筑波大学
今は情報の時代

世の中には、ニュースや災害情報、企業による商品情報やSNSで個人が発する情報など、多種多様な情報が溢れています。その処理には、スーパーコンピュータから、パソコン、スマートフォンに至るまで、さまざまな装置が用いられ、それらはネットワークで相互に接続されています。
 このような情報処理の装置や仕組みを作り出す方法から使いこなす方法まで、「情報」にかかわる多くの技術と考え方について学ぶのが「情報科学類」です。

充実した教授陣

情報科学類では、1学年の定員80名に対して専任教員が55名、じつに学生1.5人に教員1人の割合です。この充実した教授陣がコンピュータ、ネットワーク、セキュリティなどの基盤的な技術から、Webアプリケーション、ユーザインターフェース、音声画像認識、スーパーコンピュータ計算といった応用まで、幅広い授業を提供しています。

卒業後の進路

理工系の大学では、多くの学生が大学院に進学します。情報科学類でも、近年では約8割の学生が大学院に進学しています。卒業後の進路は、大学院修了者も含めて情報通信産業はもちろん、自動車や電機メーカー、銀行、テレビ局、アミューズメントなど、さまざまな業種にわたっています。

卒業生の活躍

情報の世界では、インターネットや、スマートフォンのように、数年前までは存在すらしなかったものが、当たり前に使われるようになります。進化のスピードが非常に速い中で、とても多くの技術者が必要とされています。卒業生たちは、「情報」が必要とされる多岐にわたる職場で活躍しています。

情報技術で世の中を変えよう!

情報技術で今の世の中をもっと良くしたい、もっと楽しくしたい、そんな夢とチャレンジ精神を持った皆さんと出会えるのを楽しみにしています。

大矢学類長

情報科学類長
大 矢  晃 久

情報科学類で未来の情報技術にチャレンジしよう

情報科学類は、これまで筑波大学における情報専門教育の中核を担ってきた情報学類を母体とする学類です。

前身の情報学類は1977年に発足、2007年に情報科学類に移行し、2017年3月現在、合わせて37回の卒業生を送り出しています。社会で活躍している卒業生の累計は、約4,000名に達します。

情報科学類は、情報に関する科学と技術の基礎や応用力を身につけ、情報のプロとして実世界の様々な課題を解決し、豊かで秩序ある社会の実現に貢献できる人材の育成を目指しています。

カリキュラム 履修科目と学習の進め方

基礎から応用まで着実に学びながら、
最先端の技術や専門知識を習得していきます。

情報科学類では、基礎技術から応用技術、理論から実世界のシステム、ハードウェアからソフトウェア・知能情報メディアまでをカバーするカリキュラムにより、日夜発展する情報科学技術の多様な側面を幅広く、また、その原理や仕組みを奥深く学習することができます。
※詳しくは情報科学類のWebページをご覧下さい。http://www.coins.tsukuba.ac.jp/

カリキュラム一覧

ソフトウェアサイエンス主専攻

とてつもなく高速で、人間と肩を並べるまでに賢くなったコンピュータは、実は、数100程度の単語しか理解できない子供です、と言ったら驚くでしょうか。たった数100単語で、どのようにして、これほど複雑なことを実現しているのでしょうか。コンピュータに、手取り足取り何をしたら良いか指示を出すのがソフトウェアです。単純なブロックを巧みに積み重ねて、壮大なオブジェを作りあげるように、ソフトウェアは、数100の単純な命令を組み合わせて、人間のお供をするロボットを操ったり、表情豊かに音楽を演奏したり、また、不思議な円筒形の道具で人の意図を読み取ったり、大規模で複雑なデータに対してその要点を的確にグラフ表示するなど、様々な仕事を見事に達成します。ソフトウェアサイエンス主専攻では、このようなソフトウェアの科学と技術について、基礎理論から応用まで学びます。たとえば、現実の物理現象や化学反応をコンピュータの中で再現して何が起きるか見るためには、数理的なモデルを作り、その動作をシミュレートするソフトウェアを作ります。ソフトウェアが、私たちの意図通りに正しく動くか調べるためには、ソフトウェアのテストや検証を行なうソフトウェアを作ります。実世界にある大量の情報を効率良く扱うためには、数学力と論理的思考力を駆使して、アルゴリズムとよばれる手順をうまく構成します。そして、ロボットや音楽演奏、人にやさしく操作しやすいシステムを作るためには、新しいアイディアを生み出す発想力が必要となります。これらを通じて、コンピュータのソフトウェアの本質を理解し、未知の問題に柔軟に対処する人材を育成します。

モデル検査法:エラー状態に到達するかどうかの全自動検査
大規模数値シミュレーション技術の開発

情報システム主専攻

情報処理の基盤的な技術は、コンピュータという目に見える形ではなくても、いたるところで使われるようになってきています。たとえば、携帯電話や携帯音楽機器、あるいはディジタル家電などにおいても、それらはハードウェアやソフトウェアを自在にあやつることのできる情報処理の基本技術の上に成り立っています。また、インターネットの世界を一変するような新しい使われ方も、実際には、情報システムを支え、発展させるために時間をかけて研究開発されてきた技術で支えられています。情報システム主専攻では、これらの基盤となる情報技術の本質を学ぶだけではなく、それらをいかに応用するかという点も重視しています。たとえば、実際にコンピュータや情報システムの中身はどうなっていて、それらを設計するにはどうすればよいのか、ネットワークの仕組みはどうなっていて、どのような使い方ができるのか、ホームページを利用して新しい情報のサービスを行うにはどのような技術が必要か、などに関して基礎的な考え方から応用まで、演習や実習を交えながら理解することができます。
 情報システム主専攻では、これらの基盤情報技術の本質を理解し、未来におけるさらなる発展を担う人材の育成を目指して教育を行っています。これらの基本的な技術を学ぶことによって、目覚ましい勢いで発展を続ける情報関連技術を使いこなすだけでなく、新しい技術を生み出す担い手としての考え方や知識を習得することができます。

fig1
ユビキタス情報管理とストリーム処理
fig2
セキュア仮想マシンモニタ BitVisor

知能情報メディア主専攻

私たち人間は、視覚や聴覚などの五感や他人とのコミュニケーションにより情報を得、それを基に状況を認識して、適切な判断をする知的処理能力を身につけています。近年、科学技術の進歩により、私たちを取り巻く環境は一変し、コンピュータやネットワークにより多種多様で膨大な情報や知識が得られるようになりました。その結果、これらをうまく利用することで、人のもつ能力を最大限に引き出すことが可能になりました。しかし、これらの膨大な情報から適切なものを選択し、人間に理解しやすい形で提供できなければ、それらは無駄なものになるだけでなく、誤った判断や行動につながる危険性もあります。
 そのため、知能情報メディア主専攻では、人が自然に持っている知的能力やコミュニケーション能力をコンピュータや機械に与え、逆に情報や知識を得る技術を学びます。例えば、コンピュータにどのようにして知識を与えるのか、それを使えばどのような思考や推論が可能となるのか、また、人は音声、画像、立体映像などをどのように理解し、それをコンピュータで実現して人とのコミュニケーションを可能にするにはどうすれば良いか、マルチメディア情報はどのようにデザインされ記憶・伝達されるのか、ネットワークでやり取りされる情報のセキュリティを守るにはどのような工夫が必要かなどについて、演習や実習を交えながら理解を深めます。これらの基本的な技術の習得を通して、今後ますます高度化・複雑化するコンピュータや機械を真に人間のよきパートナーとして開発・発展させる際に中心的な役割を果たすことのできる人材を育成しています。

fig1
大脳皮質でどのように形が符号化されているかを示すモデル(右上)と、視覚の情報処理についてのディスカッションの様子(下)
fig2
ネットワーク型ドライビングシミュレータを用いたインタラクション

組み込み技術キャンパスOJTの紹介

http://inf.tsukuba.ac.jp/ET-COJT/

組み込み技術キャンパスOJTとは?

組み込み技術キャンパスOJT」は2009年から開始された、企業との連携による新しい産学共同教育プログラムです。現在は「一般財団法人 キャンパスOJT型産学連携教育推進財団」により運営されており、「キャンパスに居ながらOn the Job Training」できるプログラムです。コースにはハードウェアとソフトウェアの2つがあり、企業で働く講師陣は各分野のエキスパートで、その経験とスキルを十分に体験し、実践的な学習することができます。また、工作室として3Dプリンタやレーザ彫刻機を備えた「open fab 創房」があり、商品のプロトタイプまで製作可能です。単にハードウェア、ソフトウェアと言うのではなく、デザインやユーザインターフェース、ネットワークを用いて提供するサービスまでも含めての教育が出来る環境となっています。組み込み技術キャンパスOJTは、3年次を対象に情報学群の3つの学類を横断的に開講され「ソフトウェアサイエンス実験A・B」「情報システム実験A・B」「知能情報メディア実験A・B」の一つとして開講されます。2017年度からはenPiT2との連携も行っています。

教室・創房
教室・創房

以下は、平成29年度(第9期)の各コースの説明です。

ハードウェアコース

■学期:春・秋学期
■定員:12人

組み込み機器の全体を制御するSoC(System on a Chip)を設計するための技術を学びます。使用する評価ボードには、CPUコアとFPGAがひとつのチップに統合されたLSIが搭載され、グラフィックスLSIの設計演習とそれらを制御するCPUのプログラミングを通して、ソフトウェアとハードウェアの協調動作を意識した組み込みシステムの実現を行います。

FPGAボード
FGPAボード
ソフトウェアコース

■学期:春・秋学期
■定員:12人

組み込み機器においても視覚によるユーザインターフェースの重要性は増し、Web技術も肝要な技術となってきました。授業では、視覚デザインの基礎を学びながら、HTML5の基礎的な文法やDOM構造から主要なJavaScript API、WebGL、Node.jsを用いる実習を行います。さらに「ネットに繋がる触れるおもちゃ」をいわゆるIoTデバイス(超小型コンピュータ)にセンサやモータ、アクチュエータを組み合わせて制作します。

各自が一通り必要なことを網羅し、企画~作品制作~発表を通して社会で活用できる実務を実践します。

受講生成果物例
受講生成果物例
■履修要件

各コースのそれぞれにおいて、エントリーシートによる適正評価と面接によって選抜を行います。1・2年次に各学類で学ぶ科目に違いはありますが、原則としてプログラミング等のソフトウェア関連科目が十分に習得されており、興味と熱意がある学生であれば、いずれのコースも出願できます。

先生からのメッセージ

情報科学類の多彩な教育陣による幅広い授業を提供します。

  • 三谷純先生
    三谷 純先生

    コンピュータグラフィックス

    コンピュータが生み出す映像とその可能性

    SF映画やゲームなどで、日ごろ目にする映像の多くがコンピュータによって作り出されています。このような映像をCG(コンピュータグラフィックス)映像と呼びます。1秒間の映像を作り出すには数十枚の静止画が必要で、1つの静止画は百万近くの画素から構成されます。この1つ1つの画素の色を決定するために、その舞台裏では、対象物の立体形状データの生成と、光学モデルに基づく膨大な計算が行われています。私たちが何気なく目にしている映像も、それを作りだすためには多くの計算が必要とされているのです。その仕組みを学ぶことを通して、さらに新しい映像表現の可能性を一緒に考えていきましょう。

  • 日野英逸先生
    日野 英逸先生

    数理工学

    数理モデルとデータ解析技術

    自然科学・工学を始めとした諸問題に対して、現象を記述する数理モデルと現象を分析する統計モデルの両面から取組んでいます。現在、様々な分野でデータサイエンスの重要性が喧伝されていますが、具体的な対象に依存しない普遍的な方法論を学ぶことで、どのような分野に進んだとしても、「科学の文法」としてのデータ分析技術を武器に活躍することが出来るでしょう。

    なにより、普遍的な方法論はそれ自体が「科学」としての面白さと意義を持ちます。

  • 岡瑞起先生
    岡 瑞起先生

    データサイエンス・ウェブサイエン

    「ウェブサイエンス」は、人類にとってどのような意味を持つのでしょうか。

    ウェブサイエンスの研究をしています。「ウェブサイエンス」とは、ウェブの産みの親であるティム・バーナーズ=リーらによって提案された新しい科学領域です。ウェブページやリンクが爆発的に増加したことによって、現実社会とは別の社会がネット上に構築され、発展を続けています。そうした創発的な特性がどのように生じたのか、どのように利用できるのか、今後どんな現象が生まれるのか、それが人類にとってどのような意味を持つのか。そういった問題の解明を一緒に目指しませんか?

  • 塩川浩昭先生
    塩川 浩昭先生

    データ工学

    データから「今」を瞬時に分析する

    近年の情報技術の発展により、メール・メッセージなどの文書データや、写真・ビデオ・音声などのメディアデータなど、多様かつ大量のデータを日々生成・蓄積する「ビッグデータ」と呼ばれる時代となりました。多くの研究者の努力により、これらのデータを分析することでデータを生み出した人間や組織、社会が「今」どのような嗜好や考え方、意見を持っているのかなどを知ることが出来るようになりつつあります。コンピュータを通じて「今」を瞬時に分析できるようになったとき、人類の生活はより豊かに発展していくのではないでしょうか。大量のデータを扱った研究に興味のある方は是非この情報科学類で共に学びましょう。

  • 健部修見先生
    建部 修見先生

    ハイパフォーマンスコンピューティング

    世界で最も速いシステムプログラムとは

    超大規模ビッグデータ解析、データインテンシブコンピューティング、ハイパフォーマンスコンピューティングのためのシステムソフトウェアの研究を行っています。より大規模なデータ解析のためには、データ規模、コンピュータの計算速度に応じたスケーラブルなI/Oの仕組みが必要になります。その仕組みに基づく分散ファイルシステム、並列I/O、ワークフロー、MapReduceなどスケールアウトする並列分散システムソフトウェアの研究を行っています。これまで、オープンソースでGfarmファイルシステムの開発も行ってきました。システムソフトウェアの研究に興味がある人は是非話を聞きにきてください。

  • 二村保徳先生
    二村 保徳先生

    並列数値計算アルゴリズム

    情報技術で未来を拓こう

    最近、囲碁プログラムがプロ棋士に勝利を収めたり、小学校でのプログラミング教育の必修化が真剣に議論されたりしていることは皆さんもご存知かと思います。このような時代が来たことは驚くべきことです。情報系分野のイノベーションに、今まで以上に大きな期待が寄せられています。私の研究の現場でも生命系や物理系など他分野の人たちに「情報分野の人たちと組めば、何かすごいことができるだろう」と期待され、その期待に応えられるよう努力の日々です。皆さんも情報科学類で高度な知識と技術を身につけて、これからの未来の世界で溢れかえるチャンスを掴みとりませんか。

先輩からのメッセージ

郡司絵莉華

郡司 絵莉華

(2016年入学)
山脇学園
高等学校卒

筑波大学は広大なキャンパスを持つ総合大学です。日本各地から、さらには世界からも多くの学生がここ筑波大学で日々様々なことを学んでいます。専門分野はもちろん、自分の興味に合わせ、他の学類の授業も受けられるのは総合大学だからこそです。5つある図書館は約250万もの蔵書数を持ち、知識を広げる場としては良い環境です。また、サークルや学校行事を通し、自分とはまったく違うことを勉強し、目指している他の学生との交流を深められるところが魅力の一つです。

情報科学類では情報学のみならず、その元となる数学や物理学等の知識について、幅広いことが学べます。ソフトウェア、ハードウェア両面の学習が充実しているところも大きな特徴です。「実はコンピュータに関する知識がほとんどない」という人は基礎からじっくり学ぶことができますし、上の学年の授業を先に履修することできるため「もっと専門的なことを学びたい」という人もどんどん自分の学習を進めることができます。授業や仲間との交流を通し、刺激を受けることがたくさんあり、高校以前の自分と比べ視野が大きく広がりました。図書館のように学群生共通で使える施設以外にも、情報科学類では24時間計算機を利用できる設備もあり、学習環境は大変良いところです。

みなさんも一緒に、筑波大学情報科学類で学んでみませんか?

Farley Oliveira

Farley Oliveira

(2016年3年次編入学)
奈良工業
高等専門学校卒

筑波大学に入学する前に、キャンパスを初めて訪れたときにとても驚きました。キャンパスは広大で緑が多く、とても気持ちが良くて、素晴らしい環境だと思いました。そのため新しい生活を本当に楽しみにしていました。

一方で心配な点もありました。留学生の私は日本語が苦手で、日本人の学生に比べて勉強のスピードが遅いです。高専から編入学してから卒業するのに必要な取得単位数が多いと大変だと思い、やっていけるか不安でした。

ですが、オリエンテーションを受けてからその不安がなくなりました。単位認定手続きを行う際に、編入生の先輩方からアドバイスがいただけたおかげで、卒業するまでに必要な単位数は他の学生と同じ程度になりました。また毎年多くの人が情報科学類に編入学するおかげで、孤独を感じたことがなく、トラブルやわからないことがあったときに、同じような経験をしている人に相談できました。

情報科学類では、3年生になるときに3つの主専攻に分かれ、情報科学の中でも特に興味がある分野を集中して深く学ぶことができます。また、通常の実験に代わって「組み込み技術キャンパスOJT」を履修することもでき、企業で役に立つような実践的スキルを身につけることもできます。

情報科学類を受験してみませんか?皆さんと一緒に勉強するのを楽しみにしています!

村田 雄一

村田 雄一

(2009年卒)
株式会社ディー・エヌ・エー
オープンプラットフォーム
事業部システム開発部

情報科学類の魅力は多様性です。自分は高等専門学校からの3年次編入生として情報科学類(旧 情報学類)に入りました。学類生の中には、学術性の高い講義や研究に打ち込む学生もいれば、産学連携の実践的な研究に従事する学生、大学ゆかりのベンチャーで活躍する学生もいます。そうした思考や興味の異なる学生と交流しながら切磋琢磨することによって、視野を広げつつも、情報科学について学んでいくことができます。

卒業後の進路も様々で、専門性の高い研究職に就く人もいれば、実践的な開発職に就く人もいます。自分の場合は後者のケースに当たります。実践的な開発現場においても、在学中の講義や研究活動を通して身につけた計算機科学の基礎的素養や、科学的思考は、仕事をこなす上で自身の強みになっていると常日頃から感じています。

情報科学に興味を持っている人であれば、学問として極める道も、実践的な取り組みに進む道もひらけている。それが情報科学類の特徴だと思います。

卒業後の進路

情報化社会の中核として、分野を越えて活躍の場があります。

情報科学類卒業生には、情報化社会の中核としての活躍が強く期待されており、前途は非常に有望です。近年は約70%が大学院進学です。企業への就職は、情報・通信・コンピュータ関係を始め、電機、自動車などの製造業から、マスコミ・出版にいたるまで、きわめて広い分野にわたっています。このように、分野を越えて活躍の場があることは、情報科学に特有の自在さといえるでしょう。大学院には博士前期課程と後期課程があり、そこに進学した人は、さらに深く勉強して研究を行った後、大学などの教育研究機関や企業の研究所などで活躍しています。

卒業後進路グラフ

■卒業生の主な就職先
情報・通信・
システム
NTTデータ、日本IBM、新日鉄住金ソリューションズ、日立情報制御ソリューションズ、日立ソリューションズ、日立システムズ、リコーITソリューションズ、ソフトバンクグループ、日本ユニシス、東芝ソリューションズ、三菱スペースソフトウェア、ヤフー
電機 日立製作所、NEC、富士通、パイオニア、ソニー、三菱電機、キヤノン、リコー、スタンレー電気
通信サービス
生活サービス
NTT研究所、NTT東日本、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェア、JR東日本、ドワンゴ、任天堂、KDDI
自動車・機械・
エネルギー
トヨタ自動車、東レ、電源開発、小松製作所、スタンレー電気、日本精機、キーエンス、アルパイン
マスコミ・出版・銀行・
保険・シンクタンク・
小売りなど
NHK、野村総合研究所、日本総合研究所、三井住友銀行、三菱UFJニコス、リクルートホールディングス、セコム、サントリーホールディングス、サイバーエージェント、ミクシィ、日本取引所グループ、ノジマ
その他 防衛省航空自衛隊、農中情報システムズ、水資源機構、鉄道総合研究所

編入学案内

学びたい、研究したいという意欲のある人を歓迎します

情報科学類では、高等専門学校の卒業生(卒業見込みを含む)、大学に2年以上在学して規定の単位を修得した人(修得見込みを含む)、外国の大学を卒業した人(卒業見込みを含む)などを対象として、編入学生を募集しています。
 編入学生はこれまでも非常に活躍してきました。推薦を受けて大学院に進学し研究を行っている学生は多数いますし、学群長表彰をうけた学生もいます。情報科学や情報技術を学びたい、研究したいという意欲のある人を歓迎します。

■単位認定

高専、短大、大学等で修得した科目の単位を、本学の単位として認定する制度です。修得した科目の内容と本学類の科目の内容を照らし合わせて、個別に認定します。認定されるのは、本学類1〜2年次配当の科目である語学、教養科目、体育等の基礎科目、情報の基礎科目などです。

■カリキュラム

編入学する年次は原則として3年次ですが、既修得単位その他の状況により、2年次への編入となることがあります。
 3年次に編入すると、すぐ各主専攻に配属され、主専攻実験、専門科目など専門的教育をうけられます。4年次には研究室に所属して卒業研究を行います。

■入試

編入学試験では専門科目(数学・情報基礎・物理学)、外国語(英語)による選抜を行います。英語はTOEICまたはTOEFLの点数を換算します。数学・情報基礎・物理学は各2問、計6問のうち4問選択です。

■2017年度入学試験状況

  • 志願者…99名(情報メディア創成学類との併願者63名を含む)
  • 合格者…26名
  • 入学者…21名

■編入学試験の過去問について

編入学試験の過去問は、ウェブページで一部を公開しています。詳細は情報科学類ウェブページを参照するか、情報科学類長室にお問い合わせください。

■編入学のためのQ&A

Q.高専と大学の違いは?
A.大学の方がゆったりしていて自由である、授業や課題がより専門的である、特に筑波大学には幅広い分野の魅力ある講義が数多くある、という意見をよく耳にします。
Q.卒業に必要な単位を修得するのは大変ですか?
A.単位互換制度により80単位(卒業に必要な単位の6〜7割)まで認められます。高専卒の場合、主に4、5年でとった単位が認定されます。
Q.他学類の授業を履修できますか?
A.履修できます。興味に応じて履修すると良いでしょう。
Q.学生宿舎には入れますか?
A.入れます。民間のアパートと比べると友人ができ易いというメリットがあります。

キャンパスライフ

快適な居住環境、サークルや課外活動など充実のキャンパスライフ。

筑波大学では、快適な勉学環境を提供するため、キャンパスの北地区と南地区に学生宿舎(男子寮、女子寮)を設けています。収容人員は約4千人で、新入生は優先的に入居できます。居室には個室と2人部屋があり、ベッドや机、洗面台、暖房設備などが全室に備え付けられています。共用棟には、食堂や浴場、売店、理容・美容室、喫茶室など、生活に欠かせない施設が整っています。宿舎の使用料は水道代等の共益費も含めて月額約1万5千円~です。

大学近辺の標準的な民間学生アパートを借りれば、月額3~5万円かかりますが、首都圏などと比べて半分程度の住居費で大学生活を送ることができます。それでもなお経済的に困難な学生には、入学料・授業料を免除する制度が用意されています。例年申請者の7割以上が全額または一部免除を受けています。さらに、各種奨学金制度を利用することもできます。例えば日本学生支援機構に採用されれば、種別によって異なりますが、月額3~12万円の貸与を受けることができます。その他、学業に差し支えない範囲で、家庭教師などのアルバイトを斡旋しています。

学生生活に彩りを添える楽しみとして、宿舎祭(やどかり祭)、スポーツデー、学園祭(雙峰祭)、そして情報科学類独自のバグ祭など、年間を通じて各種の行事が開催されています。こうした課外活動の中心となっているのがサークルですが、文化系、体育系、芸術系など現在200以上の団体が活動しています。

学校写真

情報科学類Q&A

情報科学類に関する、よくある質問についてお答えします。

情報科学類を卒業した後の就職状況を教えてください。
情報科学類は就職に関して最も実績のある学類の一つです。例年、就職希望の学生20~30名に対して、情報科学類に届く求人は約260社に上ります。情報技術に精通した人材は、ありとあらゆる業種において必要とされており、これからも発展し続ける情報化社会を牽引する存在となるでしょう。
大学院への進学状況を教えてください。また、大学院へ進学した人たちの就職はどのようになっていますか?
2016年度の情報科学類の実績では、卒業生93名のうち約58名が大学院に進学しました。情報科学類で身につけた能力を大学院でさらに磨きをかけることにより、就職に関してはより広い可能性が開けます。例えば、大企業の研究者から大学教員まで研究の第一線で活躍する先輩、高度職業人として企業の開発現場のリーダとして活躍する先輩、あるいは学んだ技術をもとに自らの会社を興す先輩等、まさに様々な職業で活躍しています。
コンピュータを使った経験はわずかで、プログラムといえるようなものもほとんど書いたことがありません。情報科学類に入学しても大丈夫でしょうか?
問題ありません。専門的なコンピュータ教育はほとんどの学生が大学で初めて経験することであり、不正確な知識や先入観のないほうが本当の専門的知識を学ぶ上で有利になることさえあります。真に必要なものはやる気です。
情報科学類生として勉強していくには、自分のPCを持っている必要はありますか?
情報科学類では24時間、十分な台数のコンピュータを利用可能になっています。自分のPCを持っていなくても、学習に全く差し支えはありません。ただし自分で持っていれば、いろいろなオペレーティング・システムやソフトウェアを使ってみる等、さまざまな有意義な使い方ができるでしょう。
情報科学類では、どのような科目が学べるのでしょうか?
情報科学類は、他大学ならば3学科分に相当する科目が用意されており、本パンフレットの「カリキュラム」の頁に掲載されている、情報関連の数多くの科目の中から学ぶことができます。また、各人の興味に応じて目標を設定し、アドバイザー教員の助言を得ながら学習を進める「情報特別演習」が用意されていることも大きな特色です。全学規模で運営されている、広範な学問分野を概観できる「総合科目」も魅力ある授業です。さらに、他学群・他学類で開講されている科目も比較的自由に受講可能となっています。
教職の資格は、どのようなものが取得できますか?
必要な科目を履修して要件を満たした場合には、下記の資格が取得可能です。
〈高等学校教諭一種〉 情報、数学
〈中学校教諭一種〉  数学
さらに必要な科目を履修して要件を満たした場合には、上記以外の高等学校教諭一種および中学校教諭一種の免許状を取得することも可能です。詳しくは下記ホームページをご覧下さい。
【筑波大学 教職課程ホームページ】http://www.tsukuba.ac.jp/education/tt-programs/
筑波大学・筑波研究学園都市周辺地図 Tsukuba Science City Map and Location of the University
筑波大学周辺地図
  • ●つくばエクスプレスにて秋葉原駅からつくば駅まで最速45分。つくばセンターから「筑波大学中央行き」バス、または「筑波大学循環バス(右回り)」で「第三エリア前」まで約10分。左回りでも行けますがやや遠回りになります。
  • ●JR常磐線にて上野駅、あるいは水戸駅からひたち野うしく駅、荒川沖駅、あるいは土浦駅まで約1時間。ひたち野うしく駅東口、荒川沖駅西口、あるいは土浦駅西口からそれぞれ「筑波大学中央行き」バスで「第三エリア前」まで約40分。なお直行バスがない場合は、「つくばセンター行き」バスで「つくばセンター」下車、「筑波大学循環バス(右回り)」で「第三エリア前」下車。
  • ●大宮方面からは東武アーバンパークラインで流山おおたかの森駅、あるいはJR京浜東北・根岸線にて南浦和駅でJR武蔵野線に乗り換え南流山駅でつくばエクスプレスに乗り換えてください。
  • ●浦和方面からは南浦和駅でJR武蔵野線に乗り換え南流山駅でつくばエクスプレスに乗り換えてください。
  • ●東京駅八重洲南口から「筑波大学行き」高速バス、「つくばセンター行き」高速バスにて「つくばセンター」下車(約65分)。つくばセンターから「筑波大学中央行き」バス、「筑波大学循環(右回り)」バスにて「第三エリア前」下車(約10 分)。または、東京駅八重洲南口から「筑波大学行き」高速バスにて「大学会館」下車(約75分)。「第三エリア前」まで徒歩(約5分)。
路線図

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