2012年06月26日 情報科学類 コンピュータリテラシ 筑波大学 システム情報系 情報工学域 新城 靖 <yas@cs.tsukuba.ac.jp>
このページは、次の URL にあります。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2012/2012-06-26
/netnews-vin.html
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/
vin
は、
ユーザがニュース・グループの木構造にそってニュース・グループ
を選んでいくタイプのニュース・リーダ。
電子メールも読み書きできる。
配布元: ftp://ftp.delegate.org/pub/cosmos/
vin の特徴
vin では、主に次の3種類の画面をつかう
% vin
終了するには、qキーを何度か押す。
初めて vinを起動すると次のような表示がなされる。
図? vinを初めて起動したときの画面
8: ysato (木)09/28-23:42 はじめてvinを使う人のために vinは、カーソルの上下移動(j,k)、グループや記事の選択と脱出(i, o)コマンド、および終了(q)だけで、一応使うことができます。 行単位の移動 j,k 下の行へ(j),上の行へ(k) (カーソルキーも可) 頁単位の移動 SP,b 次の頁へ(sp),前の頁へ(b) 階層間の移動 i,o それに入る(in),ここから出る(out) vinの終了 q,Q 一旦最上位に戻って終了(q),即座に終了(Q) vinを起動すると、最初にグループの最上位の階層がリストされます。 読みたいグループにjやkでカーソルをあわせ、iを打てばそのグループに 入ります。 これを繰り返していくと、やがて記事のリストが現れます。記事のリスト の上で読みたい記事にカーソルをあわせ、iでその記事に入ります。 記事中のメッセージIDの上でiを打つとその記事に入ります。元の記事に 戻るにはRETURNを打ちます。 逆に記事やグループを上へ抜け出して行くためのコマンドがoです。 SPACEおよびbはページめくりです。終了はqまたはQです。Qで終ると、 次のvinは前回の終了時の場所から始まります。 コマンド一覧は^Hsで見られます。詳しい説明はcosmos.vin.manual、バー ジョンアップ情報はcosmos.vin.historyというグループにあります。 再びこのイントロダクションを見たいときは、^Hiと打って下さい。 _ _ _ _ _ [-----] cosmos.vin.manual:8 (23) Hit 'q' to go to top level画面一番下の行は、Emacs のエコー領域と同様に、メッセージが表示されたり、 キー入力が求められることがある。
vinの基本的な操作は、カーソルを動かし、そこにあるもを選択すること。
次の 4 つのキーは覚える。
vin を、2回目以降に実行すると、グループリストレベル の画面になる。 各行は、ニュースグループの階層(木構造の節)を表す。
左端の *
は, そのニュースグループの最新の
記事が未読。
一番下の行にヘルプを表示する方法が示されている。 これに従い、^H と打つと、表示が変わる。
HELP i:intro s:summary k:describe key o:desc-object m:manualこのページの末尾にvin でよく使うキーがある。
何度か項目を選ぶと、個々のニュース・グループや電子メールのメールボック
スに行き着き、さらに、1つひとつの記事や電子メールを選ぶ画面
(記事リストレベルの画面)になる。行の先頭の「*
」は、未読。
vin は、最新の記事から表示する。画面上端の次のような行は、古い記事を束 ねたもの。
[2953-3133] 07/25-08/13{ 19} ( 0/181 ) ||||||||||||||||||-
↑ ↑ ↑ ↑
記事番号 記事の日付 未読数/記事数 記事のヒストグラム
カーソルを画面の上端でさらに上に動かそうとすると, 記事を1つ
「ほぐす」ことができる。
JやKを使うと複数個ほぐすことができる。
読みたい記事にカーソルを合わせて、i
とうつと記事が読める。
ただし、そのニュースグループで初めて記事を読むときには, 次のようなメッ
セージが画面の一番下に表示される。
SUBSCRIBE news.group.name? (サブスクライブしますか?) y:es / n:o
普通は y を押してサブスクライブする。この結果、
~/.newsrc
にエントリが作られ、既読・未読の管理がなされる。
個々の記事を選択すると、次の 記事レベル になる。
前の 記事リストレベル で、何か記事を選ぶと 記事レベル の画面になります。 この画面では、 lv コマンドや less コマンドと と同様に、1つひとつの長い記事を、1ページ1ページめくるように読む。 主に次の役割を持つ SPACE キーを使い記事を読む。
グループリストレベル の画面で、
fj
や
comp
は、実際のニュースグループだが、
<Mail>
や
{v:HideReadGroups}
は、
vinの中でのみ存在する項目。
vin では、このようにあたかもニュースグループであるかのように
扱える項目を、
仮想ニュースグループ
と呼んでいる。次のような種類がある。
{v:ListReadGroups}、{v:HideReadGroups}
{v:ListReadGroups}
を選択すると、表示される
ニュースグループがいくつか増え、{v:HideReadGroups}
に
変わる。これが{v:ListReadGroups}
になっていると、未
読記事のないニュースグループや<Mail>
を表示
しない。
<Mail>
<files>
<previous>
<unsubscribed>
NEWNEWS
DRAFT
cosmos、vin
移動するには、グループリストレベル で移動させたいニュース・グループの上に カーソルを合わせ、t と打つ。すると次のように 問い合わせてくる。
=== Move 'News.group.name' to ===>>
ここで、移動させたい階層を打ち込む。一番トップに移動させたい時には、
.
。
特別な移動先として<unsubscribed>
を指定すると、
アンサブスクライブしたことになり、普段は見えなくなる。。
vinの別名機能は、Unixの シンボリック・リンク (後述) の機能とよく似ている。 別名を作りたいニュース・グループにグループリストレベル でカーソルを合わせ、 s と打つと、次のように問い合わせられる。
[Enter name]
@ existing.newsgrop.name
@
の左に新しい名前を打ち込む。
これは、vin に対して「@の左を見たら右のを見ろ」と指示となる。
別名や移動や、参照したニュース・グループの履歴は、
~/.vinrc
というファイルに保存される。別名をたくさん作る時には、s で1つ
ひとつ作るよりも、~/.vinrc
をEmacs などのテキスト・エディタで修
正した方簡単である。別名は、~/.vinrc
では、次のように保存さる。
alias@realname: @
g キー (go) は、階層を飛び超えて別のニュース・グループを読む 時に使う。
=== Go to ====>>
ここで飛びたいニュース・グループ名を打ち、最後にリターンを打つと、そこ
に飛ぶ。たとえば、
=== Go to ====>> news.group.name
と打つと、news.group.name
というグループの
記事を表示する。
Message-Id や
「news.group.name:num
」という形式を
打つこともできる。
記事リストレベル で、g に続き、 シングルクォート ''で囲 まれた文字列を打ち込むと、「その文字列を含む記事だけが含まれたニュース・ グループ」に飛んでいくことを意味する。 たとえば、
=== Go to ====>> 'string'
と打つと、string
という文字列を含む記事を集め
て、ニュース・グループをvin内部に動的に作成し、そこに視点を移すことに
なる。次の例は、fj.unix
で、
g 'uuencode'
と打った所である。
[ 184 unread - new ] fj.unix.'uuencode'
*[2953-3132] ------08/13{ -} ( 176/180 ) ||||||||||||||||||
これを、k を何度か打ち、解くと次のようにななる。
[ 181 unread - new ] fj.unix.'uuencode'
*[2953-2987] -----------{ -} ( 34/35 ) |||-----
* 3085.08/08(土) kabe ( 13) uuencode hated in USENET?
* 3122.08/13(木) yas ( 30) |uuencode hated in USENET?
* 3130.08/13(木) tss ( 15) |uuencode hated in USENET?
* 3131.08/13(木) taca ( 20) |uuencode hated in USENET?
* 3132.08/13(木) taca ( 21) |uuencode hated in USENET?
g に続いて打つ ''で囲まれた文字
列は、Subject: だけでなく From: にも使える。
ALL
という特殊なグループを指定すると、複数のニュースグルー
プを統合できる。たとえば、
=== Go to ====>> news.group.name.ALL
と打つと、news.group.name.*
のような名前のニュー
ス・グループに含まれている全ての記事を、時間順序に並べて1つのニュース・
グループとして表示できる。
表? vin でよく使う機能
キー 動き ---------------------------------------------------------------------- ^H ヘルプ q 終了 Q 終了(次回に同じ場所から再開) i 入る、選択する。 o 抜ける、選択したものから抜ける。 j カーソルを次の行へ移動 k カーソルを前の行へ移動 SPACE 1ページ進める b 1ページ戻る J 上から束ねられた記事をほぐす K 下から束ねられた記事をほぐす c 記事を束ねる m 既読マークを付ける/消す(トグル) D 削除マークを付ける/消す(トグル) l 表示形式の選択 r 再表示、削除の実行 s ファイルへの保存(記事リストレベル,記事レベル) s 別名を作る(グループリストレベル) t ニュース・グループ/電子メールの移動 S 記事を投稿する、電子メールを出す F フォローアップ fa 複数の記事にフォローアップ R リプライ ra 複数の電子メールにリプライ C 記事をキャンセルする / 記事を↓方向に検索 ? 記事を↑方向に検索 ^L 画面の再表示 n 次の未読のニュース・グループ/記事へ p 前の未読のニュース・グループへ/記事へ N 次のニュース・グループ/記事へ P 前のニュース・グループへ/記事へ ^N 次の同一 Subject の記事へ ^P 前の同一 Subject の記事へ^H s も参考になる。
vinを実行したときに, 次のようなメッセージが表示されることがある。
% vin
[ vin ] COSMOS V2R0#15/97-08-04 // Yutaka Sato
You seem to have another active vin: yas@world:notty pid=15739
Start anyway ? (y:yes n:no) :
これは, 他のホストや他の端末で vinを使っているときに, それを終
了せずに起動した可能性があることを意味する。
vinが異常終了した時にも表示される。 もし他の端末で使っていれば、nと打ち、 他の端末で使っている vinを終了してから、もう一度実行する。 他の端末では動いていない時には、yと打つ。