筑波大学全学計算機システム

					2009年06月05日
情報科学類 コンピュータリテラシ

                                       筑波大学 システム情報工学研究科 
                                       コンピュータサイエンス専攻, 電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>

このページは、次の URL にあります。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2009/2009-06-05
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/

■連絡事項

■復習

Windows XP

■補足

iTerm のウインドウをキーボードで切り替えるには、「Option+Command+→」や 「Option+Command+左」を用いる。(iTermのバージョンによって違う。)

iTermのウインドウ・メニュー

iTerm や xterm のタイトルを設定するには、term-settitle というコマンド (coins独自)を使う。詳しくは、cat /usr/local3/bin/term-settitle 。

[再掲]

■筑波大学全学計算機システム

情報科学類、社会工学類などは、学類独自で教育用コンピュータを持っている。 その他の独自のコンピュータを持っていない所は、 筑波大学全学計算機システム (通 称: icho )を使う。(2008年までは、筑波大学教育用計算機システムという 名前だった。) このコンピュータは、主に、共通科目「情報処理」の実習(全学必修)を受講 する時に使う。情報科学類生は、「コンピュータリテラシ」で代替している。

情報科学類生も筑波大学全学計算 機システム を利用することができる。

◆利用可能なコンピュータ

「デュアルブート」とは、電源を入れた時にどのオペレーティング・システム を実行するか(ブートするか)を、2つの中から選択できるもの。両方同時に は使えない。

◆ドキュメント

次の場所にドキュメントがある

筑波大学全学計算機システムホーム・ページ
http://www.u.tsukuba.ac.jp/
情報処理実習用手引き
http://www.u.tsukuba.ac.jp/tebiki/tebiki20090509.pdf。 上のホーム・ページから、左側のメニューの「共通科目情報処理」グループの中から「情報処理手引き」を選ぶ。
筑波大学統一認証システム
https://account.tsukuba.ac.jp/index.html

◆クライアント

実習室にあるパソコン。ドキュメントには、「端末」と書いてある。

◆Windows Vista

Windows XP の後継。使い方が少し違う。

◆Linux

Linux は、オペレーティング・システムの一種。もともとは、中心部分(カー ネル)の名前。さまざまな業者が独自のプログラムとセットにして配布してい る(distribution)。Red Hat は、その配布業者の1つ。CentOS は、Red Hat社の Linux に互換性があるフリーのもの。 筑波大学全学計算機システム には、CentOS が利用可能になっている。

筑波大学全学計算機システム の Linux では、「GNOME端末」を開くと、MacOSX の「iTerm」と似 た状態になる。ただし、学類の tcsh とは異なり、bash が実行される。

筑波大学全学計算機システム の Linux は、学類の MacOSX とは基本となる文字コードが違う。

GNOME(GNU Network Object Model Environment) は、見栄えのよいグラフィカ ル・ユーザ・インタフェースを持つ、一揃えのプログラム群を開発するプロジェ クトの1つ。「端末」以外にも、いくつもの「GNOME」が付くプログラムかある。

◆「利用者システム」による設定変更

筑波大学全学計算機システム では、次のような点について「 利用者システム」 と呼ばれているWeb ページで設定できるようになっている。

◆筑波大学統一認証システム

筑波大学内の 複数のコンピュータ アカウントで、共通のパスワードを使えるようにしたもの。

重要なアカウント

パスワードは、特別のページで変更する。すると、全部の提携しているシステ ムで変更される。ただし、共通なのは、パスワードだけで、 ユーザ名は異なる ことに注意しなさい。

例:

筑波大学全学計算機システム
s学籍番号下7桁
アクセスポイント(無線LAN)
学生証のバーコードに記載された13桁のID
2009年入学の学生については、「初期パスワード」は、Twins の初期パスワードと 同じである。

パスワードを忘れた時には、所定の場所に学生証を持って行き、再発行手続きを行う。

■sshのホストの鍵

ssh (scp, WinSCP, Tera Term, PuTTY含む) で始めてあるホストに接続する時 には、警告が現れる。

ssh コマンド

% ssh ホスト名 -l ユーザ名 [←]
The authenticity of host 'ホスト名 (IPアドレス)' can't
be established.
RSA key fingerprint is 16進数32桁.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes
Warning: Permanently added 'ホスト名 (IPアドレス)' (RSA)
to the list of known hosts.
ホスト名% [←]
PuTTY

PuTTYのSSHのホスト鍵に関する警告。

WinSCP

WinSCPのSSHのホスト鍵に関する警告。

本来は、この 16進数32桁 (公開鍵のハッシュ値)を使って、 接続先が正しいことを確認したい。 目で確かめる時には、次のものと比較する(2009年6月5日現在。変更される可能 性もある)。

icho (icho.u.tsukuba.ac.jp)
63:f7:e6:5b:06:4a:5f:8a:b1:47:4e:c0:7b:5d:92:c6
azalea1-60, balsam1-60, canna1-50 (.coins.tsukuba.ac.jp)
d8:b2:bd:32:c0:9d:80:16:dc:40:7e:73:03:25:4f:b9
orchid-nwd.coins.tsukuba.ac.jp, www.coins.tsukuba.ac.jp
1d:52:07:e5:81:88:c3:e6:e6:dc:d7:08:de:b1:e2:25

■ホスト間でのファイルのコピー

学類のコンピュータと 筑波大学全学計算機システム (icho) の間でファイルをコピーすることができる。

scp コマンド
MacOSX の端末の中、全学/Linux, ログインサーバichoで利用可能
WinSCP
Windows で動作する。

◆scpコマンド

cp コマンド (sがない)は、次のようにして使う。
% cp file1 file2 [←]
% cp file1 file2 file3 dir1 [←]
% cp file1 dir1 [←]
% cp -r dir1 dir2 [←]
最後にディレクトリを指定すると、そのディレクトリの下に葉の部分の名前が 同じ名前のファイルが作られて内容がコピーされる。

scp は、ssh の機能を使いながら、異なるコンピュータ間(ホスト間)でファイ ルをコピーする。次のように、コピー元かコピー先のどちらかにホスト名を付 加する。

% scp file1 host1:file2 [←]
% scp file1 file2 file3 host1:dir1 [←]
% scp file1 host1:dir1 [←]
% scp -r dir1 host1:dir2 [←]
% scp host1:file1 file2 [←]
% scp host1:file1 dir1 [←]
% scp -r host1:dir1 dir2 [←]
ローカルとリモートで、ログイン名が異なるときには、単に host1 と するのではなく、user1@host1 と、ユーザ名を指定する。
% scp file1 user1@host1:dir1 [←]
% scp user1@host1:dir1/file1 dir2 [←]

◆scp、WinSCPはクライアント

scp コマンドや、WinSCP は、ssh の機能ではクライアントとして働く。 クライアント・サーバモデルでは、クライアントとサーバは通信するが、 クライアントとクライアント、サーバとサーバは通信しない。

一般の利用者が操作するのは、クライアント側で、サーバ側は あらかじめ管理者が実行しておくことになる。 sshクライアントのクライアントを操作してファイルをコピーする場合、通信相 手としては最初からサーバが動作しているものを選ぶ。必ずしもすべてのコン ピュータでサーバを動作させているとは限らない。

次のコンピュータでは、ssh のサーバが動作している。

2台のコンピュータでファイルをコピーする時、両方でサーバが動作している場 合では、どちらで ssh のクライアントを動作させてもよい。

コンピュータ1、sshd、scp、コンピュータ2、sshd、scp

図? 2台のコンピュータでsshのサーバ(sshd)が動作している

どちらか一方でしか ssh サーバが動作していない場合、動作していない方で ssh のクライアント側 (scpコマンド, WinSCP)を実行する。

コンピュータ1、scp、コンピュータ2、sshd

図? 片方のコンピュータでsshのサーバ(sshd)が動作している

■実習

実習時間中には、 以下の課題をできるだけ多く行いなさい。全部を行う必要はない。

★練習問題(1501) 全学/Windows Vista: 起動、ログオン、ログオフ、シャットダウン

次のような操作を行いなさい。 注意:ログオフとシャットダウンは、一連の実習が終わって最後にやった方が よい。

★練習問題(1502) 全学/Windows Vista: アプリケーションの実行

次のようなアプリケーションを実行してみなさい。

★練習問題(1503) 全学/Windows Vista: 「コマンドプロンプト」の実行

「コマンドプロンプト」を実行しなさい。

★練習問題(1504) 全学/Windows Vista: エクスプローラ

「エクスプローラ」のウインドウを表示しなさい。 次のような場所で、コンテキストメニュー(右クリック)を 表示して、「エクスプローラ」を選択する。

★練習問題(1505) 全学/Windows Vista: ホーム・ディレクトリの確認

次の上げる方法のいくつかを使って、Z: ドライブが存在することを確 認しなさい。 Z: ドライブは、個人のホーム・ディレクトリである。個人のファイル は、このドライブ(このディレクトリ)以下に保存すべきである。

★練習問題(1506) 全学/Windows Vista: 「ドキュメント」ディレクトリ

「ドキュメント」ディレクトリ(フォルダ)を開きなさい。 Z:\Documents を開きなさい。 両者が、同一であることを確認しなさい。 片方にファイルを作成し、もう片方にも現れることを確認しなさい。

★練習問題(1507) 全学/Windows Vista: icho への遠隔ログイン

筑波大学全学計算機システム のログイン・サーバ icho に遠隔ログインしなさい。それには、 PuTTY というプログラムを用いる。

★練習問題(1508) 全学/Windows Vista: icho への遠隔ログイン/ホームディレクトリの確認

PuTTY で icho に接続したら、次のようなことを調べなさい。 icho のホーム・ディレクトリに何かファイルを作成しなさい。それが Windows 側で Z: に現れることを確認しなさい。

★練習問題(1509) 全学/Windows Vista: coins の iMac への遠隔ログイン

PuTTY を利用して、iMac (azalea1-60, balsam1-60, canna1-50など)への遠隔ログインを行いな さい。

PuTTy を実行したら、以下の図のように、漢字コードとして EUC-JP を選択しなさい。

接続先として balsam1-balsam60, canna1-canna50, azalea1-azalea60 (普段自 分が利用しているもの) を指定して、接続しなさい。 あるいは、Web サーバ( www.coins.tsukuba.ac.jp, orchid-nwd.coins.tsukuba.ac.jp ) を使いなさい。

接続したら、次のようなことを調べなさい。

また、Emacs や lv コマンドで、漢字を含むファイルが表示できることを確認 しなさい。文字化けする時には、PuTTY の設定でカテゴリ「ウインドウ」の 「変換」を調べなさい。

★練習問題(1510) 全学/Windows Vista: WinSCPの利用

WinSCP プログラムを用いて、学類コンピューティング環境と 筑波大学全学計算機システム の間でファイルをコピーしてみなさい。 注意:Z:ドライブには、yshinjoではなく、自分の筑波大学全学計算機システム のロ グイン名(sで始まる)が現れる。

★練習問題(1511) 全学/Windows Vista: プリンタの利用

学生証を持っている人は、プリンタを利用してみなさい。

★練習問題(1512) 筑波大学統一認証システム

筑波大学統一認証システムの Web ページを開きなさい。

★練習問題(1513) 「利用者システム」による設定変更

次の手順で「利用者システム」のWebページを 開きなさい。

★練習問題(1514) 「利用者システム」による電子メールの転送の確認

電子メールの転送の様子がどのようなっているかを調べなさい。転送の設定を した人は、icho にログインし、ホーム・ディレクトリにある ~/.forward の内容と比較しなさい。

電子メールの転送をする時には、 ループしないように注意すること。

情報学類と 筑波大学全学計算機システム の両方で相互に転送しあうことはできない。

★練習問題(1515) 全学/Linux: 起動、ログイン、ログアウト、停止

Linux を起動しなさい。

★練習問題(1516) 全学/Linux: アプリケーションの実行

筑波大学全学計算機システム のLinux にログインすると、一番上に「アプリケーション」を含むメ ニュー・バーが現れる。それを利用して、次のようなアプリケーションを実行 しなさい。
文字端末
Firefox
Emacs
GNOMEヘルプブラウザ
一番上のメニューバーの中で、 「システム」 メニューの「ヘルプ」を選ぶ。

★練習問題(1517) 全学/Linux: bashとtcsh

筑波大学全学計算機システム のLinux で「GNOME端末」を実行し、ウインドウを開くとシェルが 実行される。このことを確かめなさい。set コマンドを実行して変数が表示さ れるが、それが大文字だけであることを確認しなさい。$SHELL という変数が /bin/bash になっていることを確認しなさい。

一時的に tcsh を利用したい時には、bash に対して tcsh コマンドを実行すればよい。

[yshinjo@icho ~]$ tcsh[←]
[yshinjo@icho ~]$ []

★練習問題(1518) 全学/Linux: GNOME端末、日本語EUCの追加

GNOME端末は、標準では漢字コードは UTF-8 になっている。メニューには、 UTF-8 (標準のロケール)しか現れない。これに対して、次の手順で、日本語 EUC、JIS、Shift JIS が現れるように設定しなさい。 うまくいくと、「端末(T)」メニューから「文字コードの設定」にはこれらの日 本語の項目が現れる。

★練習問題(1519) 全学/Linux: icho への遠隔ログイン

GNOME端末の中で、ssh コマンドを実行し、 筑波大学全学計算機システム のログイン・サーバ icho に遠隔ログインしなさい。
% ssh icho.ipe.tsukuba.ac.jp [←]
% ssh icho.ipe.tsukuba.ac.jp -l ユーザ名 [←]
% ssh ユーザ名@icho.ipe.tsukuba.ac.jp -l ユーザ名 [←]
ssh-l オプションは、ログイン名を指定するオプションである。 実習室の Linux と icho では、ログイン名が共通なので、 ログイン名を指定しなくてもよい。

★練習問題(1520) 全学/Linux,coins の iMac への遠隔ログイン

GNOME端末の中で、ssh コマンドを実行し、 iMac (azalea1-60, balsam1-60, canna1-50 など)への遠隔ログインしなさい。 あるいは、orchid-nwd.coins.tsukuba.ac.jp, www.coins.tsukuba.ac.jp へ 安価くログインをしなさい。
% ssh azaleaN.coins.tsukuba.ac.jp [←]
% ssh azaleaN.coins.tsukuba.ac.jp -l ユーザ名 [←]
% ssh ユーザ名@azaleaN.coins.tsukuba.ac.jp [←]
ssh-l オプションは、ログイン名を指定するオプションである。 実習室の Linux と coins では、多くの人はログイン名が共通なので、 ログイン名を指定しなくてもよい。

★練習問題(1521) 全学/Linux: scp コマンド

全学/Linux の GNOME 端末の中で、scp コマンドを実行し、筑波大学全学計算機システム から学類へ、および、学類から筑波大学全学計算機システムへ、ファイルをコピーしなさい。

同様に、coins のコンピュータで、scp コマンドを実行して、筑波大学全学計算機システム か ら学類へ、および、学類から筑波大学全学計算機システムへ、ファイルをコピーしなさい。

★練習問題(1522) 全学/Linux,LaTeX の利用

筑波大学全学計算機システム の Linux に coins で作成した LaTeX のソースファイルや画像ファイルを コピーしなさい。それを、それを次のページを参考にして印刷しなさい。

■課題15 筑波大学全学計算機システム

締め切りは、標準(次回の授業、2009年6月9日火曜日)とする。 (1) については、6月5日の実習時間内に済ませておくことが望ましい。

(1) 筑波大学全学計算機システム のホーム・ディレクトリ、または、その下に作成した適当なディ レクトリに次のような内容を含む 1 つのテキスト・ファイルを作成しなさい。

Linux (デュアルブートのパソコン、または、icho サーバ)では、次のようなコ マンドで作成する。
$ hostname > hostname-ipaddr2.text
$ /sbin/ifconfig eth0 >> hostname-ipaddr2.text
$ ls -l hostname-ipaddr2.text
(ファイルの大きさの確認)
$ cat hostname-ipaddr2.text 
(ファイルの内容の確認)
Windowsの場合、「コマンドプロンプト」の中で、次のようなコマンドで作 成する。
Z:\> hostname > hostname-ipaddr2.text
Z:\> ipconfig  >> hostname-ipaddr2.text
Z:\> dir hostname-ipaddr2.text
(ファイルの大きさの確認)
Z:\> type hostname-ipaddr2.text 
(ファイルの内容の確認)

作成したファイルの日付と大きさをレポートに書きなさい。

(2) (1) で作成したファイルを scp コマンド、または、WinSCP プログラムを 利用して、学類のホーム・ディレクトリ(または、その下に作成した適当なディ レクトリ)にコピーしなさい。 コピーした方法をレポートに書きなさい。

(3) (2) でコピーした後のファイルの日付と大きさを調べなさい。具体的には、 学類のコンピュータ(iMac)で次のコマンドを実行し、そのコマンドラインと実 行結果をレポートに含めなさい。

% hostname [←]
(実行結果)
% pwd [←]
(実行結果)
% ls -l hostname-ipaddr2.text [←]
(実行結果)
% nkf -e hostname-ipaddr2.text [←]
(実行結果)
% []

(4) [加点] 筑波大学全学計算機システム、または、その他 coins 計算環境以外のWindows が動 作しているコンピュータとiMac の間で、アーカイブ・プログラム(zip, Lhaplus, その他)を用いて複数のファイルを効率的にコピー(双方向)してみな さい。レポートには、次のようなことを報告しなさい。


Last updated: 2009/06/04 23:11:00
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>