2007年06月12日
情報科学類 コンピュータリテラシ
筑波大学 システム情報工学研究科
コンピュータサイエンス専攻, 電子・情報工学系
新城 靖
<yas@is.tsukuba.ac.jp>
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http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2007/2007-06-12
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http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/
- Unix Super Text 下巻「第52章 文書作成の道具箱」、
「第53章 ドローツール」、
「第54章 画像処理」、
参考。
- オフィスツールの手引き「第3章 表計算ソフトを用いたデータ処理」参照。
- 次回6月1日金曜日は、実習室 3C113 に集合。
- 手引き(教育用計算機システム使用の手引き)を持って来る。
- Unix Super Text の次の場所を読んでくる。
「第57章 Cの使い方」 57.1-57.2節、
「第65章 Javaの使い方」 65.1-65.3節、
- 手引きの次の章を読んでくる。
7.1-7.2節、8.1-8.2節。
主な使い方。
種類
- Excel
- OpenOffice Calc
- Gnumeric
- Oleo
- sc
- KDE kspred
- (VisiCalc, Lotus 123, Microsoft Multiplan)
- セル(cell)
- 1つの升目
- 行 (row)
- 横に切ったもの
- 列 (column)
- 縦に切ったもの
セルを参照するには、Excel では、A1, B2 のように、アルファベットと数字を使う。
アルファベットは、列、数字は行を表す。
「A1:A10」と書くと、A1,A2,A3,...,A9,A10 の10個のセルを意味する。
「A1:C1」と書くと、A1,B1,C1 の3個のセルを意味する。
Excel での2種類の参照
- 相対的
- なにもつかない
- 絶対的
- 頭に $ を付ける。$A1 や A$1 や $A$1 のように。
セルをコピーした時に、相対的な参照では、自動的に番号の付け替えが行われ
る。絶対的なものでは行われない。
その他、R1C1 のような表現方法(Lotus 123) もある。
セルに、「=
」から始まる文字列を打ち込むと、式として評価される。
例:「=10+20」と打つと、画面には、「30」と表示される。
セルの式を編集するには、「数式バー」を表示させるとよい。「表示」メニュー
の「数式バー」にチェックを入れる。
式としては、次のようなものが記述できる。
- 数、文字列、日付
- 演算子。四則演算(+-*/)。冪乗(^)。文字列の連結(&)
- 関数。sum() や average()。(「挿入」メニューから「関数」)
- 参照。A1, B2 のようなセルの名前を書くとその内容が参照できる。
よく使う関数
- sum()
- 合計
- count()
- 数値の個数
- average(), median(), max(), min()
- 平均, 中央値, 最大、最小
- if()
- 条件判定。第1引数がtrueなら第2、そうでなければ第3引数の値
- sumif()
- 条件を満たせば加える
- countif()
- 条件を満たせば数える
セルの表示を、(内容を変更することなく)変更できる。
- 日付の表示方法
- 小数点以下の桁数
- その他、ワードプロセッサと類似の書式
1つの行を1つのデータとし操作
- ソート
- 行をある列の値の順に並べかえる
- フィルタ
- 行のうち、条件を満たしたものだけ表示し、
残りを非表示にする
異なる表計算プログラムでデータを交換するためのテキスト形式の1つ。
Excel には、CSV形式のデータを読み込んだり、データをCSV形式で出力する機
能がある。
CSV形式は、テキストなので、漢字コードの問題がなければ、テキスト・エディ
タで表示したり修正したりできる。
数値などから自動的に作成する。ドローツールを使うのではない。
目的:
- データの整理のため。
- ワードプロセッサ、LaTeX 文書への挿入
方法
- 表計算ソフトウェアの機能を利用する
- プロット・ソフトウェアを利用する
大事な概念
- 系列
- グラフとして数値の並び
- 数値軸
- y軸(折れ線グラフなどで)
- 項目軸
- x軸(折れ線グラフなどで)
- 凡例(はんれい)
- 系列の説明
- グラフエリア
- グラフの背景
- プロットエリア
- グラフの内側の折れ線などが表示される部分
- タイトル
- グラフのタイトル。普通は上に付ける。
- 軸ラベル
- 軸が表すことの説明。
- グラフウィザード
- 対話的にグラフの種類、データの領域などを指定していく。
グラフの種類
- 折れ線グラフ、レーダーチャート
- 散布図、xとyのデータを両方与えてプロットする。
- 棒グラフ、横棒グラフ、面グラフ
- 円グラフ、積み上げ式棒グラフ
- その他
折れ線グラフや棒グラフでも、x横軸の項目を別途指定できる。
The Unix Super Text 52.3節 参照
- テキスト形式のデータをファイルから読み込む
- 出力を terminal という。
- terminal には、次のような種類がある。
- X11 (プレビュー用)
- EPS (Encapsulated PostScript)
- ドローツール tgif
- データの間をスプライン曲線などで補完する機能がある
実習時間中には、
以下の課題をできるだけ多く行いなさい。全部を行う必要はない。
Microsoft Excel を実行して、表を作成しなさい。
ヘルプを表示しなさい。
ヘルプの検索機能を利用しなさい。
オフィスツール使用の手引きを表示しなさい。
- 情報学類コンピューティング環境の Web ページを開く
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/ce/
- 左側のメニューにある
「オフィスツール使用の手引き」
のリンクをたどる
(
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/ce/index.php?%A5%AA%A5%D5%A5%A3%A5%B9%A5%C4%A1%BC%A5%EB%BB%C8%CD%D1%A4%CE%BC%EA%B0%FA%A4%AD
)
- 「第3章 Excel2003の使い方」のにあるリンクをたどる。
次の表示形式の違いを確認しなさい。
通常は、標準を利用する。紙に印刷する時に、はみ出した領域を収める時には、
改ページプレビューを用いる。
次の操作を、キーボード、および、マウスを使って行いなさい。
できるだけキーボード
- カーソルの移動(アクティブセルの切り替え)
- テキストの選択とコピー、カット
-
+C コピー、
+V ペースト
-
+Z undo (操作前の状態にもどす),
+Y redo (undoの効果の取り消し)
次のキーの動作を確認しなさい。
- Tab, Shift+Tab, Return, Shift+Return
- 矢印
マウスによる次の機能を確認しなさい。
- 行の高さ、列の幅の増減(端の行/列の境界線のドラッグ)
- ワークシートの切り替え(下のタブのクリック)
- セルの移動(ドラッグ、マウス・カーソルが手のひら)
- 同じ内容や連続した数の打ち込み(ドラッグ、マウス・カーソルが十字(オートフィル))
- セルを指定して、コピー、複数のセルを指定してペースト。
メニュー操作による次の機能を確認しなさい。
- 行の挿入、削除
- 列の挿入、削除
- 「操作パレット」の表示、非表示
- 「数式バー」の表示、非表示
- セル内容のクリア
「数式バー」は、常に表示することを奨める。
次の数を打ち込みなさい。
- 314
- 3.14
- 314159265358979323846
- 3.14159265358979323846
- 1 1/2 (帯分数)
- 3/10 (日付として解釈される)
「書式」メニューの「セル」の「数値」項目で、
小数点以下の表示桁数などを調整しなさい。
表示幅が不足した時にどうなるか。
セルに日付を打ち込みなさい
- 2007/6/12
- 2007-6-12
- 6/12
- 6-12
日付の表示形式を、変更しなさい。
「書式」メニューの「日付」の項目から選ぶか、「ユーザー定義」で定義する。
セルに文字列を打ち込みなさい。
数を打ち込んだ場合には、右揃えになる。この場合、
「書式」で「文字列」とすると、文字列になり左揃えになる。
長い文字列を打ち込んだ時の挙動を確認/変更しなさい。
- セルの幅だけ表示される
- セルの幅で行を折り返して表示される
- 縮小して表示される
同じ内容や連続した数の打ち込むために、オートフィルの機能を使いなさい。
また、類似のことを、コピー&ペーストで行いなさい。
次のような局面で、両者を比較しなさい。
- 1,2,3,..., のような連続した値を入れる。
- =A1,=A2,=A3 のような連続した参照を入れる。
相対参照と絶対参照で動作がどのように変化するか調べなさい。
複数のセルを結合してみなさい。
結合したいセルを選択し、「操作パレット」の「配置と間隔」の「セルの結合」
のチェクを入れる。結合したセルを元に戻しなさい。
次の機能を確認しなさい
- 文字のフォント、大きさ、色、背景を変更する
- 左右の揃え(右揃え、中央揃え、左揃え)、上下
- 行の高さ、列の幅
- 罫線の表示
次のファイルを lv コマンドや Emacs で表示しなさい。
-
~yas/public_html/coins/literacy-2007/2007-06-12/tsukuba-weather.csv
- [web]
このCSVファイルを表計算ソフトウェアで読み込みなさい。
そして、表計算ソフトウェアの標準の形式で保存しなさい。
このデータを使って、
Excel によるグラフの作成
で示したようなグラフを作成しなさい。
CSVと同様に、テキスト(タブ区切り)を読みこんでみなさい。
-
~yas/public_html/coins/literacy-2007/2007-06-12/tsukuba-weather.txt
- [web]
ls -l コマンドの結果について、次のことを行いなさい。
- ls -l の結果をファイルに保存しなさい。
- それを、Excel で開きなさい。
この時、「スペースによって右または左に揃えられた固定長フィールドのデータ」として
扱いなさい。
- 型(モード)、リンク数、所有者、グループ、バイト数、日付、名前をそれぞれ
列として認識しなさい。
- ファイルの大きさの順に並べ替えなさい。
- ファイルのバイト数の合計を計算しなさい。
CSVと同様に、表を含むHTMLのテキストを読みなさい。
表の部分だけを、表計算のデータとして取り出しなさい。
ソート機能を利用してみなさい。
複数の行を選択し、
「データ」メニューから「並べ替え」を選ぶ。
フィルタ機能を利用してみなさい。
タイトルを含む行を選び、「データ」メニューから「フィルタ」の
「オートフィルタ」を選ぶ。
次のファイルをコピーしなさい。
-
~yas/public_html/coins/literacy-2007/2007-06-12/exam-result.xls
- [web]
このファイルに対して、次のような操作を行いなさい。
- D列に、レポートの得点を 0.6 倍したデータを置く。例:
=B11*0.6
- E列に、試験の得点を 0.4 倍したデータを置く。例:
=C11*0.6
- F列に、D列とE列の和を置く。例: =D11+E11。
- 4行から6行に、それぞれの平均値、最大値、最小値、中央値を表示する。例:
=average(B$11:B$50)
- G列に、成績A~Dを置く。80点以上は、A、70点以上は、B、60点以上は、C、それ以外は、Dとする。
例:
=if(F11>=80,"A",if(F11>=70,"B",if(F11>=60,"C","D")))
- 10行にフィルタを設置する。特定の成績(たとえばAの人だけ)を表示できるようにする。
-
I4:I7
に、それぞれ A の人数、Bの人数、Cの人数、Dの人数を置く。
例: =countif(G$11:G$50,"A")
- 成績の順に並べ替たり、また、連番の順に並べ替える。
- 成績の人数から棒グラフを作成する。
次のようにして、Excel で扱える最大の整数値を調べなさい。
- あるセルに 1 と打ち込む。
- その下のセルに 上のセルを 2 倍した値を式で入れる。
- その下のセルに 2. をコピーする。
セルに次の式を書きなさい。
その結果を考察しなさい。
エクセ
ル「演算誤差」対策講座参照。
リモート・デスクトップを使って、Windows にログオンしなさい。
そこで、Microsoft Excel を実行し、
相互にファイルを作成して、相互に読み書きできるかを調べる。
The Unix Super Text 53.3節 ドローツール tgif 参照。
tgif で図を書きなさい。
記述した図を、ワードプロセッサ、または、LaTeX の文書に取り込んで表示しなさい。
The Unix Super Text 52.3節 参照。gnuplot で、グラフを作成しなさい。形式としては、
x11 (標準), EPS, tgif, png, その他( help terminal 参照)を使いなさい。
作成したグラフを、ワードプロセッサ、または、LaTeX の文書に取り込んで表示しなさい。
筑波大学教育用計算機(ipe, icho)で提供しているリモートデスクトップを利用
してみなさい。
http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/Manual/remote_disktop.html
coins では、次の場所にクライアントがインストールされている。
% open /usr/local3/Applications/Citrix\ ICA\ Client/Citrix\ ICA\ Client.app
締め切りは、2007年6月19日火曜日とする。
提出方法に関する注意:
- TA に、Microsoft Excel の文書の文書を編集している状態を見せ、
セルの内容(数式バーの内容)を確認させなさい。
- 完成した Microsoft Excel の文書を印刷して、提出しなさい。印刷した紙
に、TAの署名をもらいなさい。
(1) 練習問題(1717) を行いなさい。完成した表と
グラフを1ページに収まるように印刷しなさい。
(2) [加点] Excel によるグラフの作成 と同様な
グラフを作成しなさい。それを、ワードプロセッサ、または、LaTeX の文書に
取り込みなさい。
-
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
に
ある気象庁が提供している過去のデータからつくば市以外で、自分が住んだこ
とがある地域に一番近い地点を選ぶ。この中にない場合には、任意の地点を選
ぶ。あるいは、ここで得られるデータと類似のデータを入手する。
- 過去10年以内の年を選ぶ。
- 「月ごとの値を表示」を選ぶ。
- HTML 形式で保存する。
- 練習問題(1714) と同様に、HTML 内の表を開く。
- 必要な行と列を残して、不要な行と列を削除する。
- 表計算の形式で保存する。
- 以後、目的のデータを選択し、それを系列としてグラフを作成する。
- 様々な書式を整えて見やすくする。
- ワードプロセッサ、または、LaTeX 文書に取り込む。
Last updated: 2007/06/12 12:25:38
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>