人間とコンピュータの対話方法

共通科目情報処理(上級)、インターネットの仕組み、2005年12月06日

                                       電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>

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■人間とコンピュータの対話方法

人間の意思をコンピュータに伝えるには、次のような方法がある。
  1. マウス(ポインティング・デバイス)のクリック、ダブルクリック、ドラッ グなどの操作を使ってメニューやボタンを選ぶ。
  2. キーボードでいくつかの文字を打ち込む。最後にリターン・キーを押すと、コ ンピュータは反応す。
  3. キーボードで1文字だけ打つ。リターン・キーを押さなくても、コンピュータ は応答す。
マウスを使う方法は、人間にとってわかりやすい。キーボードを使う方法 では、人間の意思を効率的にコンピュータに伝えることができる。ただし、 このためには、人間がキーボードの配列を覚える必要がある。

同じコンピュータでも、どのプログラムが動いているかによって、上のどの方 法が使えるかが変化する。また同じプログラムでも、局面に応じて上のどの方 法が有効が違うことがある。初期のコンピュータと比較して、最近のコンピュー タは、マウスだけで操作できる部分が大きくなってきている。しかし、電子メー ルを打ったり、文書を書いたりする局面では、キーボードを中心に使う方が、 マウスとキーボードの間での手の移動が少なくなるので、効率がよい。

次のような状態の時に、2の状態になる。

◆シェル

シェルとは、オペレーティング・システムの構成要素の1つである。シェルは、 オペレーティング・システムの中心部分を貝殻のように包みむプログラムであ る。シェルは、人間とコンピュータが対話(interaction)をする時に重要な 機能を果たす。

Windows では、Explorer という名前のプログラムがシェルに相当する。 Macintosh OS では、Finder という名前のプログラムがシェルに相当する。 Unix (Linuxを含む) では、sh, csh, bash, tcsh, zsh などさまざまな種類の シェルを使うことができるようになっている。X ウインドウを使っている状態 (マウスが使える状態)では、ウインドウ・マネジャと呼ばれるプログラムも、 シェルとしての働きがある。

◆シェルの実行と終了

X ウインドウで端末(ktermを含む)を実行したり、TeraTerm 等の遠隔ログイン のプログラムでサーバに接続すると、tcsh が動いている状態になっている。

tcsh が動いている時には、コンピュータの画面には、「ran10」のような記号 が表示される。この記号は、tcsh が人間に対して、コマンド(command、命令) の打込みをうながしている(prompt)印である。この状態で、キーボードからコ マンド名(命令の名前)を打ち込み、最後にリターン・キー(Enter, [←])を打つと、tcsh がそれを受け取り、実行する。ここでコマンド名は、 多くの場合、プログラムの名前(プログラムが保存されているファイルの名前) である。

以下の説明では、プロンプトが「% 」であるものとする。(設定で変更するこ ともできる。)

tcsh を終了するには、プロンプトに対して、「exit [←]」と打つ。

% exit [←]

◆コマンド名、オプション、引数

シェル(コマンド・モードの画面)を操作するには、次のような形式で文字を 打ち込み、最後にリターン(Enter, [←])を打つ。
% コマンド名 オプション1 オプション2 ... 引数1 引数2 .. [←]

コマンド名に続く オプション(option)とは、コマンドの動きを少し変えるた めの文字列(文字の並び)である。オプションは、一般には付けても付けなく てもコマンドの働きとしては成り立つ。引数(ひきすう、argument,parameter) は、コマンドの種類によっては、必ず必要となるものである。ただし、オプショ ンと引数の区別は、必ずしも厳密ではなく、混同して使われることもある。 (例:必須のオプション)

コマンド名やオプションや引数は、空白で区切る。空白の有無で、まったく動 作が変る。

たとえば、次の行は、「whoという名前のコマンドを、オプションも引数も無 しで実行する」という意味する。

% who  [←]

◆同時実行

tcsh で、伝統的な Unix のコマンドを使っている場合、プログラムの実行結 果が、同じ端末のウィンドウの中に文字として表示される。しかし、netscape のように、X Window の機能を使って別のウィンドウに結果を表示するプログ ラムもある。そのようなプログラムを実行する時には、次のように打つとよい。
% コマンド名 オプション1 オプション2 ... 引数1 引数2 ..  & [←]
% [←]
このように、行末に「&」を打ち、リターン・キーを打つ。 こうすると、実行したプログラムが動いている間も、「% 」に対して別のコマ ンドを与えることができる。

◆単純なコマンド

このページでは、安全で、使い方が簡単なコマンドをいくつか紹介する。安全 とは、間違った操作をしたとしても、ファイルが無くなるといったことが起き る心配がないという意味する。

ls, ls -l
ファイル名の一覧の表示
w, whodo, who
ログインしている人の一覧の表示
ps, ps -l
プロセスの一覧の表示
cal, cal 2005, cal 12 2005
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今日の日付の表示
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Last updated: 2005/12/06 02:14:44
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>