2014年06月24日
情報科学類 コンピュータリテラシ
                                       筑波大学 システム情報系 情報工学域
                                       新城 靖
                                       <yas@cs.tsukuba.ac.jp>
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/sh.html
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	http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
	http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/
以下で「$」は、sh のプロンプトを意味する。
入出力の切替え
<file		標準入力をfileに切替える。
>file		標準出力をfileに切替える。fileの内容が上書きされる。
2>file		標準エラーをfileに切替える。fileの内容が上書きされる。
n>file		ファイル記述子nをfileに切替える。fileの内容が上書きされる。
n<file		ファイル記述子nをfileに切替える。
>>file		標準出力をfileに切替える。fileの末尾に追加される。
2>&1		標準エラーを標準出力と同じにする。
<&-		標準入力を閉じる。
>&-		標準出力を閉じる。
p1 | p2		p1 の標準出力をパイプに、p2 の標準入力をパイプに
p1 <<EOF	p1 の標準入力を、EOF という文字がが現れるで。
...
EOF
<<'EOF' p1	p1 の標準入力を、EOF という文字がが現れるで。
...		変数を展開しない。
'EOF'
引数
$1 $2 $3 ...			n番目の引数
$0				プログラムの名前
$*				全引数
$@				全引数
"$@"				全引数(展開しない)
$#				引数の数
shift				引数のシフト
read var			標準入力から1行入力
シェル変数
var=value			シェル変数の設定
var="value1 value2"		シェル変数の設定
unset var			シェル変数の解除(古いshにはない)
$var "$var" ${var}		シェル変数の利用。
$$				PID
環境変数
sh で環境変数とは、シェル変数のうち export したものである。
var=value; export var		環境変数の設定
export var=value 		環境変数の設定
var="value1 value2"; export var	環境変数の設定
unset var			環境変数の解除
$var "$var" ${var}		環境変数の利用
コメント
#		コメント
引用符、エスケープ
"..."		$、``、\を解釈した文字列
'...'		文字列
`...`		...にあるプログラムを実行
\c		cそのもの(\* や \")で使う
\改行		行末のキャンセルX(1行で書けない時の継続行)
ファイル名、文字列の展開
 *		0文字以上の任意の文字列
?		任意の1文字
[abc]		[]の中の任意の1文字
オリジナルの sh では、「~user」はない。bash にはある。
sh という名前でありながら、実際には bash になっていることも多く、
その場合は sh でも使える。
if文
if [ ... ]
then
  cmd 
fi
if [ ... ]
then
  cmd
else
  cmd
fi
if [ ... ]
then
  cmd
elif [ ...  ]
  cmd
elif [ ...  ]
  cmd
else
  cmd
fi
test コマンド
test という名前の子マントが存在する。
$ ls -l /bin/test 
-r-xr-xr-x  2 root  wheel  63184  5 19  2009 /bin/test
$ file /bin/test 
/bin/test: Mach-O fat file with 3 architectures
$ /bin/test 
$ 
'[' は、伝統的には、そういう名前の外部コマンドであり、実体は、test コマ
ンドと同じである。
$ ls -li '/bin/[' /bin/test 
19656 -r-xr-xr-x  2 root  wheel  63184  5 19  2009 /bin/[
19656 -r-xr-xr-x  2 root  wheel  63184  5 19  2009 /bin/test
$ 
(test も '[' も内部コマンドとして実装されていること
もある。bash では内部コマンドである。)
マニュアルは、test で参照できる。
if には '[' コマンドの他に、普通のコマンドを書くこともできる。
if cmd
then
  cmd
else
  cmd
fi
if の cmd が exit 0 すると真、それ以外だと偽して扱われる。
(C言語と逆なので注意。)
if と同じ行に then を書く時には、「;」を付ける。
if [ ... ] ; then
  cmd 
fi
ループ
while [ ...  ]
do
   cmd
done
for var in w1 w2 w3 w4
do
   cmd $var
done
case 文
case string in
pattern1) cmd;;
pattern2) cmd;;
 *) cmd;;
esac
その他
exit 数			終了
exec cmd		自分自身でコマンド cmd を実行。戻ってこない。
. script		自分自身でシェルスクリプト script を実行。終了後、戻ってくる。
'[' (test) コマンドで使える式
-eq -gt -ge -lt -gt -le -ne 比較(数)
= !=			比較(文字列)
! -a -o			論理演算
-r filename		読み込み可能
-w filename		書き込み可能
-x filename		実行可能
-e filename		ファイルが存在する
-f filename		普通のファイルが存在する
-d filename		ディレクトリが存在する
-s filename		ファイルが空でない
str			空でなければ真。"$var" の形式で使うのが普通。
( )			式のグループ化
実行構造
p1 ; p2		p1 の実行後 p2 の実行。
p1 &		p1 のバックグランド実行(waitしない)
p1 && p2	p1 を実行して、失敗したら終わり。成功したら p2 を実行。
p1 || p2	p1 を実行して、成功したら終わり。失敗したら p2 を実行。
( cmd )		子プロセスで cmd を実行する。cd したい時など使う。
shの関数定義
最近の sh や bash では、関数が定義できる。
#!/bin/sh
ls_l()
{
	ls -l $*
}
ls_l $*
for文
for は、引数 $*、全てのファイル *、バック・クォート `` といっしょに使うことが多い。
$ for f in * 
> do
> echo $f
> done
file1
file2
file3
$ 
シェルスクリプトでは、for f in * の代りに、for f in $* を使えば引数、
`cat file` を使えば、file の内容ついてルー
プを実行することができる。
計算
数の計算が必要な時には、sh では、expr コマンドを使う。 結果をシェル変数に入れるには、``と組み合わせる。
% sh 
$ x=`expr 1 + 2` 
$ echo $x 
3
$ 
ループの中での文字列の結合
$ x="" 
$ for i in a b c 
> do
> x="$x""$i"
> done
$ echo $x 
abc
$ 
コマンドの実行結果
if 文では、コマンドが成功したか失敗したかを調べることができる。exit(0); した時に、成功(true)、それ以外の時に失敗(false) と扱う。
$ if /usr/bin/true; then echo ok; fi 
ok
$ if /usr/bin/false; then echo ok; fi 
$