システムプログラム(第0回): Unixコマンドによるファイルの整理

                                       筑波大学 システム情報系 情報工学域
                                       新城 靖
                                       <yas@cs.tsukuba.ac.jp>

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http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~syspro/2023/
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/

■Unixコマンドによるファイルの整理

ホーム・ディレクトリ ~、デスクトップ、書類、ダウンロード等のディ レクトリに、多くのファイルを放置することはよくない。ディレクトリを作成 し、整理すべきである。 1つの目安は、ls コマンドで 1画面に入らない時には分割する。

◆ファイルとディレクトリの操作の復習

ファイルを操作する基本的なコマンド
ls
ls -l
ls -ld
ls -a
ls file1 file2
ls file*

mkdir dir
rmdir dir

cp file1 file2
cp file1 file2 dir1
cp dir/file1 .

mv file1 file2
mv file1 file2 dir1
mv dir/file1 .

rm file1 file2

◆rm コマンドの -i オプション

rm コマンドには、-i オプションがあり、ファイルを消すかどうかを対話的 (interactive)に y/n で聞いてくる。消してもよい時には、y と答える。

$ ls -l [←]
total 1
-rw-r--r--  1 yas  prof  2  6 15 21:48 file1
$ rm -i file1 [←]
remove file1? y[←]
$ ls -l [←]
$ []

シェルスクリプトや bashのエイリアス で、rm を自動的に rm -i に変えることは、一般的には勧められない。「rm -i [←] y」という操 作が、一連の操作として身に付いてしまうので。

◆rm コマンドの -f オプション

rm コマンドは、書き込みできないファイル(モードが r--r--r-- の様に w が ないファイメッセージ) を削除しようとすると、-i オプションをつけていなく ても利用者に問い合わせてくる。これに対して y と答えると削除される。
$ ls -l [←]
total 1
-r--r--r--  1 yas  prof  2  6 15 21:44 file1
$ rm file1 [←]
override r--r--r--  yas/prof for file1? y[←]
$ ls -l [←]
$ []
書き込みできないファイルでも、-f オプション(force) をつけると、rm コマ ンドは、利用者に問い合わせることなく黙って削除する。
$ ls -l [←]
total 1
-r--r--r--  1 yas  prof  2  6 15 21:53 file1
$ rm -f file1 [←]
$ ls -l [←]
$ []

◆ファイルサーバによる自動バックアップ

coins のホームディレクトは、ファイルサーバにより自動的にデータのバックアップがなされている。 rm コマンドで削除したファイルも、約1週間以内なら復元できることがある。 手引き 10.12 間違えてファイルを消してしまった 参照

◆rm -r

rm コマンドに -r オプションをつけると、指定されたディレク トリ以下の全てのディレクトリを削除する。
$ rm -r dir [←]
rm -r でも、書き込みできないファイルが含まれている時には、利用者 に問い合わせる。そのような問い合わせを行うことなく強制的に削除したい時 には、 -f オプション をつけることもできる。
$ rm -rf dir [←]
rm -rは非常に危険なので、細心の注意にはらって実行すること。
Last updated: 2023/04/17 22:00:18
Yasushi Shinjo / <yas@cs.tsukuba.ac.jp>