共通科目情報処理(上級)、インターネットの仕組み、2004年02月09日
電子・情報工学系
新城 靖
<yas@is.tsukuba.ac.jp>
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著作権保護の技術
ディジタル情報の利点と問題点
- コピーにより品質が劣化しない
- 不正コピーから情報の発信者の権利を守るのが難しい
情報を暗号化では、復号化された後のデータを守ることはできない。
データの一部に目に見えるロゴを埋め込むの問題点
- 元データの品質が劣化する
- 付加したロゴを簡単に消去されてしまう
電子透かしは、目に見えない形で元データに対して情報を埋め込み、
それを検出する技術。
情報不可視化、データ隠し(datahiding)とも呼ばれる。
電子透かしで必要な技術
- 利用者に気が付かれない形で付加情報を埋め込む。元の静止画
像、動画像、音声などのデータの品質を劣化させない。
- 埋め込まれた情報が元データから分離できない。通常の編集や
フォーマット変換でも付加情報が残る。
- データ量が増えない。
電子透かしでは、人間の視覚的・聴覚的な特性を利用し、人間には
気が付かない程度に元データを微妙に加工する。
元のデータではなく、埋め込まれたデータが重要な時には、電子あぶりだしを
使う。
ディジタル情報を他人に気付かれることなく伝えるための技術。
- 暗号化
-
元のデータを変換し、アクセスできる権限を持った人だけに復元可能な形にす
ることで秘密を保とうとするもの。「秘密が存在する事実」を隠すことはでき
ない。
- 電子あぶりだし
- 「秘密が存在する事実」を他人に気付かせない技術
電子あぶりだしと電子透かし技術の比較
類似点
- あるデータに対して人間が気が付かない範囲で加工を行うことでデータ
を埋め込む
相違点:
- 電子透かし技術
-
- 表面に現れるデータに価値がある。
- そのデータの品質を保ったまま少量で除去しにくい秘密データを埋め込む。
- 電子あぶりだし
-
- 表面に現れるデータはダミーであり、あまり価値がなく、
隠されているデータ(秘密情報)に価値がある。
- 大量のデータを埋め込むことが要求される。
- 秘密情報が第3者に消されたとしても、秘密がもれるわけではないので、
問題にはならない。
BPCS-Steganography。ダミーデータの 40% から 50% のデータを埋め込むこと
ができる。
http://www.know.comp.kyutech.ac.jp/BPCS/
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Last updated: 2004/02/02 15:23:55
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>