 以下の例は、file.dviという名前のファイルから file.psという名前のファイルを生成している。他のファイル を表示する時には、適宜ファイル名を変えること。
$ ls -l file.dvi [←]
$ dvips file.dvi [←]
dvips コマンドについては、The Unix Super Text 50.7 参照

なお、coins の dvips は、標準で(-o オプションをつけなくても)、.ps とい う拡張子を持ったファイルを生成する。標準出力に PostScript ファイルを出 力しない。従って、生成した PostScript ファイルを印刷するには、それを 以下で説明するlpr コマンド でプリンタ送る。

★練習問題(1227) a2psコマンド

The Unix Super Text 上巻 17.2節 PostScriptの使い方 参照。 a2ps コマンドを使って、ASCIIからなるテキストファイルからPostScript ファ イルを作成しなさい。
$ a2ps --help [←]
$ a2ps -o file.ps file.txt [←]
詳しくは、man a2ps を見なさい。

注意: a2ps コマンドは、日本語を扱うことはできない。日本語は、a2ps-j を 使いなさい。PostScript ファイルを作る時には、必ず -o オプションを使うこ と。-o オプションを付けないと、そのままプリンタに送られてしまう。

生成した PostScript ファイルを lv コマンドで表示したり、gs コマンドや gv コマンドで画面に表示しなさい。

★練習問題(1228) a2ps-jコマンド

a2ps-j コマンドを使って、日本語漢字を含むテキストファイルから PostScript ファイルを作成しなさい。
$ a2ps-j -help [←]
$ a2ps-j file.txt > file.ps [←]
注意: -o オプションは使えない。

生成した PostScript ファイルを lv コマンドで表示したり、gs コマンドや gv コマンドで画面に表示しなさい。

★練習問題(1229) PostScriptファイルの生成

次の方法で、PostScript のプログラムを生成し、ファイルに保存しなさい。

生成した PostScript ファイルを lv コマンドで表示したり、gs コマンドや gv コマンドで画面に表示しなさい。

★練習問題(1230) Emacs M-x set-buffer-file-coding-system

Emacs では、さまざまな文字コードのファイルを編集できる。ファイルを保存 する前に、ファイルの文字コードを変更することができる。 emacs のモードライン(下から2行目、白黒反転した部分)の表示にある文字コー ドの部分が変化する。端末(iTerm)で実行される Emacs の場合、文字コードの は、3種類(UUUのような表示)あり、ファイルに保存する時に使われるものは、 一番左側(UUUならUで、UTF-8の意味)である。 Dock から実行される Emacs.app の場合、ファイル用の文字コードしか

文字コード モードラインの表示 Emacsの設定
EUC E euc-jp-unix
JIS J iso-2022-jp-unix, junet
Shift_JIS S shift_jis-unix
UTF-8 U utf-8-unix
最後の-unix は、改行文字(行末)の ASCII 制御コード。 主に次の3種類がある。
emacsでの表記とモードライン 制御コード(16進数) 説明 Controlキー C言語表記
-unix : 0a nl (new line) Control+j \n
-mac (Mac) 0d cr (carriage return) Control+m \r
-dos (DOS) 0d 0a (2文字) cr nl Control+m Control+j \r\n
The Unix Super Text の表 12-2 は、古い。

dos (Disk Operating System) は、MS-DOS (Microsoft DOS) の意味。 Microsoft 社が Windows を発売するより前に発売していた OS の名前。

★練習問題(1231) LaTeXプレビューア xdvi

The Unix Super Text 50.6 参照。 プレビューア xdvi を利用しなさい。 以下の例は、file.dviという名前のファイルを表示している。 他のファイルを表示する時には、適宜ファイル名を変えること。
$ ls -l file.dvi [←]
$ xdvi  file.dvi [←]
終了するには、Quit ボタンを押すか、q キーを押す。 EPS 形式で読み込んだ図について、PS View ボタンや v キーで表示、非表示を切り替えなさい。

次のキーの動作を確認しなさい。
キー 働き
q 終了
n next ページへ移動
p previous ページへ移動
j 下へ移動
k 上へ移動
h 左へ移動
l 右へ移動
g のページ移動
s で指定されたサイズ変更
v EPS 形式で読み込んだ図の表示非表示の切替え
j,k,h,l は、右手をホーム・ポジションに置いたまま楽に打てる。 エディタ vi のキーと同じである。 less, lv コマンドとも、j,k については同じである。

xdvi を印刷の目的でも利用することができる。 ただし、印刷の品質は必ずしも良いとは言えない。 以下の dvips を使った時と印刷の品質を比較しなさい。

■課題12 LaTeXによる文書の作成

今日の課題では (1) と (4) [加点], (5) [加点] の結果を、印刷して TA に提 示し、確認番号を受け取りなさい。レポートには、受け取った確認番号を記入 しなさい。TeX ファイルを含める必要はない。

以下の問題の回答(または確認番号)をテキスト・ファイルに記述し、 レポート提出ページから提出しなさい。

(1) 課題9(1)で作成し たWWW ページと同じ内容を含む TeX 文書を作成し、dvi ファイルを作成しなさ い。そのdvi ファイルから、PDF ファイルを作成しなさい。その PDF ファイル を印刷しなさい。WWW ページと TeX 文書で以下の点については、異なっていて もよい。

TeX文書は、0 から作成するのではなく、次のような方法で作成することが一般 的である。 完成したPDF ファイルと印刷物を TAに見せ、確認番号を受け 取りなさい。レポートには、確認番号を含めなさい。 なお、元の HTML で、文書の構造がしっかりできていなかった人は、LaTeX の 課題をする前にHTMLの課題をやり直し、文書の構造をきちんと整えなさい。元 の HTML の悪い構造を LaTex 文書に悪い形で維持してはならない。

(2) LaTeX では、dvi ファイルを得るために 2 回 platex コマンドを実行して コンパイルを行う。なぜ 2 回実行する必要があるのか、簡単に説明しなさい。

(3) 手引きの次の部分を読みなさい。

そして次の次の項目について簡単に説明しなさい。

(4) [加点] 同じ内容の文書を、次に示す2つ以上のスタイルを用いて整形し、 PDF ファイルを作成しなさい。ただし、スタイルファイルを使うための細かな 修正を行なってもよい。

PDF ファイルと LaTeX ファイルを TAに見せ、確認番号を受け取りなさい。レ ポートには、確認番号、利用したスタイル・ファイルの種別、および、細かな 修正を行った場合には、修正点を記入しなさい。 実施するには、LaTeX スタイルファイル、サンプル等と自分で作成するファイ ルの文字コードを合わせる必要がある。それには、 練習問題 Emacs M-x set-buffer-file-coding-system を使う方法がある。

(5) [加点] 次の LaTeX の機能を全て利用してし、PDF ファイルを作成しなさい。

PDF ファイルを LaTeX ファイルを TAに見せ、確認番号を受け取りなさい。


Last updated: 2014/05/27 18:05:02
Yasushi Shinjo / <yas@cs.tsukuba.ac.jp>