2011年04月15日
情報科学類 コンピュータリテラシ
                                       筑波大学 システム情報工学研究科 
                                       コンピュータサイエンス専攻, 電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>
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	http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/
教室、実習室、履修申請時の科目番号を間違えないように注意する。
教室、実習室、履修申請時の科目番号を間違えないように注意する。
-  担当教員
 -  新城 靖
 -  教室
 -  3A308
 -  実習室
 -  3C205
 -  科目番号
 -  GB1 0621, GB1 0633
 
-  次回 4月19日火曜日
 は、
講義室 3A308 に集合。
 -  手引き(教育用計算機システム使用の手引き)を持ってくる。
目次より前の部分(IからX)、1章、4.1節
を読んでくる。
 -  The Unix Super Text 上巻
1章、3章、28.1節、28.2節、17章
を読んでくる。
 
-  リテラシ(literacy)
 -  読み書き(そろばん)、江戸時代なら
 
日常生活を営む、大学で学ぶ上で、知るべきこと
-  自然の仕組み
 -  人間が決めたこと
-  文字
 -  計算、道具を使う計算
 -  コンピュータ
 -  ネットワーク
 -  規則
 -  ガイドライン
 -  エチケット
 
 
大学と専門学校の違い。
Gerald M Weinberg: "Psychology of Computer Programming",
Van Nost. Reinhold (1972). ISBN: 0442292643
ジェラルド・M・ワインバーグ: "プログラミングの心理学", 技術評論社
(1994). ISBN: 4-7741-0077-3
「教育」とは一般的な原理、技能の獲得をいい
「訓練」とは個別的技能の獲得をいう。
...
だがもっと重要なのは、教育は何らかの訓練を前提としなければ起こり得ない
可能性がある、ということだ。
本質的なこと、一般的な原理、10年持つ知識。
例:ワードプロセッサ
-  個別技能: MS-Word で、文字を大きくして印刷するには、・・・。
 -  一般的な原理: 文書は木構造になっている。
スタイルという考え方がある(きれいに印刷できればよいというわけではない)。
 
この授業の内容は、全てインターネット上にある。
インターネットがあっても、この授業には意義がある。
-  インターネット上の内容は、玉石混淆(ぎょくせきこんこう)。
玉と石を区別するには、それを見分けるための基本的な力が必要になる。
石を信じてはいけない。
-  例:検索エンジンにキーワードを入れて、出てきた石を何も考えずにレポート
に貼ってはいけない。
 
 -  頭の使い方、考え方を鍛える。数学などと同じ。
 -  自分の頭を「キャッシュ」として使う必要がある局面がある。
 
大学の授業は、どれも自分の頭(キャッシュ(情報科学類の専門用語))に重要な
情報を入れること。
-  キャッシュ(cache)
 -  高速化のための小容量のメモリ。
-  CPU から見てメモリの遅さをカバーするための
非常に高速なメモリを置く。
 -  メモリから見てハードディスクの遅さをカバーするために、ハードディスクの
内容をメモリにコピーしておく。
 -  ネットワークを超えてデータを転送する遅さをカバーするために、ネット
ワークを超えて入手したデータをパソコン内のハードディスクにコピーしてお
く。
 
 
自分の頭をキャッシュとして使う
-  キャッシュに入れてないとどうしようもないことがある。
答えが期限に間に合わないと意味がないことがある。
例:明日までに答えが欲しい。
 -  小容量、脳の外部の記憶も会わせて使う活用する。
 -  キャッシュの内容は必ず古くなる。
 
-  高校まで
 -  教員の教えたことを100%理解する。試験で100点を取る。
 -  予備校
 -  大学入試で合格できるできる「最低点」を取る。
(最低点取れれば、それ以上はやるだけ損という考え方。)
 -  大学以降
 -  自分が身につけたい知識・技能を得る。
 
大学では、単に100点でも、単に最低点でも不十分。
-  授業の範囲を超えて、知識・技能を得ることを目標にすべきである。
 -  教員が間違ったことを教えているかもしれない。
(学問の進歩、世の中の情勢で定説が変わる。
定説ではないことも教えることがある。教員の裁量。
)
 -  自分の時間を大切にする。授業に出席しないで別の勉強をしてもよい。
(60点以上とらないと、単位は出ない。
60点取れる程度に勉強して、「別のこと」をしてもよい。)
 
注意:授業を欠席してアルバイトに行くと、コスト計算するとかなり損になる。
-  授業内容は、高校より 難しい。
 -  高校までの成功体験は忘れて新たな方法を探す必要がある。
 -  授業内容が自分にとって有益かを評価する。そうなっていない場合には、
そうなるように教官にフィードバックをかける。
 -  単に授業内容を100%理解するのではなく、発展的な課題を自分でさがす。
疑問に思ったこと、もっと詳しく知りたいと思ったことを意識して考える。
 -  ある部分より先は「わからない」部分が残る。「わからない」部分が現れ
ても、それはとりあえず置いておいて、止まらないで先に進む(大学4年間の
間には身につける)。
 
もっと大事なことは、授業にないことでも自分で課題を見つけて挑戦して行く
こと。
授業でカバーできないものは、インターネットと教科書を使う。
教科書(text book)は、玉を編纂したもの。
山口和紀, 古瀬一隆, 中村敦司, 新城 靖, 西山博泰, 林 謙一, 金谷英信, 鈴
木孝幸, 端山貴也: "新The UNIX Super Text 上・下", 技術評論社 (2003年3
月25日).  ISBN: 4774116823, 4774116831. 
年間授業料の1%。この内容は、4年間使える。
来年度、不要なら下級生に売ってもよい。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~jiro/literacy-11/,Aクラスの資料も使える
Teaching Assistant。教員を補佐する大学院の学生。遊ばしてはいけない。
-  (ネットワーク/図書館よりも)教官、TA、隣の人の援助をうまく引き出
す能力を身につける。
 -  今のコンピュータは、不完全である。
-  どこを改善すべきかを常に意識する。
 -  今の不完全なコンピュータを使いこなせるのが偉いのではない。
改善点を見いだせる方が偉い。
 
 -  悪いことはしない。特に、コンピュータの力を使って悪いことはしない。
悪意を持つプログラム(malicious program)を作ってはいけない。
 
何か改善点を思いついたら、メモしておくとよい。情報科学類生はプロになって
しまい、初心を忘れてしまう。
一人ひとりの力を最大限に延ばしたい。
一斉授業の限界:
-  内容を個別化できない。
 -  一人ひとりの理解の速度の差に対応できない。
(コンピュータは、いくらでも待つ所がよい。)
 
-  毎時間ある。合計20回。
 -  必須の問題と「[加点]」の問題がある。
 -  必須の問題については、締め切りが明示されていないものは、次の授業の
日までに提出する。
 -  締め切りを守る習慣をつけること。その習慣の強化を狙って、締め切りか
ら遅れると減点する。
 -  「OK」になるまで、何度でも「再提出」すること。
 -  「[加点]」と記された課題は、やらなくても「OK」になる。締切は、学期末。
 -  学期末には、全ての課題を「OK」にすること。
 
注意:
-  「The Unix Super Text」を読む宿題は、それを読んでから回答すること。
-  章全体、節全体を読み、その内容を理解する。単に宿題の項目を調べて終
わりにしない。
 -  インターネットで適当に検索して出てきた事を記入してはならない。
 -  コンピュータリテラシの授業で使うコンピュータでは無効になっているこ
とや古くなっていることも含まれている。
 
 
次のように合算する。
-  課題の採点結果 60%。
全ての課題を締め切り通りに提出し、最終的に全てが「OK」になれば、B相当(70-79点)。
A(80点以上)が必要な人は、「[加点]」の課題にも挑戦すること。
 -  期末試験 40%。
 
欠席する時(した時)には、欠席届を提出すること。
予め欠席することがわかっていれば、事前に提出することが望ましい。
情報科学類/情報学類で用意しているコンピュータ、ネットワーク、プリンタなど。
授業の課題を行うために使う。
「情報科学類/情報学類教育用計算機」、「coins(コインズ)」
とも言う。
-  個人で使うコンピュータ
-  Unix PC 150台。Apple iMac (MacOSX 10.6)
 -  Windows/Linux PC 60台。
 
 -  サーバ・コンピュータ。複数人で共有する。ネットワーク越しに使う。
-  World Wide Web サーバ
 -  電子メール・サーバ
 -  ファイル・サーバ
 -  認証サーバ
 
 -  ネットワーク
 -  プリンタ
 
計算機==コンピュータ。
計算機と電卓(calculator)は違う。
学類コンピューティング環境を利用するには、
しばしば、ログイン・アカウント(ユーザ名とパスワード)が必要になる。
実習室(端末室)に入室するには、学生証が必要になる。
-  強力なコピー機。簡単に他人の著作権を侵害できる。
 -  強力な通信能力。簡単に他人のコンピュータを攻撃できる。
 -  強力な計算機能。他人の暗号化された機密情報を解読にも使える。
 
できることとやってよいことは違う。
悪いことに使ってはいけない。
学類の役割分担で、情報学類コンピューティ
ング環境を維持管理する責任を持つ委員会。
手引き I-IV (目次の前のローマ数字のページ) 参照。
学類、大学のコンピュータやネットワークを使わない場合、これらの利用規程
やガイドラインには縛られない。
だからといって、自宅のコンピュータとネットワークで何をしてもよいという
わけではない。
資金提供者や管理者が規定している「受け入れ可能な利用目的」。
日本語では、否定を使って「利用制限」と言った方がわかりやすいかもしれない。
大学構内の部屋や道路で何をしてよいか。
法律や規則にするにはなじまないが、守りたい礼儀・作法・行儀。
ネットワークとエチケットから作られた言葉である。
コンピュータリテラシとは、規約
Last updated: 2011/04/14 10:07:16
 
 Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>