情報科学類の概要

  身の回りに深く浸透しあまり意識されることはありませんが、情報科学は社会基盤を支えるという重要な役割を担っています。例えば、携帯電話を利用して友達とメールのやり取りができます。道路では信号機などの交通制御が行われており、コンビニではレジと連動したデータベースが商品や顧客情報を管理しています。また、飛行機・鉄道や宿泊施設の予約システムや銀行のオンラインシステムなども挙げられます。最先端分野でも情報科学を抜きにして語ることはできません。宇宙産業やゲノム科学などでも情報科学は重要な役割を担っています。

 情報科学類は、このような社会基盤を支える情報処理のための科学−情報科学−を探究し、人と社会の役に立つ技術を創り出す学類です。情報科学とは、既存の科学・工学を基本として更なる発展をもたらすための学問です。そこで情報科学類では、情報科学に関連する幅広い知識と高い専門性を身につけ、実社会における種々の問題を高い倫理観のもとに解決する能力を身につける教育を行います。ここで、情報科学類の教育の特徴を3つ紹介しましょう。

 第一の特徴は、情報分野で国際標準となっている最新の授業体系で必須とされている科目を網羅している事です。これらの科目は、主として1・2年次の専門科目及び、3 年次の主専攻共通科目として学習し、情報科学類のすべての学生が身につける共通の知識基盤となります。
 第二の特徴は、3・4年次において、ソフトウェアサイエンス、情報システム、知能情報メディアという3つの主専攻に分かれて、専門的学修を行うことです。この主専攻の構成は情報科学類独特のものであり、実社会からの要求に合わせた教育に加えて、大学院における最先端の研究と直結しているという特徴があります。
 第三の特徴は、自主性と多様性です。学生が自分で設定したテーマについて学習する「情報特別演習」の授業は自主性の好例です。また、主専攻ごとの実験(3年生)と卒業研究(4年生)では、世界でも他に類例を見ないほど多様で充実したテーマを用意し、学生が自分の意思でテーマを選択するシステムを提供しています。
 情報科学技術に対する需要は、社会の発展にともない、今後さらに増大していくと予想されます。情報科学技術に関する幅広い基礎知識と実社会で生じる新しい課題の解決に応用する力を身につけるための教育を情報科学類は行います。またこれに加えて、より高度な知識を得て情報科学の研究を行いたい、という学生には最先端の研究と直結するテーマを用意して大学院への道を示します。  


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