2011年04月22日
情報科学類 コンピュータリテラシ
筑波大学 システム情報工学研究科
コンピュータサイエンス専攻, 電子・情報工学系
新城 靖
<yas@is.tsukuba.ac.jp>
このページは、次の URL にあります。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2011/2011-04-22
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/
- The Unix Super Text 上巻「第2章 コンピュータって何」, 下巻「第56章
数と文字の表現」参照。
-
次回 4月26日火曜日
は、講義室 3A308 に集合。
- 手引き(教育用計算機システム使用の手引き)を持って来る。
- The Unix Super Text 上巻 3章, 6章, 12.1節, 12.2節, 12.3節を読んで来る。
- 手引きの 2.1節, 2.2節, 3.1節, 3.2節 を読んで来る。
- パスワード。必ず安全なものを付ける。
調べれば分かるものをつけない。一人だけの問題ではない。
紙に書かない。覚えるかパスワード管理プログラムを使う。
- ログインの意義。必ずログアウトすること。
- World Wide Web とハイパーテキスト。
- URL は、本当は難しい。
教科書を読む宿題は、教科書を読み、その中に記述されていることを簡単にま
とめること。単に一般的な回答を求めているのではない。
コンピュータは、情報を扱うための機械。
情報や情報処理の定義は、けっこう難しい。
新城の定義。情報とは、コピーしても同じものと思えるもの。物は、コピーす
ると別のものになる。お金は、情報だがコピーしてはいけない。
新城の定義(その2)。情報とは、情報処理の対象となるもの。情報処理とは、
次の3つ。
- 計算(computation)
-
数の加減乗除、文字列の比較・置き換え、選択など。
プログラミング言語でできることは、主にこれ。
メモリ中のものしか計算の対象にならない。
CPUは、メモリ中のデータしか書き換えられない。
- 通信(communication)
-
データをあるコンピュータ(プロセス)のメモリから別のコンピュータ(プロ
セス)のメモリにコピーすること。
- 記憶(storage)
-
「整理」して、永続的な記憶にコピーする。
実際には、いろいろな要素が混じって、厳密には分類不可能。
- 記憶媒体を移動させる/共有すると通信になる。
- 通信内容を保存することもできる。
- 情報を「ビット列(ビットの並び)」に変える(符合化)。
- ビット列を、プログラムに従って処理(計算、通信、記憶)する。
- プログラムもまたビット列として与える。
内部でどうやっているかは、よくわからない。
外から見える人間の情報処理
- 計算(computation)
- 数の計算。1+2=3。
- フィルタリング。必要な情報を選び出す。
- 通信(communication)
- 電話する。
- 黒板に字を書く。
- マスメディアを使う。テレビ、新聞、放送。
- 直接会って会話する。ボディ・ランゲージ。non-verbal (非言語的)
- 記憶(storage)
人間の対話では、実は、non-verbal 的な情報(文字にならない情報)のやり取り
が多い。非言語的な情報は、コンピュータで扱うことは苦手。
講義内容も、印刷された資料/Webの資料の情報量よりも非言語的な情報が多い。
The Unix Super Text 2章 参照。
- ハードウェア
- CPU, メモリ, ハードディスク、キーボード、マウス、ディスプレイ、ネットワーク
- ソフトウェア
- アプリケーション・ソフトウェア
- WWWブラウザ
- 電子メール・リーダ
- ワードプロセッサ
- ゲーム
- システム・ソフトウェア
- オペレーティング・システム
- プログラミング言語処理系
- ネットワーク・プロトコル通信プログラム
- データベース
ハードウェアは、分解するすると目に見える。
ソフトウェアは、(有用な)ビット列(ビットの並び)。目に見えない。

図? ハードウェアの構成要素
- メモリ(メインメモリ)、RAM(Random Access Memory)
- 実行中のプログラムを保持する。加工するデータを一時的に保持する。
IC(Integrated Circuit、シリコンという元素による半導
体で作られた電気回路)で作られているので、速い。
容量は、ハードディスクよりは小さい。値段が高い。
(揮発的(電源を切ると消えてしまう)。)
- ハード・ディスク (HD(Hard Disk), HDD(Hard Disk Drive))
- プログラムやデータをデータを保持する。
容量は、メモリより大きい。値段が安い。
(永続的である(電源を切っても残っている)。)
保存する==書く、取り出す==読む
ディジタル・コンピュータであつかえる情報の最小単位。
1ビットの情報で表現できること
1ビットでは、あまり大したことはできないので、複数ビットまとめて(ビッ
トの並び、ビット列)にしてあつかう。
コンピュータでは、8ビットをまとめて扱うことが多い。
8ビット==1バイトという。
1バイトあるとできること
- 英語のアルファベット、大文字小文字、数字、記号など1文字
- 0から255までの数
- 白から黒まで256階調の濃淡
- キーボードのキーの区別(256個まで)
メモリには、数字で番地(アドレス)が付いている。
バイト単位で番地がついているコンピュータが主流。
番地を指定して、1バイトのデータを保存したり、番地を指定して1バイトの
データを取り出せたりする。
あるコンピュータで最も効率よく計算できるビットの数。コンピュータによっ
て異なる。32ビット(4バイト)のものが多い。
ハードディスクなどの記憶媒体とは、1ビット単位や1バイト単位では情報を
読み書きできない。もっと大きな単位でしか読み書きできない。
入出力する単位をブロックと呼ぶ。
1ブロックは、512バイト〜8192バイトが多い。
記憶媒体によって違う。
CPU (Central Processing Unit、中央処理装置、中央演算装置)は、コンピュー
タの計算を行う部品である。プロセッサ(processor)、
MPU (Micro Processing Unit) と言われることも
ある。
CPU は、内部に
数が少ないが、計算の中間結果を置くための高速な
小容量の記憶のための部品(レジスタ)と
計算のための部品(ALU、Arithmetic Logic Unit)を持つ。
CPU は、次の動作を、ひたすら繰り返す
- メモリから命令を取り出す。命令を取り出す
番地を保持しているレジスタをプログラム・カウンタと
いう。命令を取り出すとプログラム・カウンタを増やす。
- 命令に従い、次のような動作を行う
- メモリからレジスタにデータをコピーする。
- レジスタからメモリにデータをコピーする。
- レジスタとレジスタの内容を、ALU をつかって計算し、レジスタに保存する。
- プログラム・カウンタの値を、
単純に増やすのではなく、
指定された番地に設定する。
CPU は、メモリ(主記憶)に入っいているプログラムに従って、やはりメモリ
(主記憶)に入っいているデータを操作する。CPU が実行できるプログラムは、
機械語と呼ばれる。
CPU の種類によって、プログラム(機械語)が違う。
プログラム(ソフトウェア)を買う時には、CPU の種類に気をつける。
- PowerPC
- x86 (Intel Core, Pentium, AMD64)
- SPARC
CPU は、コンピュータの速度を決める重要な要素となる。
(CPUだけ速くても他の部品が遅いと、全体として遅くなることがある。)
CPUが速いほど、計算は速い。CPUの速さは、クロックの周波数(単位は、Hz)を
目安にできる。たとえば、2GHz の CPU は、1GHz の CPU の2倍の速度が
出ると期待できるが、実際には周波数以外の技術で高速化がなされることも
多い。CPU の種類が違うと周波数の比較の意味はない。
- 四則演算(+、−、×、÷)
- ビット演算
- 論理演算(and, or, not, exclusive or)
- シフト、ローテート
- 条件分岐
- コピー
コンピュータでは、
「×」を「*」、「÷」を「/」で表記することが多い。
日を改めて。
情報量の単位。
- ビット(bit,b(小文字))
- コンピュータで扱う情報の最小単位。
- バイト(byte,B(大文字))
- 欧米(ASCII, Latin-1)なら1文字を扱える情報量。
1バイトは、8ビットに等しい。
情報量の単位、ビットやバイトには、次のような係数とともに使われる。
- K (キロ(kilo-)、ケイ)
- 1 K == 1000 または 1024
- M (メガ(Mega-))
- 1 M == 1000 K または 1024 K または 1,000,000 (100万)
- G (ギガ(Giga-))
- 1 G == 1000 M または 1024 M または 1,000,000,000 (10億)
- T (テラ(Tera-))
- 1 T == 1000 G または 1024 G または 1,000,000,000,000 (1兆)
- P (ペタ(Peta-))
- 1 P == 1000 T または 1024 T または 1,000,000,000,000,000 (1000兆)
- E (エクサ(Exa-))
- 1 E == 1000 P または 1024 P または 1,000,000,000,000,000,000 (100京)
1024 == 210
慣れないうちは空間や距離の感覚に置き換えるとよい。
- 1 ビット
- 白と黒の区別
- 1 バイト (8ビット)
- ヨーロッパ系文字 1 文字。256色。
- 2 バイト (16ビット)
- 日本語の漢字 1 文字。60000色。
- 3 バイト (24ビット)
- 1677万色(2の24乗)。コンピュータのモニタの画素の色数。
- 4 バイト (32 ビット)
- 現在広く使われているコンピュータが
一度に計算できる情報量。整数なら40臆程度まで。
- 256 ビット (32バイト)
- 16ドット×16ドットの白黒の画像(ビットマップ)で
漢字 1 文字を表現した時の情報量。
- 数 k バイト
- 典型的な電子メール1通の大きさ。数千文字。
- 8k バイト (8000 バイト、64 k ビット, 64,000 ビット)
- 1秒間に電話の品質で音声を記録した時の情報量。
- 1 M バイト (1,000,000 バイト, 8,000,000 ビット)
- フロッピディスク1枚に保存できる情報量。
- 256M バイト〜8GB バイト
- 典型的なパソコンで、一度にメインメモリに入る量(構成によって違う)
- 640M バイト (640,000,000 バイト)
- CD 1 枚に保存できる情報量。
- 4.7G バイト (5,000,000,000 バイト)
- DVD 1 枚(片面1層)に保存できる情報量。
- 16M-64G バイト
- USBフラッシュメモリ, SD(SDHC)カード 1 個に保存できる情報量。
- 25-50G バイト
- Blu-ray Disc 1 枚に保存できる情報量。
- 50 G バイト〜2T バイト
- ハードディスクの容量(構成によってかなり違う)
コンピュータで扱えるように、情報をビット列(符合、コード)に対応さ
せる。
The Unix Super Text 下巻56章 参照。
- 数の意味(数値、数)
- 「2」、「二」、「II」と書いても同じ
- 数の表現
- 「2」、「二」、「II」は意味は同じでも表現は違う
0、1、2、・・・の表現を考える。
有限の文字(数字,digit)の組み合わせが便利。<−>(one,two,...,ten,eleven,twelve,thirteen,...)と対比して。
- n進法
- n個の数字で数値を表現する方法
- n進数
- n進法で表現された数字
- 基底(base)
- n進法のn。基底自身は10進法で表現するのが普通。
表現:
意味:
表現: 101
意味:
表現: 101
意味:
n=8, n=16の意味。2進数で3桁、4桁をまとめて表す。
16進数では、10進数の10〜15を表すのに、A〜Fを使う。
16進数を表すのに、頭に 0x を付けることがある。C 言語の表記方法。
8進数を表すのに、頭に 0 を付けることがある。C 言語の表記方法。
16進数を転記する必要がでてくることがある。
- 漢字コード。漢字の打ち込み。漢和辞典との対応。
- World Wide Web での色の指定。
- IPアドレスやMAC (Media access control) アドレス。
ネットワークに接続されているコンピュータ1台1台についているアドレス。
次のような計算が必要になることがある。
- and, or, not
- 繰り上がりがないたし算(or)
- 繰り上がりがない引き算(and)
2進数 8進数 10進数 16進数
0 0 0 0
1 1 1 1
10 2 2 2
11 3 3 3
100 4 4 4
101 5 5 5
110 6 6 6
111 7 7 7
1000 10 8 8
1001 11 9 9
1010 12 10 A
1011 13 11 B
1100 14 12 C
1101 15 13 D
1110 16 14 E
1111 17 15 F
10000 20 16 10
100000 40 32 20
1000000 100 64 40
10000000 200 128 80
100000000 400 256 100
1000000000 1000 512 200
10000000000 2000 1024 400
100000000000 4000 2048 800
1000000000000 10000 4096 1000
10000000000000 20000 8192 2000
100000000000000 40000 16384 4000
1000000000000000 100000 32768 8000
10000000000000000 200000 65536 10000
方法1
- 2で割る。
- 余りを1番右の桁に書く。
- 商を2進数で表現して左につなげる。
方法2
- 上の表を見て、10進数の桁で大きなものから引けるものを引く。
- 1. で引けた2進数を全部加える。
方法1
- 16で割る。
- 余りを16進数で1番右の桁に書く。
- 商を16進数で表現して左につなげる。
方法2
- 2進数で表現する。
- 2進数の表現を16進数に変換する。
- 下位から4ビットごとに区切る。
- それぞれを16進数で書く。
整数と小数に分けられる。
ビット数によって、扱える範囲が違う。
- 1ビット (0-1)
- 2ビット (0-3)
- 3ビット (0-7)
- 4ビット (0-15)
- 8ビット (0-255)
- 16ビット (0-65535)
- 32ビット (0-4294967295)
- 64ビット (0-18446744073709551615)
正の数だけでなくて負の数も扱う時には、正か負かを表すために1ビット使う。
- 8ビット (-128-127)
- 16ビット (-32768-32767)
- 32ビット (-2147483648-2147483647)
- 64ビット (-9223372036854775808-9223372036854775807)
普通は、2の補数という方式を使うので、負の部分が1つ大きい。
2の補数は、算盤で負の数を扱う時と同じ方法。
−nを、nを加えると、0(桁溢れ)になるよう。
The Unix Super Text 56.1.2節 参照。
表記する時には、小数点を使う。
表現:
(小数点の左側に m 桁、右側に i 桁)
意味:
整数は、任意の進法で正確に表現できるが、小数は表現できないことがる。
コンピュータの内部で、小数を2進法で扱う方法が主流だが、
会計分野等で10進法で扱う場合もある。
- 固定小数点(fixed point)。
- 浮動小数点(floating point)。
固定小数点は、ドルを考えるとわかる。整数 100 を、1 と思う。
小数を次のように考え、
指数部 e と小数部(仮数部) f の整数の組で表現する。
f × b e
b は、2 が使われることが多い。(10 が使われることも、16 が使われることも
ある。)
浮動小数点に関して、標準規格(IEEE 754)がある。b=2。
単精度(float)は、全体で 32 ビット(符号(正負)1ビット、f に 23ビット、e に 8 ビット)。
倍精度(double)は、全体で 64 ビット(符号(正負)1ビット、f に 52ビット、e に 11 ビット)。
直接利用できるプログラミング言語もある。
数の計算でも、コンピュータは、間違えることがある。
- 整数や固定小数点では、表せる範囲に注意する。たとえば、32ビットだ
と、40億ちょっとまでしか表せないので、国家予算の計算には使えない。
- 浮動小数では、計算の誤差に注意する。表せる範囲内(指数部で決まる)
であったとしても、計算の途中に誤差が生じる(小数部の桁が溢れる)。特に、
加減算で精度が落ちる。
その前に、そもそもプログラム(コンピュータを制御するための手順)は人間
が作ったものである。
- bcコマンドで obase, ibase を設定する。The Unix Super Text 56.1.7節 参照。
- スクリプト言語の printf() を使う。
- デバッガの表示機能を使う。
The Unix Super Text 下巻56章 参照。
利用する文字を明確に限定したも。
コンピュータとは関係ない文字集合
文字の符号化(encoding)とは、文字とビット列(または整数)を対応させるこ
とである。対応のさせかたには何種類もある。
A 1
B 2
C 3
...
Z 26
モールス符合。
あ 11
い 12
う 13
え 14
お 15
か 21
...
さ 31
...
英語のアルファベット(大文字、小文字)や数字や記号などの文字を符号化す
るために、現在もっともよく使われている対応表は、ASCII(American
Standard Code for Information Interchange)。
国際標準としては、ISO 646。
英文の電子メール、C言語のプログラミングなどで使われている。
ASCII というと、符号化の方法だが、文字集合を意味することもある。
文字集合では、ASCIIのうち印刷可能な94文字を意味する。ASCII では、
印刷可能な文字以外に、印刷できない制御文字も定義している。
ASCII では、7ビットで文字を表現している。10進では0から127,
16進では 0 から 7F までである。
ASCII コード表
+---------------------------------------------------------------+
| 00 NUL| 01 SOH| 02 STX| 03 ETX| 04 EOT| 05 ENQ| 06 ACK| 07 BEL|
| 08 BS | 09 HT | 0A NL | 0B VT | 0C NP | 0D CR | 0E SO | 0F SI |
| 10 DLE| 11 DC1| 12 DC2| 13 DC3| 14 DC4| 15 NAK| 16 SYN| 17 ETB|
| 18 CAN| 19 EM | 1A SUB| 1B ESC| 1C FS | 1D GS | 1E RS | 1F US |
| 20 SP | 21 ! | 22 " | 23 # | 24 $ | 25 % | 26 & | 27 ' |
| 28 ( | 29 ) | 2A * | 2B + | 2C , | 2D - | 2E . | 2F / |
| 30 0 | 31 1 | 32 2 | 33 3 | 34 4 | 35 5 | 36 6 | 37 7 |
| 38 8 | 39 9 | 3A : | 3B ; | 3C < | 3D = | 3E > | 3F ? |
| 40 @ | 41 A | 42 B | 43 C | 44 D | 45 E | 46 F | 47 G |
| 48 H | 49 I | 4A J | 4B K | 4C L | 4D M | 4E N | 4F O |
| 50 P | 51 Q | 52 R | 53 S | 54 T | 55 U | 56 V | 57 W |
| 58 X | 59 Y | 5A Z | 5B [ | 5C \ | 5D ] | 5E ^ | 5F _ |
| 60 ` | 61 a | 62 b | 63 c | 64 d | 65 e | 66 f | 67 g |
| 68 h | 69 i | 6A j | 6B k | 6C l | 6D m | 6E n | 6F o |
| 70 p | 71 q | 72 r | 73 s | 74 t | 75 u | 76 v | 77 w |
| 78 x | 79 y | 7A z | 7B { | 7C | | 7D } | 7E ~ | 7F DEL|
+---------------------------------------------------------------+
たとえば、「ABC」という3文字は、コンピュータの内部では、41 42 43 (16
進)と表現されている。「123」という3文字は、31 32 33 (16進)と表現さ
れている。このように、文字と数字は違う。「1」という文字が数値と
しは16進で 31 (10進では48) と表現される。
ASCII コード表で、16進で 00 から 1F と 7F は、普通の文字ではない。
これらは、制御文字(control character,制御コード)と呼ばれている。
制御文字は、通信速度の制御に使ったり、行末を表わしたり文字を
消したりするのに使われる。キーボードで、Control-A と打つと、制御文字
を打ったことになる。
重要な制御文字
0D (CR, Carriage Return)
- 復帰(リターン)
0A (NL, New Line)
- 改行
09 (HT, Horizontal Tab)
- 水平タブ
08 (BS, Back Space)
- 後退
1B (ESC, Escape)
- エスケープ
7F (DEL, Delete)
- 削除
ASCII のバックスラッシュ 「\ (16進数で5C)」は、日本語のJISローマ字文字
集合で円記号「¥ (16進数で5C)」と同じ値になっている。
8ビット符号。
20(16進)から7F(16進)までは、ASCII と同じ。
西ヨーロッパでよく使われている。
0 から 255 (0x00-0xFF) に英数字とカタカナを割り当てたもの。
英字部分は、ほとんど同じだが、5C (16進数) と 7E が違う。
94 区 × 94 点の 8836 の空間を使う。
漢字は、第一水準 2965 文字、第二水準 3384 文字、追加、6文字を含む。
その他に、ギリシャ文字、キリル文字、経線素片、記号を含む。
「補助漢字」とも呼ばれる。5801文字の漢字とその他の記号を含む。
第三水準、第四水準を定義して、JIS X 0208 と合わせて 11223 文字が表せる。
- 韓国 KS X 1001
- 中国 GB 2312
- 台湾 CNS 11643, Big-5
- Unicode 。世界の主要文字を 16 ビットの範囲内でまとめることを目指し
て作成したもの。結局、16 ビットでは足りなくなり、
Unicode 4.0 では、96,382 文字を含む。
Unicode 4.0 は、国際規格 ISO 10646:2003 と文字集合としては、同じ。
文字集合は、コンピュータの内部に取り込まなくても意味がある。
ある文字集合に含まれる文字を、コンピュータの内部に取り込んで処理するためには、
文字をどのようなビット列(整数)で表すかを決める必要がある。
このビット列での表し方を決めたものがエンコーディング。
ASCII は、7 ビットであるが、1バイト(8ビット)にそのまま入れる。
(1ビット無駄になるが気にしない。)
Latin-1 は、1バイト(8ビット) なので、そのままメモリに入れる。
日本語の場合、次のエンコーディングがよく使われる
エンコーディング | 文字集合 |
JISコード | JIS X 0208, JIS X 0208, JIS X 0212 |
EUC-JP | JIS X 0208, JIS X 0208, JIS X 0212 |
Shift_JIS | JIS X 0208, JIS X 0208 |
UTF-8 | Unicode |
注意
- "JIS" は、エンコーディングと文字集合で意味が違う。
- 同じ文字集合の間では、エンコーディングは相互に変換できる。
JISコード、EUC-JP、Shift_JIS は、相互変換できる。
- 文字集合が違う場合、エンコーディングの変換は部分的にはできる。でき
ないものもある。
JISコードと UTF-8 では相互変換できない文字がある。
変換プログラムが不完全なことも多い。
文字集合ASCII, JIS X 0201, JIS X 0208, JIS X 0212 を切り替えながら表現
する。切り替えるためのマークを、エスケープシーケンス(Escape Sequence)と
いう。
ASCII, JIS X 0201 は、エスケープシーケンスを挟んで
そのまま使う。
JIS X 0208, JIS X 0212 については、区番号と点番号に 10進で32、
16進で20を加える。
参考:
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/classes/ipe/nitiniti2-enshu-1996/1996-11-18/kanji-code.html
- 漢字コードに関する解説
漢和辞典では、JIS漢字コードを目にすることがある。
旺文社漢和辞典より。1986年。ISBN 4-01-077522-X。
残念ながら、漢字コードから漢字が引けない。
現在、かな漢字変換が主流だが、読み方がわからない時、かな漢字変換用辞書
に載っていないときには漢字コードで指定することもできる。
MacOSX では、「文字ビューア」も使える。
文字を符号化することには、いくつかの意義がある。
- 記憶に要する場所の節約になる(画像で表す方法と比較して)。
- 表示の書体(フォント)、字の大きさを自由に変えることができる。
- 誰が作っても同じ文字は同じ文字として比較することができる。
比較できることは、検索の時に便利。画像では検索しにくい。
逆に文字を符号化してしまうと、個人の性質を出したい時には、問題がある。
たとえば、署名やラブレター。
文字の符号化には、何種類もある。符号化の方法を知らないと「文字化け」を
起こす。
コンピュータ上では同じビット列でも、文字コードの違いにより解釈が異なる。
この場合、「文字化け」を起こす。
文字化けを起こした時には、解釈方法(文字コード)切り替えてみると直るこ
とがある。
放課後などに実施してください。
システムプロファイラ.app (System Profiler.app)を実行して、
実習で使う iMac の CPU の速度やメモリ量を調べなさい。
- Dock (画面の一番下のアイコンの並び)で、Finder のアイコンをシング
ルクリックを選ぶ。一番上のメニーバーで、左上のリンゴの絵の右に、
「Finder」と表示される。
- 「ファイル」メニューから「新規 Finder ウインドウ」を
選ぶ。(「ファイル」をクリック、ポインタを 「新規 Finder ウインドウ」 に
会わせて会わせてクリック。)
- 「移動」メニューから「ユーティリティ」を選ぶ。
- 表示の中から「システムプロファイラ.app」のアイコン(絵の部分)をダブル
クリックする。
- 「ハードウェア」の項目を表示させ、次の項目を調べる。
- CPUの種類(プロセッサ名)
- CPUのクロックの周波数(プロセッサ速度)
- CPUの数(プロセッサ数、コア数)
- メモリの容量(メモリ)
- バス速度
- 終了するには、「システムプロファイラ」メニューから「システムプロファイラを終了」を選ぶ。
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bcコマンドで obase,ibase を設定することで、基数変換を行いなさい。
The Unix Super Text 56.1.7節 参照。
スクリプト言語 Ruby の printf() を使って、基数変換を
行ってみなさい。以下の例は、10進数の100を
16進数で表示したものである。
$ ruby -e 'printf("%x\n",100)'
64
$
%x
は、16進数。%d
は、10進数。%o
は、8進数。
デバッガ gdb の表示機能(p)を使って、基数変換を行いなさい。以下の例は、
10進数の100を16進数で表示したものである。
$ gdb
(gdb) p/x 100
$1 = 0x64
(gdb) quit
$
MacOSX の文字ビューアを使いなさい。
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図? MacOSXの文字ビューア
Dock にある「システム環境設定」の絵(アイコン)を、
クリックして実行する。
- 「言語とテキスト」ボタンをクリックして選ぶ。
- 「入力ソース」タブをクリックして開く。
- 「キーボードビューアと文字ビューア」の左側のチェックを入れる
(既に入っている時にはそのまま)。
- 「システム環境設定」を終了する。一番上のメニューバーの「システム環
境設定」メニューから「システム環境設定を終了」を選ぶ。
- 一番上のメニューバーの右側(時刻の左)にある「A」または「あ」を
クリックする。すると、以下のようなメニューが表示される。
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- 「文字ビューアを表示」を選ぶ
- 表示メニュー「コード表」を選ぶ
- 「その他のエンコーディング」タブで「X0213区点表」を選ぶ
- 「文字ビューアを表示」を終了するには、
「文字ビューア」のウィンドウの左上にある赤い丸をクリックする。
課題3
ハードウェア、メモリ、数、文字の表現
図? システムプロファイラによる iMac G5 の CPU種別、速度、メモリ量の等の表示
Last updated: 2011/04/26 11:37:34
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>