コンピュータリテラシとは、規約、パスワード、Webブラウザ

					2010年04月13日
情報科学類 コンピュータリテラシ

                                       筑波大学 システム情報工学研究科 
                                       コンピュータサイエンス専攻, 電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>

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http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2010/2010-04-13
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/

■連絡事項

教室、実習室、履修申請時の科目番号を間違えないように注意する。 教室、実習室、履修申請時の科目番号を間違えないように注意する。
担当教員
新城 靖
教室
3A308
実習室
3C205
科目番号
GB1 0621, GB1 0633

■コンピュータリテラシとは

リテラシ(literacy)
読み書き(そろばん)、江戸時代なら
日常生活を営む、大学で学ぶ上で、知るべきこと

■大学での勉強の仕方

◆教育と訓練

大学と専門学校の違い。

Gerald M Weinberg: "Psychology of Computer Programming", Van Nost. Reinhold (1972). ISBN: 0442292643

ジェラルド・M・ワインバーグ: "プログラミングの心理学", 技術評論社 (1994). ISBN: 4-7741-0077-3

「教育」とは一般的な原理、技能の獲得をいい 「訓練」とは個別的技能の獲得をいう。 ... だがもっと重要なのは、教育は何らかの訓練を前提としなければ起こり得ない 可能性がある、ということだ。

本質的なこと、一般的な原理、10年持つ知識。

例:ワードプロセッサ

◆この授業の意義

この授業の内容は、全てインターネット上にある。 インターネットがあっても、この授業には意義がある。

◆キャッシュ

大学の授業は、どれも自分の頭(キャッシュ(情報科学類の専門用語))に重要な 情報を入れること。

キャッシュ(cache)
高速化のための小容量のメモリ。
自分の頭をキャッシュとして使う

◆新城の教育方針

一人ひとりの力を最大限に延ばしたい。

一斉授業の限界:

◆学校の違いによる授業の目標の違い

高校まで
教員の教えたことを100%理解する。試験で100点を取る。
予備校
大学入試で合格できるできる「最低点」を取る。 (最低点取れれば、それ以上はやるだけ損という考え方。)
大学以降
自分が身につけたい知識・技能を得る。
大学では、単に100点でも、単に最低点でも不十分。

注意:授業を欠席してアルバイトに行くと、コスト計算するとかなり損になる。

◆大学の授業

もっと大事なことは、授業にないことでも自分で課題を見つけて挑戦して行く こと。

◆インターネットと教科書

授業でカバーできないものは、インターネットと教科書を使う。

教科書(text book)は、玉を編纂したもの。

山口和紀, 古瀬一隆, 中村敦司, 新城 靖, 西山博泰, 林 謙一, 金谷英信, 鈴 木孝幸, 端山貴也: "新The UNIX Super Text ", 技術評論社 (2003年3 月25日). ISBN: 4774116823, 4774116831.

年間授業料の1%。この内容は、4年間使える。 来年度、不要なら下級生に売ってもよい。

授業休んでアルバイトに行くと赤字。

http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~jiro/literacy-10/,Aクラスの資料も使える

◆TA

Teaching Assistant。教員を補佐する大学院の学生。遊ばしてはいけない。

◆教えたいこと

何か改善点を思いついたら、メモしておくとよい。情報科学類生はプロになって しまい、初心を忘れてしまう。

◆課題(宿題、レポート)

◆成績

次のように合算する。 欠席する時(した時)には、欠席届を提出すること。

■情報科学類/情報学類コンピューティング環境

情報科学類/情報学類で用意しているコンピュータ、ネットワーク、プリンタなど。 授業の課題を行うために使う。 「情報科学類/情報学類教育用計算機」、「coins(コインズ)」 とも言う。 計算機==コンピュータ。 計算機と電卓(calculator)は違う。

学類コンピューティング環境を利用するには、 しばしば、ログイン・アカウント(ユーザ名とパスワード)が必要になる。 実習室(端末室)に入室するには、学生証が必要になる。

◆学類コンピューティング環境の見方

できることとやってよいことは違う。

悪いことに使ってはいけない。

◆学類計算機運用委員会

学類の役割分担で、情報学類コンピューティ ング環境を維持管理する責任を持つ委員会。

■利用規程、ガイドライン

手引き I-IV (目次の前のローマ数字のページ) 参照 学類、大学のコンピュータやネットワークを使わない場合、これらの利用規程 やガイドラインには縛られない。

だからといって、自宅のコンピュータとネットワークで何をしてもよいという わけではない。

◆AUP(Acceptable Use Policy)

資金提供者や管理者が規定している「受け入れ可能な利用目的」。 日本語では、否定を使って「利用制限」と言った方がわかりやすいかもしれない。

大学構内の部屋や道路で何をしてよいか。

◆ネチケット

法律や規則にするにはなじまないが、守りたい礼儀・作法・行儀。 ネットワークとエチケットから作られた言葉である。

◆アカウント/入室カード申請・誓約書

■実習室への入室

■ログインとログアウト

手引き 1.1 参照, The Unix Super Text 5章 参照

■UnixとMacOSX

授業で主に使うコンピュータは、iMac。MacOSX という種類のオペレーティング・ システムが動作している。

オペレーティング・システムは、コンピュータの顔を作る。

MacOSX は、Unix 系のオペレーティング・システムを基盤にして、 独自のグラフィクス機能を強化した オペレーティング・システム。

同じハードウェア(マウス、キーボード、ディスプレイ)でもオペレーティング・ システムが違うと操作方法が違う。

学類のコンピュータを使う前には、ログイン、使った後にログアウトの操作が 必要。

◆ログインの目的

悪いことをする時には、身元を隠すことがおおい。ログインすることで、 それを抑止する。

coinsでは、ログインの時にログイン名とパスワードを打ち込む。coins のログ イン名は、「s+学籍番号下7桁」。パスワードは、最大8文字。

◆パスワード

長くするだけで、安全性が指数関数的に高くなる。 1ビット長くすると、破る時間が2倍になる。 (「長さを2倍にすると破る時間が2倍になる」は、誤り)。

図? 指数関数

図? 指数関数

図? 指数関数

図? 指数関数

1文字(大文字小文字数字記号)増やすと、総当たりで破るのに要する時間が、 50倍から100倍近くかかるようになる。

文字の種類をアルファベット小文字だけに限ると、1文字増やしても20倍く らいにしかならない。

◆筑波大学統一認証システム

筑波大学内の 複数のコンピュータ アカウントで、共通のパスワードを使えるようにしたもの。

重要なアカウント

パスワードは、特別のページで変更する。すると、全部の提携しているシステ ムで変更される。ただし、共通なのは、パスワードだけで、 ユーザ名は異なる ことに注意しなさい。

例:

筑波大学全学計算機システム, coins
s学籍番号下7桁
アクセスポイント(無線ネットワーク(無線LAN))
学生証のバーコードに記載された13桁のID
2010年入学の学生については、「初期パスワード」は、Twins の初期パスワードと 同じである。

パスワードを忘れた時には、所定の場所に学生証を持って行き、再発行手続きを行う。

◆よいパスワードの決め方の例

手引き 1.1 参照, The Unix Super Text 6.4節 passwd コマンド 参照

◆ログアウト

コンピュータを利用し終わったら「ログアウト」の操作を行う。

■ハイパーテキスト・ハイパーメディアと World Wide Web

ハイパーテキスト(hypertext)とは、内部に他のテキストへの「参照 (reference)」が埋め込まれているテキスト(文書、文字だけから構成される データ)である。ハイパーテキストという仕組みを使えば、テキストのある部 分から、関連している情報を含んでいるテキストのある部分を引き出すことが 簡単になる。

ハイパーテキストを拡張し、テキスト・データだけでなく、音声や画像などの データを扱えるようにしたものを、ハイパーメディア(hypermedia)という。 World Wide Web は、ハイパーメディアに基づいて 作られている情報提示のための仕組みである。

インターネットの雲、資源、リンク、ブラウザ

インターネット上の資源とハイパーメディア

◆URL

WWW では、資源を指し示すために URL (Uniform Resource Locator) という形式を使う。次に、URL の例を示す。

http://www.tsukuba.ac.jp/education/college.html

http
HyperText Transfer Protocol。WWWのデータを保持しているプログラム と、WWWを表示するプログラムの間でデータをやり取りするときの形式を定め た約束。
www.tsukuba.ac.jp
そのデータを持っているコンピュータの名前。
/education/college.html
そのコンピュータの中での資源の名前(ファイルの名前)。

◆httpとhttps

URL には、http: で始まるものの他に、https: で始まるものがある。 https で始まる場合、SSL という仕組みを使って通信路を暗号化されている (The Unix Super Text 下巻86.2章 参照, The Unix Super Text 29章 参照)。

http で始まるものは、通信路は暗号化されていないので、 通信内容(URLの一部、キーボードで打ち込んだユーザ名やパスワード、 クレジットカード番号など)が盗まれることがある。

https を使っていても、通信相手が偽物の場合には、意味がない。通信相手が 本物かどうかを確かめる機能は、Web ブラウザに備わっている。Web ブラウザ は、通信相手が確認できない場合には、警告を発する。

■Webブラウザ

World Wide Web のデータを表示するためのプログラム。 さまざまな種類がある。

◆Firefox

Firefox の icon 手引き 4.1節 参照。Netscape, Mozilla の後継。

MacOSX 以外にも、様々なオペレーティング・システムで動作する。

Firefox には、パスワード保存の機能がある。 ユーザ名とパスワードを打ち込んだ時に、それらを記憶するかどうか問い合わされることがある。

出席ボタン、パスワードの保存

この時、パスワードを記憶しないことを推奨する。どうしても使いたい時には、 仕組みを理解し、「マスターパスワード」を設定し、暗号化して記憶すること。

◆Safari

MacOSX Safari の icon MacOSX に付属しているブラウザ。 iMac で Firefox がうまく動作しない時の対処方法が書かれているページを表示する時に使える。

■実習

実習時間中に以下の項目をできるだけたくさんやりなさい。 (全部はやらなくてもよい。)

★練習問題(101) TAの利用

実習時間中にTAになにか質問しなさい。 (本日の課題の回答に必要になる。)

★練習問題(102) 入室・退室

学生証で実習室に入室しなさい。

★練習問題(103) ログイン画面での Caps Lock の確認

そこで、次のようなキーを押して、表示がどのようになるか確認しなさい。

★練習問題(104) ログインとログアウト

手引き 1.1節 参照 コンピュータを使い終わった時もログアウトを忘れないこと。

★練習問題(105) Dockの確認

ログイン後に、Dock がウインドウの下に現れることを確認しなさい。 手引き V-VII 参照

★練習問題(106) システム環境設定の実行と終了

★練習問題(107) マウスの設定

iMac のマウスは、ボタンがないように見えるが、マウス全体を押すとボタン として動作する。さらに、設定により3ボタン・マウスとして動作する。

★練習問題(108) Spotlight のショートカット・キーの解除

Spotlight とは、MacOSX に付属の検索ツールである。標準で簡単に実行できる ようにするために、キーボードで複数のキーを打つ(ショートカット・キー) が設定されているが、コンピュータ・リテラシの授業ではこのキーの組み合わ せが不都合なことが多い。 次の手順で、この設定を解除しなさい。

★練習問題(109) Firefoxの実行と終了

Dock から Firefox を実行しなさい。手引き 4.1節 参照

Firefox を終了しなさい。 左上の「Firefox」 のメニューをクリックしなさい。そして、メニューの一番 したの「Firefox を終了」をクリックする。

★練習問題(110) URLの打ち込みによるWebページの表示

Firefox で、URL をキーボードから打ち込むことで Web 学類のホーム・ページを表示しなさい。URL は、 http://www.coins.tsukuba.ac.jp/ である。

URL を打ち込むには、いくつかの方法がある。

似たような URL の場合、一部だけを消して、一部をキーボードから 使いしてもよい。消したい部分の選択には、マウスによるドラッグも 使える。

★練習問題(111) この講義のホーム・ページの表示

この講義のホーム・ページを表示しなさい。 URL は、 http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2010/

いくつかの方法がある。

★練習問題(112) このページの表示

このページを表示しなさい。URL は、 http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2010/2010-04-13

★練習問題(113) 出席ボタン

この講義のホーム・ページにある「出席」のボタンを押しなさい。

出席ボタン、Coins Literacy Student Only?

URL に https: と www.coins.tsukuba.ac.jp が含まれていることを確認してか ら、ユーザ名とパスワードを打ち込みなさい。(確認できない時には、 coins のユーザ名とパスワードを打ち込んではならない。)

正しくユーザ名とパスワードを打ち込むと、学籍番号が表示される。このこと を確認しなさい。表示されない場合には、新城に連絡しなさい。自分の名前が、 漢字、または、かなで表示されることを確認しなさい。

Firefoxの説明で述べたような パスワード保存の機能が働くかを確認しなさい。 この機能が働いた場合、今日の時点ではパスワードを記憶しないことを推奨す る。この機能を利用したい時には、暗号の仕組みと「マスターパスワード」の 意味を理解しなさい。

★練習問題(114) 学類コンピューティング環境/内部情報の表示

情報学類/情報科学類コンピューティング環境(coins/ce)の Web ページを表示しなさい。 次の2種類ある。
通常版 http://www.coins.tsukuba.ac.jp/ce/ ((s) がない)。
誰でもアクセスできる。学類トップ−>授業関連−>コンピューティング環境。
内部情報 https://www.coins.tsukuba.ac.jp/ce/ ((s) がある)
学類内限定。coins のユーザ名とパスワードが必要。 学類トップ−>授業関連−>コンピューティング環境−>内部情報。
後者にブラウザを実行してから最初にアクセスする時には、 出席ボタンと類似のポップアップ・ウインドウが表示される。 類似の注意を払い、ユーザ名とパスワードを入力しなさい。

★練習問題(115) その他のページの表示

次のようなページを表示しなさい。 この時、次のような方法を使いなさい。 https: で始まるページでは、通信相手が本物であること(Web ブラウザが警告 を発しないこと)を確認しなさい。

★練習問題(116) Firefoxの「ホームページ」の設定

Firefoxでは、実行した直後に一番最初に表示されるページを「ホームページ」と呼ぶ。

ホーム・ページを自分が好きなページに変更しなさい。 手引き 4.1.6項 参照

★練習問題(117) Firefoxのさまざまな機能

Firefox で、次の機能を利用してみなさい。

★練習問題(119) Safariの実行と終了

Web ブラウザとして、Safari を実行してみなさい。

★練習問題(120) 筑波大学統一認証システムの利用

筑波大学統一認証システムの Web ページを開きなさい。 登録情報確認で、自分の ID が登録されていることを確認しなさい。

★練習問題(121) 筑波大学統一認証システムによるパスワードの変更

筑波大学統一認証システムで、パスワードを変更しなさい。 パスワードを変更する時には、次の点に注意しなさい。 パスワードを変更した場合、それが有効になるまで時間がかかる(約5分)ことが ある。たとえば、パスワードを変更した直後に、iMac にログインすると古いパ スワードが有効なことがある。

★練習問題(122) Twinsへの接続

筑波大学で履修申請や成績確認は Twins という Web サイトを用いる。 URL は、https://twins.tsukuba.ac.jp/
(注意: www. がない。https: ではじまる。 (http: ではなく、sがある。))

次のような操作を行いなさい。

■課題1 コンピュータリテラシとは、規約、パスワード、Webブラウザ

コンピュータリテラシとは、規約、パスワード、Webブラウザ
Last updated: 2010/04/13 16:54:25
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>